魔法人の憂鬱

何でもかんでも感じたことを自由発表

 Ⅱ 女教皇(女司祭)

2023年02月12日 00時18分23秒 | 占い考察 -- タロット編
マルセーユ版のこのカードの図柄はどちらかというと、あっさりしすぎて象徴のアイテムも
ほとんど描かれておらず、もの足りなさを感じます。
ウエイト版のカードの方がこの女教皇に関しては優れていると言っていいでしょう。

さてこのカードの図案ですが、窓から見える景色は自然にあふれ、穏やかに見えます。
静かなる環境の中に女教皇はおだやかに腰かけています。
彼女を象徴するダーク・バイオレットの法衣に身を包み、左手には太陰太極図(だいいんたいきょくず)の書かれた書を
しっかりとささえています。右手は軽く握りしめ何かを隠しているのかもしれません。
また象徴的なのは座っている彼女の後ろの壁にはっきりと彼女の影が書かれているということです。
太極図のように陰と陽・光と影がこの絵には描かれています。
軽くほほ笑む彼女の表情にはゆるぎない知性と理性。そして冷静な判断力が感じ取れます。
ただ彼女から暖かさや柔らかさはあまり感じられません。
どちらかというと冷たいほどの完璧さを感じ取ることが出来ます。

物語:

魔術師エルは思っていたより簡単に女教皇に謁見できたことを不思議に思っていた。
それほど彼女に直接会うことを許された者はわずかであり、彼女の声を聴いたものは側近の限られた数名に過ぎなかったのだ。
「あなたが魔術師エルですか。ここに来ることは分かっていました。しかしあなたの願いはかなわぬことです」
女教皇は静かにゆっくりと話し始めた。その声は耳に心地よく小さな声にもかかわらず、はっきりと聴きとれるものだった。
「ちょっと待ってください。私はここに来ることも何のために来たかったのかも誰にも告げていないのですが」
エルはとまどっていた。何か魔術的なものに引っかかってしまっているのか彼は警戒心を高めた。
「ふふふっ。そんなに警戒しなくてもけっこう。あなたが求道者なればこそ私の持つこのトーラの書を一目見たいと思うのは当然の事」
「そのとおりです。そこまでお判りならぜひ一目、その書を読ませていただきたい」
エルは求道者としての確信に満ちた目で女教皇を見た。
「それは無理な願い。もし私が許しても今のあなたにはこの書を読むことは出来ない。モーゼの律法であるこのトーラの書は
人間の読む言語では書かれていないのです。あなたがこれを理解したいのであれば、何のために人は生きるのかを知らなければならない」

「何のために人は生きるのか・・・」
エルは答えに窮していた。
「私は知を守る者。それ以上でもそれ以下でもない。私はこのトーラの書を守るものであって、理解するものではない。
あなたは旅立たねばならない。次の目的地、愛を行う者のもとへ」
魔術と科学を極めたエルではあったが、人が何のために生きるのかなどとは考えたことも無かった。
エルは女教皇のもとを去り、次の目的地へと旅立つことにした。

 つづく・・・

 んじゃぁぁーー またぁぁぁーーー

   限界努力!!

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