町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

野田線に新風を巻き起こした東武60000系

2022年04月25日 | 東武鉄道

東武野田線は、埼玉県の大宮と千葉県の船橋を結ぶ全長62.7キロの路線で、東武鉄道では伊勢崎線・日光線・東上線に次ぐ基幹路線に位置付けられています。起源は千葉県野田市より全国に醤油輸送を行う貨物線として開通したのが始まりで、同市に本社を置くキッコーマン内の貨物駅より1985年まで鉄道貨物輸送を実施していました。同時期からは沿線の宅地開発が進行し、通勤通学路線としての需要が高まるものの車両面は他線区からの転用車両を使用しており2000年代半ばまで吊り掛け駆動の5000系列が運用されるなど近代化からは遅れを取っている印象が否めませんでしたが、2012年に野田線向け新型車として60000系の導入が発表され、2013615日より運用を開始。翌年201441日からは「東武アーバンパークライン」の愛称を制定するなど大きな変化を見せました。

20132015年に掛けて、18編成108両が製造された60000系は野田線の前身である北総鉄道(現在の北総線とは無関係です)→総武鉄道時代に製造された車両を除き1944年に東武鉄道に吸収されて以来、実に69年目にして初の新型車両となりました。それまでは伊勢崎線・東上線からの転用車を長らく充当するのが慣例(同時期に運用を開始した10030系や現在も残る8000系は他線区からの転入車)でした。

50000系グループをベースにした日立製作所製A-trainの一員ですが、正面形状はアレンジを加え新たに東武鉄道の企業カラーであるフューチャーブルーと、豊かな自然環境を表したブライトグリーンの配色で沿線風景に調和するデザインを目指しています。全編成が一貫して野田線で運用され地下鉄やトンネル区間への乗り入れは行わないものの、非常用貫通扉を備え内側には脱出用の梯子も設置されました。

車内は白を基調に妻面を木目調、座席は水の流れをイメージした青系の座席で爽やかな雰囲気を演出しています。東武鉄道では初の公衆無線LANサービスも本系列より開始しました。強化ガラス製の貫通扉には沿線自治体の市の花をデザインしたステッカーが貼られ、「桜※埼玉県さいたま市・同市大宮区」クハ61600+モハ62600)・「藤※埼玉県春日部市」(モハ62600+モハ63600)・「向日葵※千葉県柏市・船橋市」(サハ64600+モハ65600)・「躑躅※千葉県野田市・流山市・松戸市」(モハ63600+サハ64600)「桔梗※千葉県鎌ヶ谷市」(モハ63600+クハ66600)となっています。

ドア上の車内案内表示器は5007051076編成以降より採用されている17インチ液晶画面を採用しました。戸閉装置は電気式ですが、ナブテスコ社製が新開発したRack☆Starを搭載しています。

現在は増備が止まっている60000系ですが、依然として車齢の高い8000系も残存しているため、近い将来増備が再開されるかに注目ですね。

コメント (2)
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