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京都生活手帖

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食べることをアセスメントする

2007-10-13 23:36:48 | 育つの軌跡


出汁昆布を、はみはみはみはみ・・・

2週間ほど前、助産師さんに「そろそろ離乳食をつぶさないで、さいの目状くらいにしてあげるようにして。」と言われたのですが、「ひえ~とんでもない!ちょっとドロっとしたものをあげるだけで、オエっと吐いてしまうんですから~」とびっくりしてお答えした私。しかし助産師さんは、「でも噛む練習をぼちぼちせんなんし。そやなぁ、出汁昆布持たせて噛ませといて。」と言うので、噛みごたえのありそうな、固くてちょっと上等の出汁昆布をあげてみました。すると結構気に入ってガジガジ、はみはみと飽きずに噛んでいるので「これはいい!」と思ったのですが、口の周りが昆布のヌルヌルだか、わずかな塩分だかでかぶれて赤くなってきてしまったので、あえなく中止に。うーむ、うまいこといかんもんです。

そう、困ったことに、こ初々さんは離乳食をしょっちゅう吐いてしまうのです。食べ物を舌でべぇっと押し出してしまう、なんていうかわいらしいものではなくて、少しまとまったものやドロっとしたものをあげると「オエ」っと嘔吐反射が出て、その後もちこたえられなくなると、「ゲロ」っと胃の内容物(主におっぱい)まで出してしまうのです。液体や、割とさらさらとした形状のものは入っていくのに、トロリとしているものは全くだめ。これまで高齢者の嚥下(注:飲みこむ)訓練はしてきましたが、加齢や脳障害による嚥下機能低下ないし障害の場合はさらりとした液体が一番ハードルが高く(むせやすい)、とにかく何にでもとろみをつけて食べてもらっていました。ですから何故こ初々さんが液体のものは食べられて、とろみのあるものが食べられないのかちっとも理解ができなかったのです。

まぁでもそこは、考えなくちゃ。
ということで、こ初々さんの「食べること」に関わる問題についてアセスメントしてみました。

まず「食べること」~食べる、という営み~は、1)「身体的」側面と2)「心理・社会的」側面とがあります。まずは1)「身体的」側面のアセスメントから。

1)身体的側面
人が「ものを食べる」ためには、a)目で見て食べ物を認識し、b)食べ物を口まで運び、c)食べ物を飲み込める大きさにまで咀嚼(かみ砕き)し、d)食べ物を嚥下する(飲み込む)、という一連の動作が必要になります。a)b)は赤ちゃんが自分で出来ませんから保護者の役割になります。(ほら美味しそうなお豆腐だよ~食べてみようね~と声をかけながら(a)、食べやすい大きさにすりつぶして口の中に入れる(b)。)またc)の咀嚼は段階的に練習が必要になりますが、すりつぶしや裏ごししたものを食べる場合には省略されます。というわけでこ初々さんに問題がありそうなのはd)の「嚥下(飲み込む)」です。そしてこの嚥下に問題があるとすれば、イ)形態的な問題と、ロ)機能的な問題が考えられます。イ)形態的な問題には、「食べ物が入っていく入り口が狭くなっている(食道が狭窄している)」という可能性が考えられますが、順調に体重が増えていけるほどおっぱいを飲むことができるのですから、病的に狭窄しているとは考えにくい。ではロ)機能的な問題があるのか?嚥下というのはとても複雑な機能なのですが、簡単に言ってしまうと、食べ物がのどに入ると空気の通り道である気道に蓋がされ、きちんと食道に食べ物が入っていくように調整されています。そして気道に蓋をするのは意識的には行えず、脳が食べ物を感知し反射として行っているので、脳に障害があったり、加齢によって反射に遅延がみられると、気道に蓋をするのが遅れてしまい、結果食べ物が気道のほうへ入っていってむせるということにつながるのです。こ初々さんの場合、食べたときにちょっとむせて、そのむせた勢いで「オエ」っと嘔吐反射が出てしまうということもありますが、だいたいはむせるより先に「オエ」っとしてしまう。そのことを考えると、「むせ」と「嘔吐反射が出てしまう」ということは別々に考えたほうがよさそうです。ですから、脳に障害があって嚥下が出来ないという可能性も否定してよさそうだ・・・

