江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

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「学校給食栄養士を民間に」区長から告げられた考えは、許せません。(決算特別委員会/教育費)

2010-10-14 | 学校給食のこと

◆間宮由美 委員 アレルギーのある子どものための除去食、アレルギー食の実施状況の資料をいただいています。小中合計で対応人数648人、10人以上の対応をしなければならない学校も19校あります。そこでお聞きします。
 まず、各学校では、この除去・アレルギー食は具体的にはどのように実施しているのでしょうか。
 また、二つ目には、食育リーダーを各学校で指名して年2回の研修会を実施されていると思いますが、この研修会の意義と、あと各学校で食育リーダーにはどなたが指名されているのかということをお聞かせください。 

◎住田雅一 学務課長 アレルギー食の対応についてですけれども、これはまず各児童生徒に調査票のほうをお配りしまして、それで、調査票のほうでアレルギーがあるというような児童生徒に対しては個別に学校のほうで面接を行って、どういった内容なのかというのを一人ひとり確認させていただいています。それに基づいて給食の調理の段階で一人ひとりのアレルギーに合わせた、つまり手作業でそういうアレルギー物質を取り除くというような形で対応をしているところでございます。 

◎建部豊 指導室長 私からは、食育リーダーについてお答えをさせていただきます。
 この食育リーダーにつきましては、今般、学習指導要領の中でも食に関する指導の重要性ということがうたわれまして、それを受けまして、平成19年度から東京都では全校で食育リーダーを設置してということで、江戸川区も19年度からすべての学校で食育リーダーを設けております。実際に食育リーダーになっている方々は、栄養士だけではなくて、養護教諭であるとか、教諭もなっております。
 なお、年2回の研修会につきましては、まず、食育リーダーが学校内でどういう役割を果たすかという講演会を中心にした研修会が1回、それと、実際の教育活動の中で食育をどう位置づけていくか、例えば家庭科の授業であるとか、保健の授業であるとか、場合によっては学級活動の中で食に関する指導をどう位置づけるかという公開授業を中心にしながら各学校で食育に関する指導の取り組みを広げているという状況でございます。

◆間宮由美 委員 栄養士が食育リーダーになっている割合はわかりますか。

◎建部豊 指導室長 今年度は81名が栄養士で、栄養士が食育リーダーになっております。

◆間宮由美 委員 まず、アレルギー食のほうで、今年度は648人ということで、昨年度573人でしたから、75名増えていて、多分これからも増え続けるだろうと予想ができるところです。
 ある学校では、13名の対応をしなければならないお子さんがいて、除去する品目は28品目に及ぶということです。
 また、ある学校では、除去食といっても、例えばナッツのアレルギーの子どもであっても、クルミはだめだけれどもほかのナッツは大丈夫とか、あるいはピーナッツはだめだけれどもほかのナッツは平気という子もいるということです。
 ある学校では、子どもが自分のアレルギーに対して自覚をしなければ、卵はだめだけれどもケーキは食べちゃうということになってしまうので、子どもを朝来させて、そして今日食べられるもの、食べられないものというのを一つひとつ確認をとっているということです。
 ある学校では、アレルギーの子のための食品一つひとつにラップをして、そしてそこに名前を、シールを張って、食べられる食べられないの意識づけをしているということです。
 それで、先ほど手作業でとおっしゃったんですけれども、こういったことはすべて栄養士さんが行っています。命に直接かかわることになりますから、本当にものすごい責任感で行ってくださっているところです。
 そこでお聞きしたいもう一つは、江戸川区では栄養士は全校配置をしています。これはなぜでしょうか。

