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京都生活手帖

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ケース4 こっぺさんのケースのまとめ

2009-05-17 22:05:25 | 子育てのケーススタディ
こっぺさんより、ケース4のまとめが届きましたので(お仕事が早い!)早速アップさせて頂きます。

初々さん、このようにケーススタディに取り上げてくださってありがとうございました。他のみなさんからもあたたかいコメントをいただいて感激しました。初々さんにメールで相談したときには本当に切羽詰った気持ちだったのですが、今は初々さんと皆さんに助けられてとても穏やかです。ありがとうございました。ケーススタディを通して、自分の行動をひとつひとつ思い出し、なぜ自分がそう思ったのか、息子はそれに対してどう反応したのか、それはなぜか、それを踏まえて自分は次にどう行動したいかなどをきちんと考えることで、服や靴を汚されるのが嫌という気持ちが見えたことと、その後イライラしても怒鳴る前に(または怒鳴っている途中に)上記のことを考えられるようになって、すっと気分が変えられるようになったことは私にとって大きな収穫でした。今までは怒鳴ってあとで後悔して怒鳴るまいと思っていても、怒鳴ることがそのときできる唯一のこ
とだったので繰り返していたように思います。その出口が見出せてよかったです。

いただいたアイディアをまとめてみると、場面1では汚れて困る服は着せない、着替えを持っておくということ、場面2では、子どもの様子を見ながらちょっと姿を隠してみる、子供が喜ぶ「乗り物型」のカートがある所に行く、通常のカートの場合は小走りやバック等をして紛らわせる、商品をカゴに入れさせたり気に入ったものを持たせておくなどでした。その中でいくつかの方法をやってみましたのでご報告します。まず場面1ですが、着替えは必ず持つようにしたら、着替えればいいんだしねとゆったりした気分になれました。汚れて困る服は着せないことを心がける、というか念じて服を着せるのも効果的でした。また、自分のこだわりポイントがはっきりしたので、私はどういう場合にどんな風に汚されるのが嫌なのかを考えるようになりました。例えば今日、息子がベランダに出てサンダルを履こうとしてコンクリートに素足で立っていたんですが、その足で家の中に入ってきたのはまあオッケーでした。やっぱり服と靴だけなのかなあ、と自分のこだわりを探ることを結構楽しんでいます。場面2ですが、商品を持たせたら効果抜群で、ご機嫌で買い物に付き合ってくれました。これは毎回やらせたいです。他の方法も今後やってみたいともいます。

それから、ひたすら話を聞く、付き合うという言葉もありましたが、これもまた覚悟を決めることができるいい言葉だなと思いました。私は何でこんなことをと思うとイライラが募るばかりですが、一度付き合うべ!と決めてしまえば気持ちが前向きになれます。また、理屈の通用しない2歳児に、言葉より気持ちと態度で安心させるほうがわかりやすいし、強制されることへの抵抗感も少なくできるということも発見でした。でもこれは、体力気力が万全なときでないと難しいことで、どちらも足りない私がどうやっていい状態をキープしていくかが今後の課題です。

最後に失敗したことを書きます。離れていってしまう息子に、「じゃあおかあさんはあっちにいくよバイバイ」と言うと、いやだーといって息子がついてくるので度々この方法を使っていたら、ある時から何か気に食わないことがあったときに息子が「じゃあねバイバイ!」と逃げるようになってしまいました。これ、されるほうは結構傷つくんです。やられて初めて息子の気持ちがわかりました。以来絶対にやっていません。

