町田営業所業務日報

地元周辺の鉄道・バス車両について気紛れに綴ります。

さよなら、営団6000系! また会う日まで

2018年11月26日 | 首都圏の地下鉄

約一ヶ月間の特別運転とメトロファミリーパーク2018で最後の花道を飾った営団6000系電車ですが、最後まで残存した2編成のうち5M5T改造車の6130Fが、所属する綾瀬検車区から新木場CRへ向けて回送されました。6130Fはインドネシアへの譲渡が予定されており、陸送に向けての準備に入ると思われます。

本日回送された6130F、以前に掲載した6129Fと同一仕様です。この編成を最後に、長年続いた東京メトロからインドネシアのKCIに向けて続いた車両譲渡は終了になります。比較的新しい部類に入るこの後期型の編成も、実に34年に渡る活躍で首都圏の通勤電車としては非常に長期間の運用でした。

6130Fと共に、最後まで残存した量産車第一陣の6102F。こちらは千代田線が全区間開通以前の1971年より運用を開始し、実に47年間(内小田急電鉄への直通運転は39年余り)もの間転属なども生じずに千代田線一筋で活躍を続けました。折りしも今年は1968年の千代田線開通前に試験を行うべく製造され、世界初の電機子チョッパ制御車としてその名を広めた試作車(通称6000系ハイフン車)の登場から50周年の節目でもあり、引退劇が一部の海外メディアにも記事にされるなど、大きな変革と共に一つの区切りであることを実感させる年になりました。この編成に関しては譲渡の対象からは外されており、将来的に博物館入りさせ保存展示を行う方向で検討を進めているとのことです。

 

これにて長年続いた運用に終止符が打たれましたが、インドネシアのジャカルタでは多数の編成が兄弟系列の7000系や共に同じ路線で相互直通を行い活躍したJR東日本203系と共に主力で運用されており、日本製車両が導入されるMRTも開通を控えているため、来年の2019年はジャカルタで乗り比べを楽しむのもまた一興かも知れません。

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小田急70000形GSE車を初撮影

2018年11月16日 | 小田急電鉄

本年3月18日より、小田急の新世代特急車両である70000形GSE車が運用を開始してから早くも8ヶ月余りが経過しました。筆者は運用初日に運良く上り・下りの特急券を確保でき、乗車だけは済ませていたのですが、撮影の方は気が向いたらいつでも撮れると思い、カメラを向けることはありませんでした。しかし最近、仕事の出勤時間が上手いことGSE充当列車と被ったため、初めての撮影に臨んで来ました。

爽やかな秋晴れの空の下を快走するGSE70000形。小田急ロマンスカーの伝統である前面展望席を採用しながらも、オーソドックスな20m車体の連結車として設計されました。50000形VSEと共に箱根への観光輸送を担うイメージリーダー的存在ですが、朝晩はJR東日本でいうライナーの小田急版といえるホームウェイにも充当され、マルチな活躍を見せています。

最初のイメージが発表された時は、名鉄パノラマカーの再来か?と言われたこの先頭部ですが、限界まで大きくした窓とアクセントが無い1色仕上げに小さなライトがポツポツと配置されているせいか何とも不安定な感じを抱いてしまいます・・・。60000形MSEまではそのような違和感はありませんでしたが、どうしてこうなったのか。

客室内はVSEからのコンセプトであるドームを思わせる高い天井にポップな座席のモケットが印象的です。座席自体の構造はさらに改良されたようで、掛け心地が向上していました。観光輸送と通勤輸送の両面のニーズに応える車両ということで、この辺は合格点ですね。

今も昔もロマンスカー最大のセールスポイントでもある展望席。VSE車とこのGSE車は窓にピラーが入らない大型曲面ガラスの採用で遮る物なく前面展望を楽しめます。

現在は最古参となった30000形EXEの大規模リニューアルが進行しており、ロマンスカーはしばらくEXE・VSE・MSE・GSEの4車種体制が続くことでしょうが、次の世代に登場する特急車両の登場とコンセプトはどのようになるか、色々と想像が膨らむところです。

 

 

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江ノ電新世代の幕開けを告げた20形電車

2018年11月07日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

1990年代は旅客数が減少していた江ノ電ですが、1997年の路線開通95周年に観光客誘致の一環で10形電車を導入し以降は旅客数が増加傾向を見せ始めました。一方で、この当時はカルダン駆動化されてはいたものの、車体構造の関係で冷房の搭載が困難な初代500形の置き換えが検討されるようになり、同形式の走行機器を流用する形で登場したのがこの20形です。

