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町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

懸垂式モノレール最長路線の初代車両・千葉都市モノレール1000形

2025年06月09日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

高度経済成長期真っ只中である1960年代当時の千葉県千葉市では、急速な人口増加に伴う住宅団地の整備が実施されますが道路網の拡大が追い付かず慢性的な交通渋滞の発生と市内の通勤通学輸送の中心であった路線バスは輸送力が限界に達していたことから軌道系交通機関の導入が計画されるようになりました。調査は1971年に開始され、地下鉄なども候補に上がりますが市内の地形や需要予測からモノレールが最適とされ1976年にはマスタープラン策定、翌年には正式に決定し1979年には千葉都市モノレール株式会社が設立されました。計画から実に17年後の1988年3月28日にはスポーツセンター〜都賀〜千城台間が開通し、1991年6月12日には千葉(仮)駅まで延伸し単線だった動物公園〜スポーツセンター間を複線化、1995年8月1日に1号線千葉みなと〜千葉間が開通し千葉駅仮駅舎を現在の千葉駅に移設、1999年3月24日には千葉〜県庁前間が開通と段階的に路線を延伸し総営業距離は15.2キロとなり、2001年度には懸垂式モノレール最長路線としてギネスブック認定を受けています。

開通時より運用されている初代車両が1000形で、三菱重工業により既に実績のあった湘南モノレールをベースに製造されており、路線の延伸に合わせて20編成40両が製造されました。2007年からは運用数削減に伴う廃車が発生しており、2012年からは0形導入に伴い2020年までに2次車までの初期製造車が全廃されています。現在は全ての編成に何らかの企業ラッピングが施行されており、写真の1035+1036は安西製作所のフルラッピングです。

1031+1032は大宝地健ラッピングで、アルミ車体にブルーラインと本来のカラーとは逆に茶色系のシックな色遣いと乗務員室寄りや窓に貼られたキャラクターが特徴的なデザインになっています。

1039+1039は解体業者の井澤興業ラッピングで、こちらもキャラクターが目を引くカラフルなデザインですが側面にのみ施行されており正面にはオリジナルのブルーラインを見ることができます。

車内はアイボリー系の配色に淡い紫モケットのロングシート仕様で、台形になっている車体断面がよく分かります。当時はあまり前面展望などは考慮されなかったようで先頭部の仕切りは扉に窓を一箇所設けるのみでした。ちなみに貫通路と貫通幌は設置されているものの、急カーブ走行時に危険なため通行は禁止されています。

現在運用されている2028年度までに置き換えが発表されていますが、1001号車が萩台車両基地内で静態保存されている他、千葉都市モノレールが廃車時に積極的に販売を行なっていたため民間企業や幼稚園で再利用されており、引退後も各地でその姿を見ることができそうです。

 

 

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開通30周年を迎える新交通ゆりかもめの2代目車両・7300系

2025年01月01日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

本年2025年は東京臨海副都心への交通機関として親しまれる新交通ゆりかもめ線の開通から30周年の節目を迎えます。1995年11月1日に新橋(仮駅)〜有明間が開通し、その後は2001年に現在の位置へ仮設だった新橋駅の移設や2006年の豊洲駅延伸などを経て現在に至ります。開通時にはサイリスタ位相制御の7000系と、その改良版で1999年〜2006年に増備されたVVVFインバーター制御の7200系で長らく運用されますが、2014年1月18日には老朽化と利用者の増加に伴う対応で置き換え用の7300系が営業運転を開始し廃車が開始されました。2018年からはマイナーチェンジ車の7500系も加わり、2020年10月で両系列の置き換えを完了させ現在は7300系と7500系での運転になっています。

初代車両はステンレス製でしたが、7200系では裾を絞った幅の広い無塗装アルミ合金車体が採用され、腰部に7本の細い青のラインと虹をイメージしたデザインが施されています。扉は片開きから1100ミリの外釣り式両開き扉とされ、乗り降りの時間も短縮しました。将来の廃車時のリサイクル性も考慮されアルミ合金の材質を一種類に絞ったモノアロイ化が図られています。

ブラックマスクが特徴的な正面は中央部にLED前照灯を配置し、昼夜を問わず点灯させている他、排障器周りにもHID灯が設置されており、何らかの理由で夜間に手動運転を行う際は点灯させて視界を確保するようになっています。日本の鉄道車両では余り馴染みのない外釣り式扉のためか、アジア諸国やヨーロッパで見られるMRTのような印象もある外観になりました。

車内はセミハイバックのロングシート仕様として立席定員も確保しており、これにより定員も1割程増加するとされています。狭いボックス席を備え車内の流動性に難があった7000系列(後年に一部編成をセミクロス化)とは異なり、乗客にとってはありがたい変化になりました。

ドア上には17インチ液晶画面を千鳥配置とし、チャイムの代わりにドア開閉時はブザーが鳴動する仕組みで、戸閉装置は富士電機が手がけるラック・アンド・ピニオンと呼ばれる電気式で後にこの方式はJR東日本で大量採用されています。早いもので、今年は7300系の初登場から12年が経過しました。先代7000系は海沿いを走行する影響からか比較的早期の廃車となりましたが、本系列はどれくらい活躍できるのか気になりますね。

※新年明けましておめでとうございます。今年も気まぐれな更新になるかとは思いますが、何卒よろしくお願いします。

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懐かしの装いで活躍が続く東京モノレール1000形

2023年12月03日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

東京モノレールは2014年度で開通50周年を迎えるにあたり、記念事業の一環として過去に活躍した車両の塗装と、1000形登場時塗装を復元し運用を開始しました。登場時塗装は1085Fが選ばれ2013612日に、500形イメージの紅白塗装は1049F2014119日にそれぞれ施工となり、その後記念行事の終了後も元の塗装に戻ることはなく定期運用が続き、登場時塗装は復活から今年で10周年、500形塗装も廃車予定が無ければ来年で10周年を迎えることになりました。10000形の増備が非常にスローペースなこともあり、今日に於いても懐かしい姿を目にすることが出来ます。