また皆さんのお知恵を借りこることがあるかもしれませんが、その時はどうぞよろしくお願いします。重ねてありがとうございました。

<初々よりコメント>
こっぺさん、こちらこそ貴重なケースをよせて頂いて本当に勉強をさせて頂きました。そしてコメントを下さったみなさん、本当にありがとうございました。このようにたくさんの方の意見を伺えて、風通しのよさを感じます。これからもぜひおつき合い頂ければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
隠されていたこだわりポイントが見えて、おまけに「研究」までされているご様子で!?、よかったなぁと思います。そんなふうに状況に丸ごと巻き込まれずに、一歩ひいたところで事態を眺められると精神的にぐんと楽になりますよね。もちろん私もそのように出来るときばかりではないのですが、一度その技が身に付くと、巻き込まれそうなときに「おっとっと」と一歩ひける確率が高まるように思っています。状況に丸ごとかっさらわれる時以外は、ぜひその「研究」姿勢を活用してみてくださいね~。私もあれこれ「実験」してみているので、またケースにあげられたらと思っています。
ところで「じゃあね~バイバイ~」は私もよくしてしまうんですが、されると傷つくんですね。これは反省いたしました・・・



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ケース3のまとめ 物語の力とポーズとしての一貫性

2009-05-16 10:19:25 | 子育てのケーススタディ
ずいぶん遅くなってしまいましたが、たくさんのコメントを頂きましたケース3のまとめをしたいと思います。

だだこねの時の具体的な対応策としては、「好きなおもちゃを携帯しておき、渡す」「あたらしいものを携帯しておき、渡す」「最終手段として、ものでつる」というご意見を頂きました。私も「ものでつる」という方法に初め抵抗があったのですが、そのことに関して保育園の先生の考え方(まだこの年齢では「ものでつられている」という意識はなく、「こうしたら、要求が通るというような知恵はついていない)を紹介して頂いて、とても納得ができました。実際に子どもの様子を見ていると、「あのときこうしてくれたんだから、今もこうしてくれ~」というような要求の仕方はせず、要求も「その場限り、きまぐれ」なことが多い。そのことを考慮に入れると、「今この方法で解決しても、それが今後(の生活習慣)に響くようなことは少ない」と考えていいように思います。しかしながら、その方法は上手に使いたいものだと、保育の先生のお話を伺って強く思いました。というのも、先日自転車のケースを保育の先生に相談したところ、「こ初々ちゃんも、お母さんも、元気のでる素を食べて、元気いっぱいになっておうちに帰ろうか!!」と言ってみてはどうだっただろう、と教えて頂いたのです。それを聞いて私は、軽く(いや、ずいぶん)ショックをうけました。なるほど!「頑張ったから、あげる」という報酬の語法でもなく、「あげるから頑張ろう」というものでつる語法でもない、「新しい物語を付与する」ことが可能なんだ・・・つまり、「まぁお互い頑張ったよね、それはそれでおいといて」、「とにかく元気なくなっちゃったから、元気のでる素を食べて、元気になろう!」というのは、八方塞がりな今の状況を抜け出して、新しい物語の中に入っていくということなんですね。その物語の中では、「頑張った報酬」「頑張る報酬」というような因果関係を作らずにすむ。即興で「新しい物語を作る」というのは、ものすごく高度な技ですが、これは磨きをかけていかねばならない・・・そう思わされました。

それから、今回のケースでは「一貫性」というキーワードが出てきました。「一貫性をもとうとして、 なるべくつとめている姿を見せることが大事」で「結果的には一貫性なくてもOK!」というご意見がありましたが、私もそのように思っています。というのも、まぁ私自身一貫性を保てるほど意思が強くないということもあるのですが、2歳児を前にして一貫性を保つのは困難だろうと思うのです。小児科医の毛利子来先生が「(子どもは)世の価値体系に挑んでいるかのようにも見える。そうしながら、子どもは、自我と世の中とにどう折り合いをつけるか苦闘しているのでしょう」とおっしゃっていますが、先生の言葉をかりれば、2歳児はきっとその「親の示す一貫性」に挑んでいるのでしょうね。そこで衝突したり、折れたりしながら、なんとか折り合いをつけるべく必死になっている。ですからこちらが一貫性を保てば保つほど、衝突は限りなく増えていくのだと思います。しかしながら「世の価値体系」なるものには「例外」というものが五万とありますし、それだけではなく、そのように必死で自我を立ち上げてゆく子どもの目の前に一枚岩で冷徹にそびえ立つ必要もないのではないか・・・「こういうふうにするものなんだよ」ということは常に示しておきながら、そうできない時はこちらが折れる。そんなふうに柔軟に「一貫性を示す」、つまりポーズとしての一貫性というものは大事にしながらも、結果的には一貫性のないことに「こちらが耐える力」、というものが必要になってくるのかなぁと思いました。
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ケース4 こっぺさんのケース

