町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

リバイバルカラーで力走が続く京成3600形

2021年11月17日 | 京成電鉄

京成電鉄では1972年〜1982年の間にセミステンレス車の3500形を増備して来ましたが、1982年からは構体も含めオールステンレス車体とした3600形を登場させました。メカニズムは当時の私鉄ではオーソドックスな界磁チョッパ制御ですが、運転台をT型ワンハンドルマスコンとし京成通勤車としては初の事例になりました。当初は6両編成で増備が進められ、9本が出揃いますが1997年からは速達列車の8両編成化が実施されるようになり8両編成6本と余剰の制御車を3700形と同等のVVVFインバーター制御車として電装化し6両編成とした構成に改められました。長らく京成本線系統の特急を中心に活躍して来ましたが2017年からは老朽化の為に廃車が進められています。

現在は4両編成化され、ほぼ金町線専属になったVVVFインバーター制御の3668編成。この編成は全電動車で「ターボ君」の愛称を持ち、京急線への入線も可能にしている事から横浜市金沢区の総合車両製作所で製造された新型車の牽引車としても用いられています。2017年に最初に廃車になったのはこの編成に組み込まれていた360836012002年〜2013年まで芝山鉄道へのリース車として有名だった3618編成8両でした。

202081日には、残り1編成となった3688編成を6両化の上で登場時のファイヤーオレンジ帯に復元して運用するようになりました。イベント時の団体臨時列車では成田スカイアクセス線への入線も実現しています。同編成は日本車輌製で、上の旧東急車輛で製造された3668編成と比較するとドア下部の補強の有無が異なります。

6両編成化され登場時の組成に戻された形ですが、現在のところは3500・3700・3000形6両と共通運用で本線・千原線系統の普通列車に充当されています。しかし金町線専属になった3668編成と共に最近は休みがちになっているようです。

車内設備の配色は基本的に更新前の3500形と類似しており、クリーム色の化粧板に臙脂色の座席、また首を振る扇風機から実際の車齢以上に古い印象を受けます。戸閉装置は床置式から鴨居取付型に改められ開閉動作が緩やかになり、後の更新で3500形にも波及しました。

登場時の帯色に復元されてから1年以上が経過し、後輩である3500・3400形の廃車が続々と進行している現在では先行きが気になるところですが、少しでも長く走り続けて欲しいですね。

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南武支線で活躍するワンマン対応205系1000番台

2021年11月15日 | JR線

川崎と立川を結ぶ南武線は、尻手から分岐し浜川崎までに至る4.1キロの支線(浜川崎支線、通称南武支線)を有し、本線区間とは独立する形で終日に渡り2両編成の列車が運転されており民営化から1年が過ぎた1988年3月よりワンマン化を実施しています。南武線の本線区間の205系は2017年にE233系への置き換えが完了していますが、支線では中間車に運転台を設置し先頭車化改造を施した2051000番台が運用されており、新系列電車への置き換えが急速に進んだ今日の首都圏では数少ない205系の定期運用線区となりました。

2002年に導入されたワ1編成。元は中央総武緩行線の所属車で、武蔵野線へ転属する際に10両から8両へ短縮した為余剰になったモハユニットですが、国鉄時代の1980年より長らく運用されて来た101系置き換えに充当されることになりクモハ205+クモハ204205系では最小単位の2両編成が誕生しました。現在は写真のワ1編成の他、ワ2と元山手線の小窓ドアを備えるワ4(3編成は欠番)の3編成体制になっています。

鶴見線営業所公開時に展示されたワ1編成。行先は定期運用ではあり得ない武蔵白石行きです。当初の計画では、運用数に余裕がある南武支線用1000番台にクハ1両を必要に応じて増結し鶴見線でも運用する計画があったようです。結局は別々に車両を配置することになりますが、実現していたら面白い編成が見れたでしょうね。

1000番台の車内(クモハ204で撮影)。当初は他路線と同じく緑色の座席でしたが、2016年の小田栄駅開業時に外装の帯に五線譜と音符のイラストと「NAMBU LINE」のロゴを追加の上、座席モケットを更新し吊り手も黒色の新品に交換されました。最近は更に自動放送に英語の文章が追加され、さながらE205系といった様相です。

南武支線といえば1988年からワンマン車であることを示す独特な塗装の101系が運用されていましたが、それ以前も戦前形17メートル級車体の旧型国電が1980年まで定期運用されるなど、特に古参の車両が走る路線として有名でした。現在は後継車の計画が具体化していないので、205系1000番台も最後の国電世代の車両として残存しそうですね。