◎多田正見 区長 これは、私も4年間教育長をやりましたが、大分前から全校配置ということになっておりまして、他の区では2校に1名という配置でいたんですけれども、前の区長に聞いたことがあるんですけれども、それはおれの哲学だと言われたので、そうですかということで。
 しかしながら、前の区長は今云々することは申しわけない話ですけれども、学校給食のつまり調理師も自らやると、そういう考え方を持っていたんですが、本当に私もいいかなという疑問を持っておりましたけれども、私、前区長の後を引き継ぎましてから、とりあえず調理師は民間委託をすると。次なる課題は栄養士なんです。たまたまこれは都費が半分来ているわけで、まあ、区費が半分ということですけれども、これはぜひとも手をつけたいと思っていた課題です。私が区長になってからです。まだできていませんけれども、近々これは手をつけたいというふうに思っております。
 たまたまこの江戸川区に配属された栄養士は1校分やっていればいいと、こういうことになるわけですから、他の区とは条件が違ってきます。それはそれでいいとしても、私も、江戸川区は子どもの多い区でありますから学校の規模も大きいと。そういうことで、それはそれで、今、区の職員で、区費でやっている職員がいる以上、これを解雇するわけにはもちろんいかないわけですから、これがもつまではという気持ちでやっておりましたけれども、ここのところで退職が出てまいりました。退職が出てまいりましたので、とりあえず非常勤の栄養士を配属しておりますけれども、これは何とかして段階的に削減をしていきたいと。
 ただし、今までの伝統がありますから、私は学校給食を民間委託したところは民間に栄養士役をやってもらえばいいのではないかと、そういうふうに思っております。これは業者との話し合いということになりますが、いないよりいるほうがいいわけでありますから、そういうものを契約の条件としていただくと。都費がある限りは、これはいただいておくということで、その都費の人が民間のほうを指導してくれれば、それはそれでいいかなというふうに思うんですが、それを近く理解を得ながら踏み込んでいきたいと、そういうふうに今考えております。
 ちなみに、この区費職員は、全校配置で配置しますと年間大体5億円という人件費を要します。大変大きな額でありまして、これは今申し上げる機会が出てきましたので申し上げますが、直ちにそういう方向に向かって手をつけていきたいと、そういうふうに考えております。

◆間宮由美 委員 そうすると、栄養士に手をつけたいということで、なぜと私は聞こうとしたんですけれども、今お話のあった5億の人件費ということですよね、そのためにということですね。
 私、5億の人件費は、命を守る人件費だと思います。民間に任せたところには民間の栄養士をつけていくというお話だったんですけれども、実際に民託になったところでは調理員の方々がかなり入れかわりが激しいと聞いております。栄養士さんも入れかわりが多分民間に任せるとなると激しくなるのではないかと想像できることと、それからまた、民間に頼むということは、結局栄養士さんが地域で買っていた食材とかもその民間の会社の持っているところに一括して発注ということにもなるというのも聞いていますけれども、そうでないんですか。そういったところが多くなると聞いていますけれども、そういうところもどうなるのかということがあると思います。
 私は、栄養士さんがやはりさっき言ったように、アレルギーのことを聞きましたのは、本当に命にかかわることを一つひとつ栄養士さんが行っていることを、これを本当にほかに任せられるのかというところなんですね。先ほど栄養士も退職不補充ということで区長からもお話がありましたけれども、非常勤にかえられてきているわけです。非常勤の栄養士さんも本当に頑張っているんだけれども、でも、今まで正規の栄養士さんが三十数年間積み重ねられてきたことで、本当に120%も130%もやってきた、そしてつくり上げてきた江戸川区の給食、これを週3時間で非常勤の方がやるというのはすごく難しいことでもあると思うんです。
 先ほど食育リーダーの研修会についてお聞きしたんですけれども、実は食育リーダーに指名されているのは栄養士がほとんどなんだけれども、栄養士が非常勤の学校は、担任だとか、教員だとか、そういう人がなっている場合が多いのではないかと思います。そうなりますと、食育リーダーの研修会、その命を守る給食の食育を進めていく中で本当にかなめとなる栄養士さんが、非常勤だからということではないところもあると思いますが、やはり非常勤だということで、もし行かれないのであれば、それはどういうことになっちゃうんだろう。民間委託になっちゃったら、またそこはどうなっちゃうのかなと非常に不安もあるし、もし違えば教えていただきたいんですけれども、聞くところでは、23区の栄養士全員が対象となっている学校給食研究会、ここでは非常勤は除くとなってしまったことで、交通費かなんかも出なくなってしまったようにも聞いていますけれども、同じ江戸川区の公立学校の中でやはり給食を食べている子どもたちにとって、こういう差というのは本当にいいのだろうかと思うんです。
 私は、江戸川区としては、これまで全国で誇ってきた栄養士さんの全校配置、これについて全校配置を正規で続けるべきと思うわけですが、お考えを最後にお聞きしようと思いましたが、さっき区長のほうからお考えはありました。ありましたが、私もまたお話をさせていただきましたが、やはり大事だと思うんですけれども、5億の人件費ではなく、私のいろいろ申し上げた心配ですとか、そういったことについても何かお考えがあればお聞かせいただきたいし、やはり全校配置、正規で続けるべきと思うんですけれども、いかがですか。

