魔女のひとりごと

★ 魔女になろう!

こんな赤ちゃんをスリングに入れると股関節脱臼になります

2011-11-24 | 赤ちゃん・子ども

先日、Facebook を見ていて
ギョッとしたことがありました。

それは、この写真と見事に
そっくりな赤ちゃんの写真が
載っていたからです。

(この写真は、第34回日本母体胎児医学会
 学術集会で行ったランチョンセミナー
「股関節脱臼の予防」の抄録集 
に、掲載されているものです)

Facebook に写真をupしていたのは
トコ・カイロプラクティック学院で
学んでいる保健師
松山さんのお友達でした。

Facebook には
お孫さんが生まれたことを祝福する

「おめでとう」
「可愛い」との数十ものコメントの中に
「脚が長ーい」
「スタイル良さそう」

というのがあり、私はとても悲しくなり
「これを読んで、だれも
 この姿勢を気にする人はいないのだなぁ」と(-"-;

このままだと、さぞかし育てにくかろう…。
それに、股関節脱臼になる可能性も高い。

その理由はこちらをご覧ください。

私は思いきって松山さんにメールしたところ
翌日さっそく彼女は
入院中の産院を訪問して
ママにまる寝まる抱きにするよう
アドバイスしました。

松山さんのブログにも
このことが紹介されています。

この中の赤ちゃんと上の赤ちゃんの
左足の趾の開き方までそっくりですね。

どんな赤ちゃんでも足の裏の外縁を
踵からつま先に向かってこすると
これと同じように5本の趾がパッと開きます。

これをバビンスキー反射と言うのですが

何の刺激も与えなくても
バビンスキー反射のように趾を開いているのは
リラックスしている良い状態とは言えません。

上の赤ちゃんは、生まれてからすぐに
保育器の中で
背部を丸く膝が屈曲するように
手当とポジショニングをして、95分後。
膝は直角くらいに曲げるように(^O^)

 

翌日からは、院内専用の
「天使の寝床」で丸く寝ています。
      ↓

この写真は
同じ抄録集 に掲載されています。

ずいぶんと姿勢が良くなっていますが
良く見ると右の脚がまだ緊張して
足の趾先がピンとしているのが分かります。

このように出生直後から丸くくるみ
正常な胎児の姿勢に
近づけてあげることが
股関節脱臼を予防し
S字状のカーブのある
丈夫な背骨を持つ人間に
育てあげることにつながります。

でも、松山保健師さんの
お友達のお孫さんは
産院で丸く寝かせることなどの指導を
全く受けておられません。

それどころか、松山さんが説明したように
産院のベビーべッドを斜めにして
赤ちゃんを丸くしていたら、
看護師さんに怒られてしまい
とても悲しい思いをしたそうです。

松山さんが、その後の赤ちゃんの様子を
お聞きしたところ
「よく寝るようになったけど
 よく吐くので、受診した」とのこと。

やはり、このように緊張の高い姿勢の赤ちゃんは
継続的なフォローが必要ですね。

新生児のあの姿勢を
問題と思わない産科医療従事者が
まだまだ日本には多いのでしょうね。
もちろん一般の人々も。

私の母は尋常小学校しか
出てない人だったけど
私が小学校の頃から
近所や親戚に赤ちゃんが生まれると

「生まれたばかり赤ん坊は
 丸まっているのが当たり前
 伸ばしてはいけない」

と、しばしば口にしていたことを思い出します。

数十年前の庶民の常識は
今や産科医療者の常識にすら
なっていないこの現実、悲しいです。

ところで、股関節脱臼になるから
スリングに入れてはいけない」と主張する
整形外科医や小児科医がいると聞きます。

私は「この2人の赤ちゃんを
膝を伸ばしたままスリングに入れれば
股関節脱臼になる確率は極めて高い」
と断言します。

でも、胎内でこのような姿勢でいた子は、
        ↓

スリングに入れても膝は伸びません。↑
ですから、股関節脱臼になるなんて、あり得ないのです。

実際、スリングに入れたために
股関節脱臼になったというケースは
まだ全国で1人も報告されていないそうです。

「股関節脱臼になる恐れがある」
という理由だけで
「スリングを使ってはいけない」
と禁止するのは

「プールで泳いだら急性心不全で死ぬ恐れがある」
と言って
プールで泳ぐことを禁止すること以上に
根拠のないことなのです。

膝を伸ばした状態で生まれる子は
胎内ですでに膝を伸ばしています。

  

なぜそうなるのか?
どうしたら膝を伸ばさなくなるのか?
については、こちらへ


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちび)
2012-03-30 08:14:53
もう間もなく帝王切開で出産予定のちびと申します。
私も胎児が逆子で単殿位だと言われていますので、
足を伸ばした姿勢で産まれてくるのではないかと思っています。

すぐに丸くする姿勢を取らせてあげたいですが、
産院が問題に思わなかったらどうしよう。と不安になりました。
PDFを印刷して姿勢への不安があることを事前に相談しようかなと思ってきました。
返信する
Unknown (渡部信子)
2012-03-31 20:42:25
問題に思わなかったり、
丸く寝かせているのをやめさせようとする施設もありますので、
PDFを印刷して姿勢への不安があることを事前に相談するなり、
自分で丸く寝かせるグッズをそろえて
練習するとかした方が良いと思います。
返信する
Unknown (山田寛子)
2013-06-03 09:18:00
私は股関節脱臼の障害者です。
読ませて頂いて感動しました。
無知な母親がガニ股になると足を伸ばして抑えていたようです。その後は歩行器に入れっぱなしです。
札幌医大に、通ったそうですが、脱臼は治らないで、幼稚園の時に痛みだしました。
「関節がない、大腿骨が死んでいる。」との診断でした。
現在58歳になりましたが、痛みと戦う人生です。
声を大にして若いお母さん達に教えてあげてくたさい。
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Unknown (渡部信子)
2013-06-04 06:39:35
山田寛子さん
コメントありがとうございます。
石田勝正先生が、股関節脱臼予防のために
今では普通の「股オムツ」を勧められたのが、
1974年(昭和49年)の秋からなので、
それ以後は、股関節脱臼は激減しました。
なので、今、38歳以上の人には
股関節脱臼の人が多いですね。

足を伸ばす腰巻型のオムツや、
歩行器や、腰を固定して座らせる椅子は、
赤ちゃんの骨格に多大な負担を与え、
骨格の成長に悪影響を与える可能性が高いと思えますが、
子育ての「楽さ」を優先して、使っている人が多く、
とても残念です。

幼稚園の時にすでに「関節がない、大腿骨が死んでいる。」
との診断を受けたとは、辛いですね~。
「貧乏ゆすり」、ゆっくりとした「ツイストダンス」、
操体法などをすると、
股関節の痛みが少し軽くなると思いますので、
気長に続けてください。
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