いつも訪問頂きまして、誠にありがとうございます。
gooblogのサービス終了が近付いてきましたが、10年余り続けてきたこの「町田営業所業務日報」はライブドアブログに移転することにしました。まだまだ移転したばかりで試行錯誤の段階ですが、引き続きよろしくお願いします。なおこちらに関しては、そのままの状態としますので過去の記事は閉鎖までご覧頂けます。
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阪急電鉄では1980年から神戸線・宝塚線に向けて界磁チョッパ制御を採用した7000系を導入しており、1988年まで210両が増備され当時の阪急では最大勢力となっていました。一方で1987年には阪急電鉄創立80周年、1990年には営業開始80周年という節目を迎えることからVVVFインバーター制御を採用した後継車の導入が計画され、1989年に登場したのが8000系です。営業運転開始後は広報誌や時刻表の表紙に起用される機会も多く、京都線特急用の6300系に代わり看板車両的存在となっていました。現在は機器更新と車内設備のリニューアルが進行しており、神戸線・宝塚線系統の主力車として活躍が続いています。
額縁スタイルと呼ばれる縁が一段飛び出ている正面に窓を拡大していることで、在来車とは全く異なる顔立ちになった8000系ですが、これはアメリカのワシントン首都圏交通局や大韓民国のソウル特別市地下鉄公社(1980年代当時)の影響があったとされています。製造前の計画では、車体の下半分をホワイトとグレー塗装にする案やステンレス無塗装車体なども検討されていましたが、マルーン塗装へのこだわりから従来のアルミ合金製車体に塗装を施こす仕様になりました。なお塗装は6300系のみに採用されていた屋根周りのアイボリー塗り分けが本系列で採用され、後に他形式にも及ぶことになります。写真の8001Fは2012年8月に試験も兼ねて、それまで搭載していた東芝製GTOサイリスタによるVVVFインバーター制御から4in1 IGBT-VVVFに、主電動機をPMSM(永久磁石同期電動機)に換装しています。これが後の1000系・7000系リニューアル車へのPMSM本格採用へ繋がりました。
98両と全体数は少なめな割にバリエーションが多い8000系ですが、この写真の8020Fは1992年7月に当初6両で製造され、阪神・淡路大震災後の1996年に付随車2両(8620・8790)を新製して8両化されました。1992年9月には社章変更を控えていたため、それまでの編成にあったHマークが省略され他編成も順次撤去されています。
リニューアルを受けていない原型の車内。在来車に比べて木目調化粧板の色合いが濃くなり、マホガニー本来の色調に近付いています。阪急電車の特徴の一つであったアルミ製日除けは本系列で最後の採用になりました。カーテンに比べて重さがある日除けや車内案内表示装置が未設置など、現代では流石に時代遅れな感が否めなくなって来ており、早期のリニューアルが望まれます。
阪急電鉄では京都線用特急車として転換クロスシート設備を備えた9300系を2003年より運用開始しますが、2006年より同系列をベースに「すべてのお客様に快適な移動空間」をコンセプトとして、「快適な車内空間の提供、優れたサービス機器の導入、交通弱者に対するバリアフリー」を目的に車内設備をロングシート仕様とし、神戸線・宝塚線向け新形式の9000系が導入されることになりました。8両編成の完全な新形式が導入されるのは神戸線では1992年以来14年振り、宝塚線では15年振りの出来事です。2006年〜2013年までの期間に8両編成15本が導入され、後継形式の1000系登場後も主力車両として運用されています。
車体外観は日立製作所製A-trainベースで9300系に酷似していますが神宝線の車体規格に合わせて車体全長が100ミリ長く幅は50ミリ短くなっているのが特徴です。ロングシート通勤車であるため普通から特急まで区別なく運用される汎用車ですが列車無線アンテナや屋根上の冷房装置周りがカバーを設けており、天地寸法が拡大された大型の側面窓と相まって特急車のような優雅な外観を持っています。
電装品はこれまでの神宝線の慣例により、東芝製を採用しており東洋電機製の電装品を搭載する9300系とはVVVFインバーター制御装置の磁歪音が異なっています。その一方で運転台のマスコンハンドルは長らく採用していた東芝に代わり東洋電機の製品を搭載することになりました。
車内設備は中仕切りを備えたゴールデンオリーブの座席に濃い目の木目調化粧板で、間接照明を採用しています。バリアフリー強化対策ということで各車に車椅子スペースが設けられていますが、この形式に限らず阪急車は手すりや吊り手が他社に比べると少なく、室内の開放感に優れる一方で現代基準の安全性の面では今一歩な感があり、対策を望みたいところです。
車内案内表示装置は長らくLEDによる表示でしたが、本形式では15インチLCD画面に改められ千鳥配置(1両当たり3箇所設置)となっており従来の車両に比べて大幅に旅客に提供できる情報量が増えました。
ベースとなった9300系は新形式2300系の登場により、特急車からの格下げ改造(機器更新・ロングシート化)という大きな動きを見せていますが、こちらは登場19年目ながら更新計画もなく安定した活躍が続きそうです。
