”日本の社会と西欧の社会”
2023年04月17日
初再呈示
結局、西欧文明の偉大さは、個人の偉大さに負っていると繰り返さざるを得ない。政治と文化は、負っているものが別である。高田さんの本を読んでも印象深いのはそのことが伝わってくることである。日本においても期待されるのは個人が出ることなのである。人物が出ることであって抽象的権利主体ではない。
2019年12月18日
日本の社会は、個人の高貴さを貶める土俗社会であり、西欧の社会は、個人の上昇しようとする意志を、社会の中心である教会の尖塔に象徴する精神本質の社会である。西欧が物質中心主義であるなどと邦人が云うのは、西欧文化の「もの」に即する実証的精神の一面のみを、「神」の伝統のない日本からみて云う浅薄な観方であり、逆に、日本の「人間」の遅れをきわだたせているのである。西欧の文化が人間の絶望を表現するときでも、それは高貴な向上意志ゆえの絶望であり、西欧の精神本質の逆証にほかならないのである。
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