2009-05-09 22:08:35 | 子育てのケーススタディ
ケース3には、たくさんの方々からの貴重なご意見ご感想を伺えて、本当に嬉しかったです。こちらのほうをまだまとめられていないのですが、こっぺさんより新しいケースを提供して頂きましたので、早速掲載いたします。ケースは、子どもちゃん(2歳)がぐずっている時に(自分の)苛立ちを辛抱できた場合と、辛抱はできたけれども疲れてしまった場合とに分けて挙げてくださいました。私はみなさまよりも一足先にケースを読ませて頂いているのですが、日頃のこっぺさんのご苦労が偲ばれ、そして自分の「ご苦労」を思い出し、「自分を含めた、お母さんたちみんな、ごくろうさま!」と心から思いました。母の日をむかえるにあたって、お母さんなみなさんにそんなメッセージを送れるようなケースの提供、こっぺさんありがとうございました!では、早速いってみましょう~。

1.私が辛抱できなかった場合
雨の日、お散歩に出かけるのに息子に長靴を履かせたら、暑いからサンダルが履きたいと泣き出す。息子は絶対水溜りで遊ぶだろうから靴は履かせたくない。少ししたら長靴に慣れて機嫌が直るだろうと思い、泣かせておく。車にのったらサンダルに履き替えよう、という。しかし息子は泣きやまず、5分ほど泣き続ける。散歩に行かないと出てきたドアを開けようとする。私も諦めて抱き上げ、車にのせてから長靴を脱がせてサンダルを履かせ、車ででかける。それでも息子は泣き止まず、次々に要求する。おやつが食べたいというのでおやつはないよ、と返事をする。運転しているからなにもできないよ、とも言う。お茶飲むと息子が言ったときにお茶を忘れたことに気が付き、泣き続ける息子に苛立って、もうお散歩やめて帰る!と怒鳴る。息子はさらに号泣。私もエスカレートし、おかあさんはもういやなの!お茶もないから帰る!を繰り返す。いやだ帰らないと言う息子と言い合う。無視せずいちいち応答。暴れるので車から家まで抱っこして(つかまえて)帰る。家でしばらく手を洗ったりお水を飲んだりしたら、息子が泣き止んで落ち着いた。そこで「仲直りしよう」と話しかけ、ぎゅっと抱きしめる。

考察:
玄関で泣いている時にさっさと靴に履き替えればよかった。次は汚れてもいい服に着替えさせ、着替えも持って出ることにする。実は後日、お散歩するときに私が長靴を手に持って、水溜りで遊ぼうとする息子にいちいち、水溜りで遊ぶなら長靴を履きなさいと目の前にさっと出したら遊ぶのをやめてしまった。私としては助かったけど、遊びたい気持ちを抑えるのもどうなんだろう?私は汚れるということに敏感になるらしく、飲み物をこぼしたり、泥で服を汚したりするとイライラしてしまう。なるべく気にしないようにしたい。先回りして汚れないようにと気を回すのをやめてみよう。