成田空港ターミナル直下への乗り入れを開始した1991年に赤電の愛称で親しまれた初代3000・3150形の置き換え用として増備が開始された京成電鉄3700形は、1998年11月までに5次車3818編成まで製造され8両編成12本が出揃い当時は更新工事が進み、まだまだ主力として用いられていた3500形と同数に達していました。その後は1年3ヶ月が過ぎた2000年1月より6次車として3828・3838編成が本線普通列車や千葉線・ちはら線でも運用可能な初の6両編成で、これまでの設計を一部見直し登場しました。翌年2001年1月には京浜急行線の羽田空港方面直通列車増発と速達列車の8両化推進のために7次車3848編成が、同年8月に8次車3858編成が増備、更に年が明けた2002年3月に9次車3868編成が最終製造車として登場し、約11年に渡る3700形の増備が終了。以降の車両製造と残っていた抵抗制御車の置き換えは京成グループ標準車体として計画される2代目3000形に移行します。
6次車で8両編成の3848編成。1998年までの増備車との相違点は、前照灯が上部に移り尾灯・急行灯が縦並びになり腰部左右に配置されるようになり、見えない部分の変化として踏切事故対策で乗務員室の運転台周りの強度が更に引き上げられています。また新製時よりシングルアーム式パンタグラフを採用し補助電源装置が静止形インバータ(SIV)に改められ、冷房装置の容量が増強されました。ちなみに特筆すべき事柄として、3848編成は2代目AE形設計のデータ収集のためにボルスタレス台車試験を行ったことがあり、試験中は京急線に乗り入れしない運用に就いていました。
本グループの増備により、2001年5月で北総開発鉄道へのリース分を除いて3150形が全廃されました。また同年には2002年開業予定だった芝山鉄道に3600形8両編成1本リースすることと初代3200形初期車代替のため2編成が増備されています。なおこの3858・3868編成は京成グループのシンボルマーク導入により斜めゴシック書体のKeiseiロゴプレートが省略され、K'SEI.GROUPのロゴを貼り付けています。
車内設備はこれまでの車両と比べ相違点が目立ち、座席の袖仕切り大型化や妻面窓廃止と貫通扉を窓拡大の上で乗務員室仕切り扉と共に化粧板仕上げにしている他、客用ドアガラスの押さえ金を内嵌め式から外嵌め式に変更し車内側を平滑にして戸袋への引き込み防止を図るなど後の2代目3000形に通じる設計変更がされています。
ドア上の車内案内表示は2017年〜2019年度にLEDからLCD化されますが、相変わらずドアチャイム設置はされませんでした。戸閉装置は戸閉力弱め制御機能付きの新型を採用し、1〜5次車とは動作音が異なっています。
初登場から30年以上経過した3700形ですが、現在は車内リニューアルやVVVFインバータ制御装置の更新が始まっているため、まだまだ主力車両としての地位は揺らがないようです。
1988年の開通以来、1000形により運転されてきた千葉都市モノレールは同形式の初期製造車が経年20年が近づく2006年より置き換えが検討され、「千葉モノレール新型車両デザイン検討委員会」が発足し新形式が計画されるようになりました。設計のコンセプトは空をテーマにGKデザイン総研広島が手掛け2007年4月にはイメージイラストと共に「URBAN FLYER 0」の称号が公開され2009年の導入を目指していることが発表されました。実際に完成し搬入されたのは2011年のことで2012年4月12日に報道公開と試乗会が実施されました。1・2次車置き換え後も段階的に増備され2025年1月時点で21-29編成の9本が運用に就いています。今後も残る1000形後期車置き換え用に増備が計画されており、2028年までに在籍する車両は全編成が0形で統一される見込みです。
銀のアルミ車体に青帯を配していた1000形から一転し、設計コンセプトである都市の空の青色基調にアクセントとして飛行機雲をイメージした白い五本線のストライプを配し前頭部を黒で仕上げた落ち着きのあるデザインになりました。現在は何らかのラッピングを施されているせいで本来のカラーデザインを見ることは難しくなっています。正面の非常用貫通扉にはURBAN FLYER のロゴと共に入る三日月のシンボルマークは千葉の地名の由来となった氏族・千葉氏の家紋である月星紋をアレンジしたもので、車両の各所にあしらわれています。写真は2019年以降の増備車で行先表示がフルカラーLEDになり視認性が向上しました。
2022年7月8日には営業運転開始から10周年を迎えたことで記念事業が開始され、在籍している全編成にデザイン違いのヘッドマーク掲出や記念乗車券の発売、乗降促進音の変更などが実施されました。余談ですが0形は湘南モノレール、東京モノレール、ディズニーリゾートラインに続いて実在の事業者としては4例目にプラレールで製品化され、本年5月1日の毎日新聞にて千葉県ふるさと納税の返礼品でトップ10入りし目標の14倍を売り上げたことが記事になっています。
車内設備は眺望に重点を置き、前頭部と客室の仕切りを大幅に拡大して更に乗務員室の床の一部に強化ガラスを嵌め込んだ窓を設置し、空中を浮遊している感覚を堪能できるデザインにしています。21〜24編成と2019年以降に導入された25編成以降から見直しがあり、眺望性を更に向上させるため片持ち式ハイバックシートをローバックシートとし、手すり増設と座席袖部にFRP製大型仕切り採用など変更点が目立つようになりました。
ドア上の車内案内表示装置は初期のLEDタイプからLCDディスプレイになり、路線図も表示するようになったため案内が格段に充実しています。なおドアチャイムに関して変更はなく従来通りとされています。
2012年の初導入から始まって、2028年の置き換え完了がいよいよ見えてきましたが、全編成が出揃うまで実に16年という長い道のりとなりました。