裕美ちゃん、ぼくは毎日、銀河の曲を、一回は通して弾き、それから難しい処を少しは前進させる、という練習をしています。折り返しなしですが、一回を30分以内で弾けるようになっています。自分なりに楽しんで弾いており、この曲の奥深さを味わっています。それから、昔読んだヘッセの「シッダルタ」を読みかえしています。そしてこの書はやはりぼくの生涯の書のひとつであることを発見しています。いま、高田博厚先生における「自然」と「神」という主題で、意識的に思索しているのですが、この書も、ぼくの思索を後押ししてくれるものです。ここで「自然」というのは、人間が個人として自分を照応させる「もの」であり、自分の感情を統御して芸術作品を生ませるようなものでもあります。いままでかんがえ勉強してきたぼくの蓄積を形にする仕事として取り組んでいます。その仕事のなかでもぼくは常にきみとともにいます。一日一回はきみのアルバムを通して聴きます。ぼくの祈りの時間です。神さまから、きみとともに歩むよう、命じられています。これはぼくの本望です。きみにとってはどうなのでしょうか。ぼくがきみとともに生きるかぎり、きみはそれをゆるしてくれていると、ぼくは信じられるのです。きみを愛しています。きみのすべてを。きょうはとりとめのないおたよりになりましたが、よりいっそうぼくの本心が直接に書かせていると、感じてください。お元気でいてください。
愛する裕美ちゃんへ
正樹より
2020年8月10日 22時