建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

避難の際の足について考える。

2015年04月05日 | 建築物の安全
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

先週の自分のブログがあまりにゆるゆるしていて、ため息が出ました。
実際は、年度末とはいえ、通常通り忙しい一週間だったことを、ご報告しておきます。

先日、千代田区の高層マンションで火災があり、ちょっとしたニュースになりました。
ドバイの火災の直後くらいだったと思います。
25階建ての20階からの出火で、それほど大きな被害にはなりませんでしたが、
原因が住人の放火だったということが驚きでした。

さて、その際に、結構の数の住民(回答数の約3割)が、エレベーターを使って避難していたということが
アンケート調査で分かったと報じられていました。

およよ…、なんと恐ろしい。という感じです。
(既述のとおり、豆蔵はエレベーターが苦手です。)

本来、火災報知器等の作動で停止するはずの一般のエレベーター(非常用ではないもの)が、
トラブルで停止せずに動いていた、ということですが、
一般のエレベーターは、乗ったはいいが、途中で停電するなどして閉じ込められる可能性もあります。

そうしたことがあまり認識されていないのか、
認識が甘く、つい、乗ってしまったのか。

なお、災害時でも、非常用電源を持つ非常用エレベーターは、基本的には動き続けます。
但し、それは避難のために動いているのではなく、消防隊が進入するためのもの。
だから、高齢者など特に避難に必要な人以外は、避難に用いてはならないことになっています。

とにかく、非常用エレベーターの知名度を上げる必要はありそうですね。

ちなみに、東日本大震災の際にも、
車で避難し、渋滞に巻き込まれて被災したという方も多かったと聞きます。
東京でも、地震直後からとてつもない大渋滞が発生し、緊急車両が全く動けなくなりました。

身近な友人らも、タクシーに乗る、親族に車で迎えに来てもらう、などというので、驚きました。
災害時に「車」を使わないということは、常識だと思っていたのですが。

一般人は足で避難する、
緊急車両や災害弱者の車を邪魔させない、
そこら辺を意識として徹底させる必要があると思います。

緊急車両が動けなかったら、燃えちゃいますよ。
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