2 私が辛抱できた場合
午後にショッピングセンターで買い物をはじめたとたんベビーカーに乗った息子がぐずり始める。お昼寝がうまくいかなくて寝られないことが原因のよう。だっこしてを連発する息子を、だっこひもで抱っこして歩く。とても満足したようだったが、眠れないよう。重いのでそう長く続かず、10分
ほどして私が椅子に座ったら騒ぎ出した。おんり、というので降ろすと、ぱーっと10mくらい走ってその場で大泣きする。以前買い物途中の母親がちょっと目を離した隙に、子どもを抱き上げて誘拐しようとした男がいたという事件を聞いていたので、なるべく離れないようにするのだけど、息子は逃げてしまう。午前中、私は用事があったので2時間ほど夫に預けたところ、そのときお菓子をたくさんあげたようなので、お菓子ではつりたくないと思う。そこで、ディズニーストアに行こうと提案する。店に連れて行って、好きなおもちゃをしばらく見たら落ち着いたのでベビーカーに乗せると、しばらくしてまた嫌がって泣く。今度は私もお腹がすきはじめたので、パンやさんにいこうといい、甘くないパンを与える。外のテラスに連れ出して少し気分転換させ、お腹も満たされてだいぶ落ち着いた。その後少しだけ買い物することができたが、時々歩きたがってベビーカーの中でエビゾリになるので、降ろして中断して付き合う。ものすごい勢いで走り始めたのでベビーカーを放り出して捕まえたことも。そんな風にして普段の3倍の時間をかけて買い物終了。息子は満足したようだけれど、私は疲れました。他に息子を落ち着かせる方法がわかっていたら、こんなに時間をかけなくてもすんだのではないかと思いました。中断して帰ればよかったのですが、どうしてもその日のうちにしなければならない買い物でした。

考察:
時間はかかるけれど、また車に乗って一回りして寝かせればよかったかもしれない。そのときの私はだいぶ疲れていて、息子が泣き始めたら自分もうるうるしてしまったくらいだったので、それもよくなかったのかもしれない。後日同じように、買い物しようと車からベビーカーに乗せたら、息子は眠りかけていたのを起こされて泣いた。抱っこをしたがいやがった。今回はなるべく明るく、あらそうなのと軽い感じで流してみたら、機嫌を直してベビーカーに乗り、おもちゃ売り場を眺めて無事に買い物ができた。私がイライラすると息子にも伝わるようなので、気分をがらっと変えてみよう。ぐずり始めたら最初の対応が大事なのかもしれない。。私のそばから離れていってしまうのが困る。何か良い対策があれば教えてください。

<初々よりコメント>
場面1について:私もよく自分の「悲惨だった状況」を振り返って思うことは、「ここで自分がこんなことにこだわってしまったがために・・・(修羅場になってしまった)」と悔やまれるような「自分のこだわりポイント」が隠されていることってありますよね。このケースでこっぺさんが考察されておられたのは、「靴や服を汚されたくないという思い」ですが、それに関してはみなさんどのような(具体的、あるいは精神的)対処をされておられるでしょうか。うちはあまりよい服や靴を着せてないせいもあって(かつ、自分のうちも古くてある意味みすぼらしいので)汚されたくないというのはこだわりポイントではないので、みなさんのご意見をお待ちしたいなぁと思います。また、「服や靴を汚されたくない」以外にも「どうもこんなことにこだわってしまう(ゆえに先回りしてしまう)」というようなことがありましたら、ぜひ向学のために伺いたいです。(ちなみに私の場合はしつこく「睡眠」ですが、ここでは置いておきます)それから、一度要求が通らないと次から次へ要求が変わっていき、「つきあいきれない!」と気持ちがくじけて感情的になってしまうようなこと、私にも何度も経験があります。なんというか、「そうしたら子どもはますますぐずるだろう」と思われるようなこと、例えば「だめ」「ない」を繰り返し言ってしまう時があるんですよね。そんな時は、いつもいつもそう出来るわけではないんですが、要求を言葉通りに受け取らず、「この要求は、何か自分の思い通りに動いてほしいということの表れ、メッセージにすぎないんだ」と思い(思えないときは呟き、呟けないときは念じ)本人の思いのままに動いてみる、ということを実験的にしてみることもあります。そうすると「自分の思い通りになった」ことで、落ち着くときも(毎回ではありませんが)あるような気がします。それにしても、仲直りをしようとぎゅってできてすごいです。
場面2について:「あらそうなの」と軽い感じで受け答えすると機嫌を直した、というのと伺って、「2歳児だなぁ!」とすごーく思いました。我が子も「ちょっとでも力ずくとか、強制の気配を感じると、全力で抵抗する」ようなところがあるんです。おそらく、何かをしようとするときに子どもが嫌がるのは、「その『何か』」そのものではなくて、「無理に、それをさせられる」ということが嫌だ、というのがあるんでしょううね。自分の意思に反してそれをなされるということに、全力で抗う。小児科医の毛利子来先生はそれを「世の価値体系に挑んでいるかのようにも見える。そうしながら、子どもは、自我と世の中とにどう折り合いをつけるか苦闘しているのでしょう」と表現されていますが、まさにそんな感じがします。ですから何かをするとき、子どもがそれをとても嫌がるような場合には、「自分の言動に強制や力ずくの気配はあったか」を考えなくてはいけないなぁと気づきを得ました。それから「寝る」「食べる」が満ち足りていないと、機嫌はどうにもならん、というのがまだ2歳児のありようのようですね。そこをどう機嫌よう導いてやれるか、私の課題でもあります。ところでこっぺさんも書いておられましたが、親のもとをだーっと離れてしまうようなとき、みなさんはどうされていますか?私の場合は、子どもがあまり私のそばから離れるタイプではないので、みなさんに広くご意見を伺いたく思います。長くなってしまってすみません!!
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ケース3 だだこねの落としどころ

