続きでーす。
2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その84
生温い風の中 電車がホームにやってきた
混んだ電車は 傘と汚れた湿気で
二倍混み合ってるように 感じる
それでもと さやかさんは思った
それでも 電車は来てくれた
<つづき>
電車は のろのろと動いてる
ぎゅう詰めの体勢で ただ耐える
すえた匂いと所構わない水滴が 気持ち悪い
だけど 誰かが電車を動かしている
あたしが帰ろうと思った 雷雨の中で
ここにいる皆が 人間らしく帰れるように
あたしは カエルじゃないな
ひりっと痛みを 心に感じながら思った
妖精でもない
雨をさけて やっと生きてる
ただの フツーの人間だ
カエル君 ごめん・・・
さやかさんは 人々の頭の間から
やっと見える 窓越しの街を眺めた
今あの庭で みんな働いてるのかな
ごめん あたし帰っちゃうよ・・・
雨は 家に着く頃には小降りになってた
靴やスカートは ぐしょぬれだった
バスタオルで 水気を拭きまくる
食べ残したお弁当を テーブルに出した
今度こそ 普通に食べられそうな気がした
バラと梅酒のビンを テーブルに乗せた
バラはやっぱり電灯の下 毒々しく
梅の実はビンの中 思わしげに揺れていた
喜ぶ物を一つでも渡せる 良かった
さやかさんはぱくり おかずを口にした
<つづく>

人気ブログランキング ← デザートも いかが?
2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その84
生温い風の中 電車がホームにやってきた
混んだ電車は 傘と汚れた湿気で
二倍混み合ってるように 感じる
それでもと さやかさんは思った
それでも 電車は来てくれた
<つづき>
電車は のろのろと動いてる
ぎゅう詰めの体勢で ただ耐える
すえた匂いと所構わない水滴が 気持ち悪い
だけど 誰かが電車を動かしている
あたしが帰ろうと思った 雷雨の中で
ここにいる皆が 人間らしく帰れるように
あたしは カエルじゃないな
ひりっと痛みを 心に感じながら思った
妖精でもない
雨をさけて やっと生きてる
ただの フツーの人間だ
カエル君 ごめん・・・
さやかさんは 人々の頭の間から
やっと見える 窓越しの街を眺めた
今あの庭で みんな働いてるのかな
ごめん あたし帰っちゃうよ・・・
雨は 家に着く頃には小降りになってた
靴やスカートは ぐしょぬれだった
バスタオルで 水気を拭きまくる
食べ残したお弁当を テーブルに出した
今度こそ 普通に食べられそうな気がした
バラと梅酒のビンを テーブルに乗せた
バラはやっぱり電灯の下 毒々しく
梅の実はビンの中 思わしげに揺れていた
喜ぶ物を一つでも渡せる 良かった
さやかさんはぱくり おかずを口にした
<つづく>

人気ブログランキング ← デザートも いかが?