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京浜工業地帯の通勤輸送に活躍する鶴見線205系1100番台

2021年11月07日 | JR線

現在も纏まった数の205系が活躍する相模線、日光線、東北本線(宇都宮〜黒磯間)の各線では、新形式E131系の導入で順次置き換えを進めることになりましたが京浜工業地帯への通勤路線として、また多彩な貨物列車が走行し独特の雰囲気を漂わせていることからマニアや観光客に人気の高い鶴見線と南武支線では依然として全列車が205系で運転されています。

鶴見線に205系が初めて登場したのは2004年のことであり、それまで運用されて来た103系置き換えの為、山手線に配置されていたモハ205+モハ2046扉車との差し替えで捻出されたサハ205を組み合わせ、先頭車化改造を施し新たに登場したクモハ204・クハ2051100番台の車番を付与しました。行先表示は3LEDで、行先毎に色分けされており写真の海芝浦行きは黄緑で表示します。(武蔵白石・扇町方面は赤、大川方面と鶴見行きは橙で表示)

久しぶりに一般公開された鶴見線営業所内で。前述の通りクモハ204+モハ205は元山手線向けの初期車、クハ205は元埼京線の後期車である為、ドア窓の寸法が異なっていることが特徴です。この組み合わせで3両編成9本(27両)が登場し、中原電車区(現在の鎌倉総合車両センター中原支所)に配置され、普段は弁天橋駅近くの鶴見線営業所に常駐しています。

高架の鶴見駅ホームに並ぶ2編成。JRの路線でありながら立派な2面2線の行き止まり式ホームを持ち、地上の京浜東北線からの連絡通路には中間改札も備えているのは前身となった鶴見臨港鉄道時代の名残りか。

黄色い警戒色テープが貼り付けられた以外は山手線時代の面影を色濃く残す車内。中間のモハ205は転用に際して大きな改造はされておらず、車番も基本番台のままとなっています。首都圏では小窓を備えた205系もすっかり貴重な存在になりましたね。

現在JR東日本では、FV-E991系と称するハイブリッド(燃料電池)試験車両を開発し、実用化に向けた実証実験を行う旨が発表され、対象の路線が南武線(武蔵中原〜尻手〜浜川崎)と鶴見線である為、これらを205系置き換え用にすることが予想されましたが、実用化までは大分時間が掛かるようで、首都圏最後の205系は鶴見線・南武支線になりそうです。

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マイナーチェンジで更なる環境負荷低減を実現、東京メトロ16000系4・5次車

2021年11月01日 | 首都圏の地下鉄

2010年から導入の16000系は主に6000系電機子チョッパ制御車の代替として増備が続きましたが、導入から5年が経過した2015年からは電気品を見直した4次車が登場しました。このグループからはVVVFインバータ制御装置が東芝製から三菱電機製に変更され磁励音が変化した他、2台設置されている補助電源装置の内、使用電力が少ない時に1台を休止させる「並列同期/休止運転方式」を鉄道車両では世界で初めて導入しました。

機器・車内の見直しを図った事をアピールすべく外観上も変更され、帯にはソフトグリーンとイエローグリーンが加わり、前照灯はHID1灯式からLEDによる2灯式になりました。LED式行先表示も耐久性が高くなり、シャッタースピードが1000分の1程度でも切れずに写すことが出来ます。

常磐緩行線に乗り入れた16129F。将来的には千代田線・常磐緩行線共にATOによるワンマン運転が実施される予定ですが、16000系の中では最初に対応改造が施されました。余談ですが、KATONゲージ鉄道模型で製品化したのもこの編成です。

ホームドアが設置されていなかった頃の代々木上原で。前頭部の形状は同じでも2010〜2012年までに製造された編成と並ぶと帯色や先端の切れ方、前照灯の配置が明確に異なっているのが分かります。本来は6000系後期型の更新車を2020年代初頭まで運用する計画でしたが、東京オリンピック2020開催の決定を受けて16000系で統一する方針に変更され4・5次車が急ピッチで増備されました。

10両編成中2箇所のみだった車椅子スペースも1両に1箇所ずつ設置されるようになりました。吊り手の色も一般的な灰色から淡い水色に変更され、乗務員室出入口も紺色で着色されています。4・5次車は2017年まで増備が続けられ、初期車と合わせて10両編成37本が出揃い、6000系は2018年11月に運用を終了し世代交代が完了しています。

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