2009-05-03 10:41:57 | 子育てのケーススタディ
今回は、子どもの「だだこね」のどこに落としどころをつけるか、ということをテーマにしてみたいと思います。子どもも2歳前後になると、はっきりと「こうしたい」という要求を持ってそれを伝えることができるようになってきますが、「ダメなものはダメ」と言わなければならないこともあります。そのような時に子どもは頑張って自分の要求を通そうとしますし、それ自体は決して悪いことだとは思いません。しかしながら「ダメなものはダメ」ということは伝えないといけませんし、それに反発する子どもの「納得どころ」を見つけておさめてあげないといけないということが出てきます。それを「怒って突き放す」とか「無視する」というようなパターンだけで対応するのではなく、子どもの理解力に合わせながら「ダメなものはダメだけど、気持ちをおさめてあげる」方法を探りたい。そんな意図でケースをあげてみることにしました。ちなみに次回は「次々に繰り出される要求」について検討する予定でおりますが、ひとまずこちらを。

場面1:お友達とお別れするところ。まだ遊びたいのか、お友達の家にあがりたいと言って泣き始める。
「あっち~!!行くの~!」と大泣きして、自転車のかごから身を乗り出してしまい、自転車に乗せることができない。お友達とのお別れの仕方に問題があったのか?と思い、一度自転車から下ろし、「バンコちゃん、バイバイね~。また遊んでね~。」とお別れの挨拶をする。しかしそれでもおさまらず、「行く!!」と言ってきかない。お友達に家の中に入ってもらうが、それでも泣き続ける。仕方が無いので、抱っこをしながら自転車を押すが、片手で抱っこしていると限界がきて、また自転車に乗せようとするが乗らず。自転車に乗ってもらわないととても帰れるような距離ではないので途方に暮れるが、この時点で「腹をきめてつきあおう」と思う。自転車をとめて抱っこをしながら「よしよし」したり、説明するなどするが、全く泣き止む気配はない。15分ほどその場にとどまり、「これは説明しても無駄だ」ということを考え始める。そして「どこかで本人の納得する方法をとりたいが、食べ物でつる方法は嫌だ」と思う。おそらくここでお菓子などを出して、「これあげるから乗ろう」と言えば、自転車に乗る。しかしそのような解決方法は極力とりたくない。あれこれ考えて、「おやつの時間」を設定することにする。その場に座らせ、「今日はおやつの時間をしてなかったから、ここでおやつをしていこう。」と促すと、泣き止んでチーズを2つ食べる。ようやく落としどころが見つかった、とほっとするが、また自転車に乗せようとすると嫌がって泣きはじめる。またしばらくつき合うが、これはもう帰らないわけにはいかないと思い始め、結局「お菓子あげるから乗って」と促して自転車に乗せてしまう。お菓子を渡すとすぐにぴたりと泣き止んで、美味しいと言いながら食べる。私は「とりたくなかった方法をとってしまって」イライラする。