では・・・
2)心理・社会的側面
当然のことながら「食べること」というのは、単に生理的な現象ではありません。まず「食べたい」という欲求がなければ食べられません。そしてひとは一人で食事をするだけではなく、社会の中で他者と食を共にしますから、その社会や文化が求める(食事の)ルールを身につけていくことも必要です。それが、「食べること」が生命を維持する生理的な営みであるとだけは言えないゆえんです。さてこ初々さんに関して考えてみると、「そもそも彼女は、食べたいという欲求があるのか?」というところに疑問が生じます。もちろん「おっぱいを飲みたい」という欲求はあります。つまり、「おなかがすいた。空腹を満たしたい。」という欲求はある。しかしそれはおっぱいで満たされればよく、ほかの食べものである必要を感じていないのではないか・・・?
そこでふと思ったのです。実はこ初々さん、山羊さんのように「紙きれ」はよく食べてしまうんですよねぇ。ちょっとそこら辺に広告やら新聞やら、雑誌などを放っておくと、知らないうちに舐めて食べているんです。それも米粒ほど小さい、というのではなく、大人の親指の先くらいありそうな大きさもざら。そんな大きさの食べ物をあげたらとたんに吐いてしまうのに、紙きれの場合は何の支障もなく飲み込んでしまう。ということはつまり、身体的に「ある一定以上の大きさの固体」を飲み込めないというわけではないじゃないか。では何故紙きれなら「オエ」っと嘔吐反射が出ずに食べられて、カボチャやら薩摩芋やらは吐いてしまって食べられないのか。
結論。
これって、彼女の「意思」の問題なんじゃないかなぁ。自分で口に運ぶほど興味のあるものは食べるけれど、人から与えられる(彼女にとっては)わけのわからないものは食べない。さらっとした液体は、彼女の意思の力が働く前に入っていっちゃうけれど(気づかないうちに入っちゃった?)、どろりとしていて通過するのに時間がかかるものは彼女の意思のほうが先に働いて、「食べない」と決断を下す。つまりこ初々さんが離乳食を吐いて食べないのは、彼女が「食べたくない」からという「心理的」な問題なんでしょう。

でも何で食べたくないのかな?
「食べたい」と思うには、それが自分にとって安全であり、毒やら危険ではないという確信が持て、かつ「美味しそうである」と思えなくてはなりません。また、自分にとって大切な人と食を囲みたいという気持ちも大切です。こ初々さんが生物として「それは今、いらない」という意思を表明している、そのことは受け止めながらも、「でもね~、そうはいってもこ初々さん、食べるっていいことだよ~。これも、あれも、すごーーーく美味しいんだよ~。お母ちゃんもお父ちゃんも、こ初々ちゃんが参加してくれるのを待っているからね~。」と誘惑!?は続けていこうと思っています。彼女の意思を無理矢理変えることは出来ませんが、彼女の意思に「働きかける」ことはできる。こ初々さんが生物ではなく「人間」の営みに参加していけるように、「美味しいな」「楽しいな」を共有できるように、そう願いながら働きかけを続けていきたいです。
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ふたたび植物園通い

2007-10-02 21:35:10 | 育つの軌跡


気候がよくなってきたので、植物園通い再開です。
芝生の上にぽんと置いて、ふたりでゴロゴロゴロゴロ・・・でも意外なことにこ初々さん、あまり芝生の感触がお気に召さないようで、うつぶせにすると「ひーん」と抗議の声をあげます。む、自然と仲良しの子になる予定なのに、そんなことでは困るぞ。

ところで植物園の中にはアスレチック広場のようなものがあり、小さなこどもたちがたくさん遊んでいます。何故かこ初々さんは、こどもが遊んでいるのを見るのが大好き。なので本人は遊べなくても、ただ近くで見せてあげる。そうすると、とてもよい子してずっと見続け、ときおりバタバタと手足を動かし「きゃー」と喜びの大声をあげたりするんですねぇ。間がもたなくなると、スーパーマーケットにあるこどもの遊び場に連れていったりもしています。子どもの遊び場は、最終兵器みたいなものです。

さて、夏の間は暑さのあまり日中外へ出られなかったのですが、ようやく涼しくなってきたのであちこち出かけようと思っています。ぽつぽつとお友達が増えてきていますが、もっともっとつながりを作っていけるといいな。
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こんなものが好き

2007-09-28 22:30:35 | 育つの軌跡


がじがじがじ・・・
と、こ初々さんが食べているのは、携帯電話の充電コード。イヤホンやら、ノートパソコンの充電コードやら、「細くて長くて電気(製品)につながるもの」の類が大好きなんです。なんなんですかねぇ。しかし最近大好きなものナンバーワンはなんといっても、ノートパソコンそのもの。我が家は夫婦でMacのノートパソコンをそれぞれ使っているのですが、ノートパソコンをぱかっと開けた音を聞きつけるやいなや、それまで遊んでいたおもちゃを放り出し、ものすごいスピードでズリズリとはってやってきます。そしてキーボードを容赦なくバンバン!叩き、また全体重をかけて画面にのしかかっていくので、ノートパソコンがまっぷたつに折れてしまうのではないかとヒヤヒヤ・・・そんなわけで、なかなかブログを更新できずにいます。すみません・・・

