現在「ドラッグ」ないし「薬物」と呼ばれている諸物質のうち、最も古い歴史を持つのは阿片である。
紀元前3400年頃の古代メソポタミアでは、すでにケシの栽培がなされていた記録がある。
一部のドラックは古代より宗教的儀式に用いられていたが、なかでも阿片は古くからその強力な鎮痛作用を認められ、医薬品(薬草)として使用されていた。
*まとめ*
「テリアカ」…古代ローマの医師ガレノスが処方した阿片製剤。中世〜近世ヨーロッパで万能薬とされるが毒性も強かった
「阿片チンキ」…17世紀ロンドンの医師トマス・ド・シドナムが開発。阿片の毒性を抑えたため、阿片製薬が一気に一般化。頭痛、腹痛から赤ん坊の夜泣きまで。
「モルヒネ」…19世紀初頭に阿片からモルヒネが抽出に成功、鎮痛剤に
「ヘロイン」…19世紀末にモルヒネからヘロイン生成に成功、鎮痛剤に
(「大麻」…阿片製剤ではないが、19世紀パリで鎮痛剤の一つとして薬局の棚に並んでいた)
…要するに、これらの阿片系薬物(狭義での麻薬)は、初めはすべて「強力な効果を持った痛み止め」として医学史の舞台に登場してきたのである。
それでは、この「医薬品からドラッグへ」という変化はいかにして起こったのだろうか。
…たしかにヨーロッパでは19世紀より、薬物使用の危険性に対する指摘が散見されるようになるのは事実である。
しかしながら、そこで薬物中毒者はまず「いたわるべき患者」(治療とケアの対象)として発見されるのであって、そこから「非難すべき犯罪者」という意味付与がなされるまでには、さらにいくつかの段階を踏むことになる。
日時
2021年9月26日(日)14:00〜16:00
場所
NPO法人ガジュマルの船事務所およびオンライン(zoom)
内容
AAの「12のステップ12の伝統」を読んでシェアします。