500形塗装の1049F。紅白の塗り分けで、どことなく沿線の東京タワーを思わせる配色です。なおイメージの元になった500形はモノレール車両では世界初のボギー構造の台車を備え、その後の跨座式モノレールの基礎にもなった画期的な車両でした。1969年に登場し、1991年までに1000形により置き換えられ引退しています。

19892000年に見られた初代塗装。在来車が採用していた紅白の色使いは踏襲しつつ、窓周りを黒で仕上げ新型車らしいスマートな印象に仕上がりました。新ロゴマークが入ったので多少イメージは変わりましたが、東京モノレールといえばこの塗装のイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

台車が収まる部分が室内側に出ている為、独特な雰囲気が漂う車内。座席の背もたれのカバーには以前は広告が入れられており旅行会社などが広告主でしたが、現在は東京モノレールの公式キャラクターであるモノルンのイラストが入っています。一部編成は混雑するドア付近のロング化やシートモケット交換も行われましたが、結局全編成には及びませんでした。

路線図式の車内案内表示器は、2019年からリニューアル編成以外も全て液晶式に交換され提供される情報量が大幅に増加し現代の水準になりました。写真は始発駅停車中に見られるロゴマークを表示している状態です。

現在も数を減らしつつリニューアルを受けた編成も在籍する1000形ですが、令和の今日では片開き式ドア、扉の無いキノコ型貫通路、加えて直角カルダン駆動方式など中々に珍しい機構を備えるなど、趣味的には非常に興味深い要素が満載です。いずれは置き換えが再開されると思われますが、もうしばらくは主力として活躍して欲しいですね。

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特別カラーで異彩を放つ横浜シーサイドライン2000形46・48編成

2023年07月19日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

横浜シーサイドラインの初代車両である1000形の置き換え用として登場した2000形は2014年までに31編成〜46編成の16本が増備され、1000形の全編成を置き換えました。外観デザインは煌めく海や船の帆、旗がはためく光景を7色の三角形による幾何学模様で表現したとされる特徴的なカラーリングでしたが、46編成は夜空の黒と朝焼けをイメージした赤の2色を採用した特別カラーになりました。2019年には更に5両編成2本が増備されますが、最終増備車である48編成は「進む、繋げる、シーサイドウェーブ」をコンセプトに掲げ海をイメージした青に明るい水色、黄色を組み合わせ、全体のラインが前面と側面で繋がるカラーで同編成の運用開始により現在2000形の外観は3種類のデザインが見られます。

カラーが一新され爽やかな雰囲気になった200048編成。5年振りの増備車ということで車内の旅客案内用液晶画面が15インチから17インチに拡大されています。他の標準的な編成は煌びやかな模様がよく目立つデザインですが、こちらの装いの方が海沿いを走るシーサイドラインのイメージに近い気がしますね。

なお初代の1000形にも運用上は特に区別されず車内設備も一般の編成と相違点は無いもののイベント用に指定され特別カラーになっていた編成が1編成存在していたことがあり、それの再来とも言えます。

赤と黒でシックな雰囲気の46編成。当初2000形の前照灯はハロゲンを採用していましたが、この編成よりLED化され、その後他編成も順次換装され現在は全ての編成がLEDで統一されています。

車内設備に関しては他編成と同一で、他社で見られるような広告貸切などの特別な運用は行われていません。乗客視点での目立つ差異は4748編成の液晶画面のサイズくらいですが、せっかくの特別カラーなので車内にももう一工夫欲しいところですね。

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モノレール初のVVVF制御車として登場、東京モノレール2000形

2021年12月01日 | 首都圏のモノレール・新交通システム

東京モノレールでは1989年の1000形登場後も在来の700形が残存していました。旧型車の流れを汲みながらもアルミ車体に新製時から冷房を搭載するなど、モノレール車両の決定版として後に増結用中間車の800形も加わり6両半固定編成化され運用されていましたが、羽田空港第2ターミナル直下乗り入れに伴う列車増発と老朽化に伴う代替が決定し、1997年に2000形が登場しました。

1997年〜2002年に掛けて6両編成4本の24両が導入された2000形は主制御装置にIGBT素子を用いたVVVFインバーター制御を採用し、モノレール車両としては初の事例になりました。また、これに伴い主電動機が増強された為、両側の先頭車は付随車化されています。本形式の導入で、700800形は全車が引退し、在籍する車両が全て6両固定編成化され先頭車が中間に封じ込められ幌で繋げられる編成形態は見られなくなりました。

丸みを持たせた車体デザインや、在来車同様の1.2メートル幅ながら両開きに改められた側扉などは最新形式の10000形にも引き継がれました。2015年からは1000形の一部編成と共に車体が新塗装化され、イメージが大幅に変化しています。現在では3形式とも区別なく共通で運用されています。

車内設備は通勤需要が高さや空港アクセス路線の特性から大きな荷物を持つ利用者が多いことを踏まえてボックスシート主体からロングシートを中心にした配置になり、流動性に配慮しました。座席モケットは当初は紫系の色合いでしたが、新塗装化と同時期に青海波の模様入りモケットに更新されました。

営団地下鉄の車両を思わせる路線図式の車内案内表示装置は、液晶画面に換装され情報量が格段に向上しました。ドアチャイムも更新され、音程が以前よりも高くなっています。

モノレール初のVVVF制御車として登場を飾ったものの、少数派に留まった2000形ですが10000形並みの接客水準になっている為、今後とも活躍する姿が見られるでしょう。

 

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