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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「妖精の結婚式」 その70

2014-07-13 22:02:48 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その70

  バイオリンが 流麗な音で加わった
  深みのある音で 横笛がまた加わった
  木ノ皮はいつの間にか 大きな薄い太鼓を
  持ち出し 短い棒をミツバチのように動かして
  太鼓とカタツムリで 原始のリズムを添えていた

<つづき>

・・ジャジャン!!
演奏が 終わった
さやかさんは カエルたちを脅かさないよう
指の先だけで でも心からの称賛を込めて
力いっぱい 拍手した

虫喰ライが 力が抜けたように
へにゃりと 笑った
ふーん 一応ちゃんとできるんジャン
緑のカエルが つんと言った
本番で アタシたちの足引っ張んないでね

お言葉は尤もですが と傍らの楽器入れから
綿毛らしきものを 取り出していた
草群ラが 落ちつき払って言った
誰が失敗しても 残りの者で補えるよう
我々も努力しようではありませんか

緑のカエルは 恥ずかしげにうつむいた
もちろん と草群ラは虫喰ライを
横目で すっと見て言った
ぶすきは本来貴女の担当ですから こいつを
不甲斐なく思う気持ちは 良く分かりますが

ごめんね珠ちゃん と虫喰ライは言った
アカガエルだから 笛をやれって・・
僕もうヤだったんだ ずっと・・
虫喰ライは 息を吐いた
憧れてたんだ 君たちのぶすきに・・・

アタシは・・ と緑のカエルは応えた
笛はそんなに嫌いじゃないわ
昔見たおじさんたちの 凄かったもの
さあさあ雨ノ珠さん と雨呼ビがにこりと言った
良かったら彼を 鍛えてやっては?


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その69

2014-07-13 21:58:17 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その69

  まあまあ とまだ何か言いたげな
  緑のカエルに 石護リが割って入った
  じゃがのう虫喰ライ やっぱり
  元の楽器に 戻したが良くないか?
  また次という機会もあるじゃろ

<つづき>

でも と泣きそうな虫喰ライを尻目に
のどやかな 笛の音が流れた
草群ラが 大きな横笛を構えていた
草群ラはそのまま 虫喰ライの脚を蹴った
虫喰ライは ギターを構えた

ゆるやかな 哀愁を帯びた旋律が
ギターの音を包んで 伸びていった
草群ラは 羽毛でかたつむりを拭いていた
木ノ皮の目を 捕えた
木ノ皮は 羽毛を置いてうなずいた

タン・・コンと 穏やかな音が加わった
笛の音は テンポを上げ
五月の草原のような 旋律を歌い始めた
合いの手だけだった ギターは
笛を追いかけ追いたて 跳ねまわった

ジャンジャジャンジャン!
ギターが響いたのに かぶせるように
天地に伸びるような バクパイプの音が
横笛に代わって 旋律を引き受けた
石護リが どっしりと貫録の音を奏でてた

ギターと殻を叩く音は 続いてる
アコーディオンが 踊りましょうと
華やかな音色を引っ提げ 加わった
負けじと小笛が 軽やかな音を転がす
ギターは 小笛と小粋なリズムを踊った

バイオリンが 流麗な音で加わった
深みのある音で 横笛がまた加わった
木ノ皮はいつの間にか 大きな薄い太鼓を
持ち出し 短い棒をミツバチのように動かして
太鼓とカタツムリで 原始のリズムを添えていた


<つづく>



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変更:2018年8月13日
草群ラは 羽毛でかたつむりを拭いてた → ~拭いて
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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その68

2014-07-13 21:42:45 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その68

  すみませんねぇ と雨呼ビは
  バイオリンと 大きな薄い太鼓のような
  ものを持って乗り込み 小声で言った
  あいつ 自分が一から育てたもんで
  さやかさんはただ ため息をついた

<つづく>

幸い 適当に置いたビニール傘は
カエルたちを雨から よく守っていた
さやかさんは 更にちょこちょこ動かして
花の甘い香りの中 いすの一つに座った
うわぁ と虫喰ライが歓声を上げた

薄暗い中 草木は柔らかに光り
光を吸った七色の雨は 透明な
傘のドームを 優しく叩いていた
木ノ皮が 雨のリズムに合わせて
タン・・タタン・・とかたつむりを叩き始めた

虫喰ライが ジャン・・ジャン・・と
ギターの音を 合わせ始めた
すると突然 雨呼ビがバイオリンを構え
流れるような旋律を 奏で始めた
緑のカエルが 笛を構えた

バイオリンの音を 引継ぐように
小さな笛が軽やかに 音を紡いでいく
水速ヤが アコーディオンの
踊るような賑やかな音を 乗せた
ギターが 小さな笛を引継いで歌う・・

・・・音が 外れた
あーあという空気が 流れた
虫喰ライ! と緑のカエルが噛みついた
アンタ何度失敗すりゃ 気が済むのよ!
ごめん珠ちゃん と虫喰ライが謝った

まあまあ とまだ何か言いたげな
緑のカエルに 石護リが割って入った
じゃがのう虫喰ライ やっぱり
元の楽器に 戻したが良くないか?
また次という機会もあるじゃろ


<つづく>



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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その67

2014-07-13 21:36:16 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
あともう何時間かで、W杯の最後の試合が始まります。

祭りが終わるのは、いつだってさみしいですね。

当お茶菓子も、祭りをテーマとしてます、が、
(ホントは別のものがテーマだったはずなのですが)
終わる気配すら見えません。

いや、いつかは終わります。大丈夫です。・・・のはず、です。

さあ、今日も続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その67

  えーと? よく見えないけど・・
  これ 上に持っていけばいいの?
  さやかさんは 指を伸ばして
  その石のようなものを つまもうとした
  触るな! と木ノ皮が怒鳴った

<つづき>

木ノ皮が のしのしテーブルの下から
這い出て さやかさんをねめつけた
俺の可愛いヤツらに 勝手に触るな人間!
木ノ皮は ふんと息荒く暗がりに戻ると
一番大きな塊を よいせっと持ち上げた

よーしよし と木ノ皮は抱えた塊に言った
大人しくしてろよ? 怖くねぇからな?
よーしいい子だ・・・
さっきの剣幕が嘘のような 木ノ皮は
さやかさんの手に そっと塊を乗せた

よく見るとそれは かたつむりだった
かなり大きめな そのかたつむりは
手に乗ると身体を ぐっと伸ばした
さやかさんは そのぬめっとした感触に
悲鳴をあげないよう 必死にこらえた

何デモナイ ダイジョーブダイジョーブ
そう思う間に木ノ皮は 他の二匹も
手に乗せ 自分ももう片方の手に乗った
雨呼ビ サン と木ノ皮は呼びかけた
ばうろを 持って上がってくれませんか

ああ分かった そうするよ
と雨呼ビは 応えた
さやかさんは 息を吸い込み
カエルとかたつむりを 上に届けた
かたつむりを下ろすと ほっとした

すみませんねぇ と雨呼ビは
バイオリンと 大きな薄い太鼓のような
ものを持って乗り込み 小声で言った
あいつ 自分が一から育てたもんで
さやかさんはただ ため息をついた


<つづく>



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