場面2:雑貨店へ入り、折り紙を手に取って「買っていく~!!」と大泣きしている。
「折り紙はおうちにいっぱいあるから、今日は買わないよ。」と諭すが、全く聞き入れずに「今から買っていく」と言ってきかない。しばらくやりとりしてから、本人の持っている折り紙を棚にもどす。やや強引に折り紙をとられてしまったので、本人は余計に怒って泣き叫ぶ。しかし落ち着いた同じ調子の声で、「今日は買わないよ。また今度ね。」と言い続け、買うべきものを持ってレジに向かう。半ば諦めたのか、お店を出る頃には不機嫌きわまりない表情なものの泣き止んでいる。自転車で買い物へ来ていたため、「また自転車に乗らないって言うだろうな・・・」と考え、本人の納得しどころを考える。そこで目の前にあったスーパーマーケットへ入り、「こ初々ちゃんのバターがもうなかったよね。バターを買って帰ろうか。」と言うと、少し機嫌がなおる。しかしいつも買うバターがなかったため、いつも買っているチーズを選ばせることにする。帰りは機嫌も直り、自転車にもすぐに乗った。

<考察>
場面1は近所での出来事ではなかったので、「どうにかして帰らないといけない」という思いがありました。時間も夕刻でどんどん暗くなっていき、「はらをきめてつきあおう」という思いが揺らいでしまったようです。結局「食べ物で納得させる」という、最も避けたかった方法をとってしまったため、私自身も納得ができずにイライラしてしまったのですが、自転車に乗りながらこんなことを考えました。今回のように一度自分の要求が通らずに「思い通りにいかない!!!」と泣き叫ぶようなときは、いかなる説得も無駄なことが多い。まだこの子どもの発達段階として、感情のコントロールも未熟なうえに、こちらの言っていることの全てが理解できるわけでもない。どうしてもしたかったこと、欲しいことが意のままにならず、「ぎゃーー!」となってしまって、自分でどう気持ちを落ち着けていいのかも分からない状態であると言え、そのような時にただあやしてやることも、説得することも有効であるとは思えない。本人の要求は通らなかったけれど、別の形で「思い通りになる」ということをさせてやらないとどうしようもないのではないか。(たぶんここで見解が分かれると思いますので、ご意見をお待ちしています)その「別の形」が食べ物であっても仕方が無いが(この年齢ではそれが「食べ物」であることが多いことを考えて)、解決の仕方として「もう、しょうがないなぁ。これあげるからおとなしくして。」というようにするのでは「ものでつって、なんとかする」ことになってしまう。そうではなく、「こ初々ちゃん、お友達のおうちへ行きたかったよね。残念だけど、今日は行けなかったね。悲しかったね。したいことができなくて、わーってなっちゃったんだね。だけどね、何でもダメというわけではないんだよ。こ初々ちゃん行きたいのを行かずに我慢できたし、こ初々ちゃんの好きなものをひとつだけあげよう。ひとつだけだよ。そしてそれをもらったらね、自転車に乗って帰ろう。ちゃんと自転車に乗るんだよ。お約束できる?お約束できなかったら、もらえない。お約束できるね。じゃあ、ここにお菓子があるけれど、どれがいいかな?」というふうにもっていくことが可能だったな、と思うのです。「ぎゃー」となって訳がわからなくなっているときに、「本人の気持ちを代弁する」こと、それを一緒に残念がること、そして「頑張っている」と誉めること、その上で、本人が納得できることをひとつ見つけて提示をしてみる。そんな手順を踏めたらよかったのではないかと思いました。「それでもものでつっていることに変わりがない」と思われる方もおられるでしょうし、ほかにどのような対応の仕方が考えられるか、ぜひご意見をお聞かせください。