しかし更新ができない理由はそれだけではなく、なんだか最近こ初々さん、「抱っこ抱っこ!」で手が離せないのです。「ちょっと待っとってね。」と置こうものなら、「ひー!」と泣き始める。そばにいても、ふにゃふにゃ言いながら膝の上に乗っかってくる。とにかく「触れ合っていたいのだよー!!!」という感じ。まぁそれだけなら用事が出来ないくらいでどうということもないのですが、ベビーカーで外出している時に「抱っこせ-い!!」と言われると、片腕にこ初々さん、片手でベビーカーを押すはめになってしまい、「う・・腕がもげます!」という状態に。そんなことを続けていたら、背中が激痛のあまり首がまわらなくなったりして、ダウンしちゃっていたんですねぇ。その時その時は「火事場のくそ力」で何とか乗り切れるのですが、のちのちあちこちで体が悲鳴をあげてきます。やれやれ。まぁでもそういう「頑張りのきかない体」でよかったなぁとつくづく思うんです。自分にとっても、対外的にも。体にかかっている負荷が目に見えないところで体のどこかをむしばんでいき、致命傷とならたいために。自分ひとりで何もかも出来るような気にならないために。ね。

そんなこんなで、ちょっぴり体力的にはしんどくなってきましたが、「抱っこしてよ、かまってよ~!!」のこ初々さんの可愛さは増すばかり。夫婦で歌って踊ってこ初々さんを喜ばせる日々はにぎやかで、ご近所さんたちからはどう思われているのか分かりませんが、楽しく過ぎていっています。
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ぶーぶー言うたら、歯がはえる

2007-09-13 21:05:13 | 育つの軌跡


ぶーーっ。
つい最近まで、こ初々さんは唇をタラコにしてとがらせて、しきりにぶーぶー言っていました。我が子ながら・・・ぶちゃいくですねぇ~。この「ぶーぶー」、お誕生日の近いお友達の赤ちゃんもしていました。むぅ、不思議。寝返り欲求と同様、「時期がきたらぶーぶー言いたくなる」とプログラムされているのでしょうか。謎。

そうして気づいてみると、こ初々さんなんと下の歯が2本はえはじめている!指をガブリと噛まれたときにふと固いものが触れたので、「ちょっと見せて!」と興奮して確認してみると、下の歯茎からうっすらと白いものが見えるではありませんか。うわ~離乳はすすんでいないけれど、我が子のからだは食べる準備を着々とすすめているんですねぇ。

ところで助産師さんに「歯がはえた」と報告したところ、「ぶーぶー言うてたか?」と聞かれました。歯がはえることと、ぶーぶーの間に因果関係があるとは。助産師さんいわく、「口の中の違和感で、ぶーぶー言うてんやろうなぁ」。ほんとかどうかは分からないけれど、赤ちゃんがぶーぶー言う頃には歯がはえる。これは赤ちゃんに普遍的にみられる現象のようですね。
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ぶどうをガブリ

2007-09-03 22:12:00 | 育つの軌跡


親戚のおじさまの畑で、ぶどうをガブリ。
オットの実家へ帰省して、お盆には暑くて行けなかった畑に従姉妹ちゃんたちと一緒に行ってきました。従姉妹ちゃんがぶどうを収穫して「あげる!」と渡してくれたものに、こ初々さんも一生懸命手を伸ばすので、乞われるままに持たせてみると、ガブリチュウチュウペロペロ。口の中に入れようと大きく口を開けても入らないので、必死になめておりました。そして気づくとぶどうが一粒房からとれてしまい、こ初々さんの口の中へ。あやうくツルンと飲んでしまうところでしたが、むにゃむにゃと口を動かして、上手にぶどうの汁をなめていましたよ。すごいな~。みんなが畑の真ん中で、「おいしい、おいしい」とぶどうを食べているから、自分も食べたくなったんだろうな。よかったね、こ初々さん、しっかり参加できて。

今回帰省してびっくりしたのは、こ初々さんが従姉妹ちゃんたちに大興奮したこと。従姉妹ちゃんたちが近づくと、きゃーきゃー声をあげて喜ぶんです。従姉妹ちゃんたちのお母さんは、「そやなー、子どもの方が刺激的やろなー。大人はこんなところ(机の下)から顔だしてくれへんしなー。」と笑っていましたが、子どもたちの赤ちゃんへの接し方というのは大人とはまた違うものですね。それが楽しいからなのか、「自分に近い仲間だ」という認識を持っているからなのか・・・とにかく興奮して大騒ぎ。日々接しているのがほぼ両親だけ、という残念な環境にいるこ初々さんにとって、とっても刺激的な時間だったんだろうなぁ。

食事の時も、私たちだけでなく、従姉妹ちゃんもご飯を食べている様子をこ初々さんに見せてくれました。「こ初々ちゃんに、ご飯どうやって食べるのか見せてあげて~」とオットが言うと、ちゃーんとお姉さんになって見せてくれるんですね。赤ちゃんにとっても、自分に近い人がどんなふうにご飯を食べるのか見る機会にもなりますが、子どもにとっても赤ちゃんがいるっていいことなんだな。やっぱり色んな人の中で生活するのは、誰にとっても大切なことなのだと改めて思いました。

都会はさみしいなぁ~。
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