10形のような装飾は省かれ、外観は簡素化されているものの、正面形状はどことなく欧州トラムのような雰囲気が漂い、在来車の緑系カラーを踏襲しつつ色調を改め細い金帯を巻いた事から高級感を感じさせるデザインになりました。この基本配色は2代目新500形でも引き継がれ、類似のパターンで他形式にも及んだことから事実上新標準色になっています。

20形の付番は藤沢寄りが2X、鎌倉寄りが6Xとされ、編成を紹介する時は21-61編成のように表記される事もあります。21編成は2002年に、22編成は2003年に運用を開始し前者は500形501編成を、後者は502編成を置き換え江ノ電の保有車両は全編成が冷房車になりました。

20形車内(61号車で撮影)。車内はロングシートに両開きドアも相俟って、より通勤電車の色合いが濃くなりました。座席は本来赤系ですが、21編成は全線開業100周年のラッピング車に起用された為、茶色系の座席に交換され、現在もそのままになっています。22編成もこのモケットに交換してくれれば個人的には嬉しいですが。

ドア上には営団地下鉄のごとき路線図式車内案内表示装置を設置。今日では珍しい設備になりましたが、新駅設置などの動きが無い小規模路線ではこれで十分用が足りるんでしょうね。ちなみに写真では伝わりませんが、IC式自動放送装置を設置したのは本形式が初めてで、その後テープ式自動放送の2000形・10形も同型のものに交換され、現在は全編成に波及しています。
名車と謳われた初代500形の遺志を継ぎ走り出した20形ですが、今年で運用から16年が経過しました。登場の経緯から走行機器こそ旧来の抵抗制御ですが、21世紀の江ノ電車両の基本仕様を確立したのは本形式と言え、この先も姿を変えずに細く長く活躍して欲しいですね。
 
 
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21世紀を生きる吊り掛け駆動車・江ノ電1000形

2018年11月05日 | 小田急グループの鉄道・路線バス

30年に渡り続いた平成も幕引きが迫る今日では、鉄道車両に於いても世代交代が進み平成生まれのVVVF車でさえも廃車が発生するようになりました。その中で、首都圏の路線でありながら旧態依然とした吊り掛け駆動方式の車両を複数保有し、さらにVVVF制御の高性能車と日常的に併結運転を実施している驚愕の路線が存在します。

今更説明不要ですが、それがこの江ノ島電鉄で1979年~1983年度に導入された1000形グループの内、1次車(1001編成・1002編成)、非冷房ながら準備工事車として落成した2次車(1101編成・写真上)、江ノ電初の冷房車として登場の3次車(1201編成・写真下)4編成が該当し全車が大規模な修繕工事を施工され2018年現在も他形式と共通で運用されています。これらの車両群は、1979年代当時の江ノ電では48年ぶりの新型車ということで大きな注目を集め、また旧型車の機器流用車や他社からの譲渡車が多数を占めていた同社の旅客サービス向上に貢献しました。1980年には通勤型電車ながら鉄道友の会によるブルーリボン賞も受賞しています。2003年からバリアフリー対応化の為、ドアチャイム・車椅子スペースの設置や車内放送の自動化など、各種改造が実施されていますが、現在の1000形グループは2代目新500形に準拠した塗装と、集電装置のシングルアーム化、更に行先表示のフルカラーLEDへの換装など新型車にも劣らない設備に改められました。

行先表示のLED化が進行する中で未だ方向幕を堅持する3次車1201編成。先述のようにこの編成は江ノ電初の新製冷房車(1次車は1985・86年に、2次車は1982年に改造で搭載)で、日本国内の旅客営業を行う狭軌鉄道車両で吊り掛け駆動方式を採用する最後の新型車になりました。車体は更に改良され、屋根と床板にステンレスが用いられ正面のライトは角型に変更されています。これら4編成の使用実績で、台車の固定軸距が軌道に与える影響が少ないことが分かった為、1986年・1987年の通称1500形とも区別される増備車2編成は車体の基本設計はそのままに駆動装置をカルダン駆動方式に変更、この2編成の登場で在来車の300形・初代500形も性能を揃える工事が実施されました。

外観・車内共に同時期の新型車だった京浜急行電鉄800形の影響を受けているのは有名な話ですが、下降式窓やワンハンドル式運転台にその特徴が現れています。化粧板と座席の更新は2代目500形登場直後に実施されましたが1201編成が2011年末にドア上への液晶画面設置、車内照明のLED化を追加で施工され、2015年度中には全編成に波及しました。

2011年度より設置が始まった液晶画面による車内案内表示装置。向かって左側は乗客の少ない時間帯だった為使用されていませんが、沿線の観光情報などを流しています。JRの新型車も顔負けな設備を持ちながら、動き出せば重厚な駆動装置の音が響き渡るのもギャップがあり非常に面白い点ですね。

 

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