自著『形而上的アンティミスム序説 ‐高田博厚による自己愛の存在論‐』(2009)
《本書は、著者の intimisme métaphysique 〔形而上的アンティミスム〕とよぶ哲学理念の許、彫刻家にして思索家である高田博厚(1900‐1987)の根本思想を初めて本格的に明らかならしめようとする貴重な試みである。その意義は普遍的かつ根源的であり、人間の創造的生の条件が稀な真摯さで反省されている。学問・芸術の魂的原点の確認の為に、また、人生の意味の正面からの示唆を得る為に、
「人間」であろうとする総ての人々に開かれた永続的価値をもつ書である。》
(自己推薦の言葉)
思いがけずも現在、ぼくの2009年発行の本が、ぼくの熱い関心事になってきている。ぼくの主張すべき思想はここにあるのだ。くだらない者たちを振り捨てて、ぼくは純粋なぼく自身をここに見いだす。
ぼくの意識が再びリセットされた。なにがこれをもたらしたか。ぼくの本質と運命である。
ぼくは、帯に著名人の推薦の言葉を附そうとすればできたのだが、そういう世間事を実行しなかった。中村雄二郎氏は高田さんを無上に尊敬しており、ぼくの本の内容を読めば、喜んで書いてくれただろう。ところがぼくは、本を献呈すらしなかった。出版時のぼくの意識は特殊の脱世状態にあり、彼が読む定めならばおのずと彼の許へ本はゆくだろうし、誰の推薦がなくても、本は自らの運命を拓いてゆくだろうという気がしていた。自分の本にふさわしくぼくも純粋でありたかったのだ。
この本の人生はこれからなのである。
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2021年08月27日付言
ぼくの本は、実力が信頼できる社会的地位にある学者の方々から高い評価を受けている
こういうことは早く書くべきだったろうが、ぼくの本『形而上的アンティミスム序説 ――高田博厚による自己愛の存在論―― 』は、諸大学(国立大学と有名私立大学)の有能な学部長クラスのふたりの教授から、きわめて好意的で高い評価を直接伝えられた。
この事実は堂々と公表してよいものであり、この評価にたいしては、ぼくは無条件で感謝しつづけなければならない。
容易に味読できる内容ではないらしいので、数的には、寄せられたり接したりすることのできた評価は僅少であるが、それだけに、それがとりわけ有能な教授(学者)の方々からの評価であることは、ぼくの自分への信頼と本の内容の高さへの自信の、支えとなる大事な事実である。