魔法人の憂鬱

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Ⅵ 恋人(恋人たち)

2023年02月22日 23時35分02秒 | 占い考察 -- タロット編
さて今回は案外知られているようで誤解の多い「恋人」のカードです。
もちろんこの「恋人」は相思相愛も意味しますが、どちらかというと女性からの誘惑で成功した恋愛を表します。
ウェイト版ではエデンの園のアダムとイブが描かれることが多く、ご存じのようにイブはアダムを誘惑し
知恵のリンゴの実を食べさせます。そのことで楽園を追放されるのですが、アダムは単純にイブの誘惑に乗ったわけではありません。
食べるべきか、食べざるべきか。その選択を迫られるのです。神からの戒め(いましめ)を破っていいか迷うのです。
マルセーユ版のこのカードでも愛のキューピットは恋人の二人に弓を射るべきかやめるべきか悩んでいます。
弓矢をまだ引いていないのです。
また恋人の二人も仲睦まじそうには見えません。何か言い争っているようにも見えます。
男は女の手を取り説得しようとしていますが、女は腰に手を置き動こうとしません。
このようにマルセーユ版では「恋人」のカードの第一の意味に選択の時期を置いています。
正位置だと選択が正しい事。逆位置だと選択が誤りだったことを暗示します。
恋愛という意味を取った場合も、女性が積極的に誘惑して吉兆(きっちょう)を呼び込む傾向を表します。

物語:

エルは教皇から教えてもらったTOPA(トーラ)を人間が読むための唯一の方法であるTAPOT(タロット)を
探すために荒野へと向かっていた。荒野を渡る長旅には今までの装備では不十分だった。
そこで旅の宿で数日間準備のために逗留(とうりゅう)していた。
一方、皇帝の国を守る城壁の外で一組の若いカップルがなにやらもめていた。
「ルカ、やはり町に戻ってもう一度父上や母上に二人のことを認めてもらおう。このまま町を出ても二人に行き場はない」
「マルコ、今さら何を言っているの? 私と別れてもいいと思うの? 私はイヤ。かけがえのないあなたを失いたくない」
「もう一度だけ試してみよう。それでだめなら君の思うようにするから」
「それならここで私を殺せばいいわ。何度話したところで無駄なのはあなたが一番わかるはず」
二人は町の二大権力者の子息と子女であった。どちらも確執しあう仲でありけっして相いれない関係であった。
「・・・わかったルカ。僕は君にかけるよ。君の強い意志に僕の人生をかけよう。女性に人生をかけるなんて
男らしくないかもしれないが、覚悟を決めた以上すべての責任は僕が取る」
マルコはルカの手を取り、しっかり前を見据えて歩き出した。
それを見ていた天上の天使は、ゆっくりと愛の矢を弓にかけ、引き絞り始めた。

つづく・・・

 んじゃぁぁーー またぁぁぁーーー

  限界努力!!

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