◎多田正見 区長 食は命にかかわります。それから、食育も大切でありますけれども、食は毎日のことでありますし、子どもたちにとって食の3分の1を学校が提供していると、こういうことでありますから、命にかかわるといっても、それは学校だけで命を支えるというものではないということが一つあります。
 しかし、合理的な給食をしなければいけないということは当然のことでありますが、長年にわたって、つまり東京23区は2校に1人という配置で栄養士をお願いしていたと、こういうことでありまして、じゃあ、22区が劣悪な学校給食をしていたかということを考えますと、決してそうではない。表彰を受けている各区の学校もたくさんあります。そうすると、やはり江戸川区だけが少し、つまり23区レベルでは非常に突出した配置をしていたと、こういうことにならざるを得ません。
 私は、22区が2校に1人の栄養士で十分やってきたということを前提に考えてみれば、江戸川区の栄養士でも十分それはできるはずだというふうな思いを持っております。今までこのことに手をつけなかったのは、現役の人がいるからでありまして、いたからであって、この人がいなくなれば私たちは当然新たな方向に踏み出されなければ、その5億円というものを私は、非常にこれは他に使える財源でありますからもったいないと、こういうふうに思いますので、ぜひそのことを進めていきたいというふうに考えているわけであります。

◆間宮由美 委員 昔、明治42年、江戸川区の姉妹都市じゃなくて何でしたっけ、友好都市の鶴岡から学校給食が始まったということで、それで、やはり食べられない子どもがいたところから始まっていますよね。
 今は3分の1ということで、そうではなくなってきているところは多いと思います。ただ、逆に、一定よかった時代からまた今子どもたちの食というのは非常に難しくなってきていて、だからこそ食育を考えるということが改めて問われているんじゃないかと思うんです。朝御飯を食べようというのもそうだと思うんです。だから、単純な3分の1の提供ではないと私は思っています。
 他区も今どうも江戸川区に倣って増やしているところもあるやにも聞いていますが、やはりよいところは残していく。前の区長のおれの哲学と言ったその哲学はやはりすばらしい哲学だったんだろうなと改めて思うわけで、栄養士の全校配置は今の段階で崩しては絶対にならないというふうに思います。命をはぐくむかなめとなっている栄養士さんの全校配置は、やはり崩すべきではないと思います。

(その後、別の委員への答えの中で、区長から先ほどの件について、あらためて、意見がありました。)

多田正見 区長  それから、ちょっとすみませんね、答弁と関係なくて、申しわけないんですけれども、一言誤解のないように申し上げておきますけれども、私はつまり、栄養士の民間委託はするつもりでおりますから、全校配置をやめるということではありませんので、そこのところはしっかりと御理解をいただかないと、江戸川区では全校配置をやめたんだという宣伝をされますと、それは違いますので、民間の方に置きかえていって、そこで合理化を図りますと、そういうことでありますので、それはぜひ、特定しませんけれども、全校配置をやめたんだやめたんだとビラに書かれますとちょっとやはりまずいので、それは念を押しておきたいと思います。

 それから、学校給食は、江戸川区では当たり前なんですけれども、全校配置も当たり前であったと思いますが、三多摩のほうの市なんかは中学校なんか学校給食がないところがいっぱいあるわけですよ。横浜市だって中学校はないんですよね、学校給食は。社会の情勢というのはそういうものでありまして、いかに江戸川区などは学校給食についてものすごい手厚いことをやってきたかと。しかも、断トツの給食費補助をやっているわけですよね。だから、そういう水準にあることも一つ前提としては御理解をいただいておきたいと、そういうふうに思いますので、よろしくお願いします。


◆間宮由美 委員 前段、区長から栄養士についての再答弁がございました。
民託にしたらどうなるのかということは、現場の人を含めて禍根を残さない研究をすべきだと思います。

 また、鶴岡については友好都市ということで、御訂正をお願いします。


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