場面2は、初めて「買って」とだだをこねた例です。実は場面1の翌日のこと。前日の教訓があったので、もう少し冷静に「落としどころ」を探れたかなぁと思っています。もちろん「結局別のものを買うことで誤摩化している」にすぎないと言ってしまえばそれまでなのですが、「本人が欲しいと言ったものが、必ずしも手に入るわけではない」ということは通せたと思います。きっともう少し成長すれば(感情のコントロール能力や理解力が増せば)、もっと違う形で納得させることができるのだと思うのですが(例えば帰ってきて折り紙を見せながら『まだこんなにたくさんあったねぇ。でもたくさん折って遊んだら、また新しいのが買えるね。折り紙で、たくさん遊ぼうか!」と言って遊ぶなど)、小さいヒトの場合は「その場でおさめてやる」ことが求められるかなぁと思うのです。(どうでしょうか?このあたりもご意見お待ちしています)

とにかくこの「おさめ方」は引き出しが多ければ多いほどいいと思うので、様々なアイディアや助言を頂ければ嬉しいです。
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ケース2のまとめ

2009-04-01 14:32:35 | 子育てのケーススタディ
「ケース2」をまとめずに放ったらかしですみません・・・まとめてこそ意味があるというのに、忙しさにかまけていました。さて「ケース2」では様々なアドバイスを頂きましたので、それを総括しておきますね。とはいえケースは常にオープンですので、またご意見やアドバイスがありましたら是非コメントとしてお寄せくださいませ。

<ケース2のまとめ>
2歳児ちゃんの身体的発達(胃が小さい)や情緒的発達(我慢ができない)を考えると、どうも「お腹がすいたら待てない」ことが多いようですね。何となく食事というと「食卓の準備がそろい、みんなでいただきまーす!」ということをしたくなりがちですが(私だけかも)、2歳児ちゃんとの暮らしではそれはなかなか難しいということが分かりました。もちろんそうされておられるお母さんもいらっしゃると思いますので、その場合は「うちはこんなふうにしてます」等のコメントを寄せて頂けたら嬉しいなと思います。
そんな「待てない」2歳児ちゃんに対して、夕食までの間どうされておられるのでしょうか。
1)おにぎりやうどんなど主食になるものを与える。(ご飯は冷蔵庫に、うどんは冷凍庫に常備しておく)夕食にはおかずをつまんでもらう。
2)ふりかけや納豆ご飯を食べてもらう。あれば、おかずを出す。
3)バナナやリンゴ等果物、シリアルクッキーなど栄養のあるものを渡す。
4)残りご飯で、小さな冷凍おにぎりを作っておいて渡す。(かやくご飯やまぜご飯の残りを使うともっとよい)
5)焼き海苔や花かつおを渡す。
上記のような対応を大別すると、A)主食となるものや栄養のあるものを与える、B)お腹にたまらないが栄養のあるものを与える、というような対応をとられておられるようです。子どものお腹のすき具合をみて、AでいくかBでいくか考えてみるのもいいですね。いずれにしても、「与えるものが何もない!」という状態は困りますから、普段から残りもの(ご飯やおかず)のやりくりを上手にすること、栄養のある安心おやつ(果物、海苔、かつお、こんぶなど)を用意しておくことが必須となりそうです。もしみなさんの中で、「おかずのやりくり」や「栄養のある安心おやつ」アイディアがありましたら、今後も募集いたしますので教えてくださいね~。
それから頂いたコメントで私自身が考えさせられたことを。食事作り中に「うえーん」とだだをこねられると、どうしても「あんたのために作ってるのに!」という気分が盛り上がって来ますが、「この『腹っぺらし』という危機を、一緒に協力して乗り越える」というスタンスって実は大切なのかもしれません。「あんたのためにご飯を作っている」のは事実ですが、しかし「作ってもらっているあんた」だって「腹っぺらしの状態を我慢して待っている」んですものね。「私はご飯を作るけど、あなたは協力して待っていてね!」という気持ちでいれば、それほどイライラした気持ちにならないですみそう・・・そう思えないときは、「よーし!お互いがんばろうね!」と声に出してみるだけで違うかもしれない、そんなことを考えましたがどうでしょうか。
さてこれからも続けていこうと思っていますが、「こんな時、どうしてる?」というようなことがあれば、ぜひコメントを残してくださいね。きっと私も同じような体験をしていると思いますので、自分の体験で似たような場面をケースとしてあげていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。
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