「ガダルカナル戦詩集」朝日文庫1991年
汝が兄はここを墓として定むれば、
はろばろと離れたる国なれど
妹よ、遠しとは汝は思ふまじ。
さらば告げむ、この島は海のはて
極れば燃ゆべき花も無し。
山青くよみの色、海青くよみのいろ。
火を噴けど、しかすがに青褪めし、
ここにして秘められし憤り。
のちの世に掘り出なば、汝は知らん、
あざやかに紅の血のいろを。
妹よ、汝が兄の胸の血のいろを。
汝が兄はここを墓として定むれば、
はろばろと離れたる国なれど
妹よ、遠しとは汝は思ふまじ。
さらば告げむ、この島は海のはて
極れば燃ゆべき花も無し。
山青くよみの色、海青くよみのいろ。
火を噴けど、しかすがに青褪めし、
ここにして秘められし憤り。
のちの世に掘り出なば、汝は知らん、
あざやかに紅の血のいろを。
妹よ、汝が兄の胸の血のいろを。