波士敦謾録

岩倉使節団ヨリ百三十余年ヲ経テ

日本の宗教界の左傾化

2005-07-17 03:49:47 | 雑感
 数日前網誌「園丁日記」(http://fruitsofloquat.seesaa.net/)に書き込まれていた読者からの情報を読んでいると,一個人の限られた体験による感想ではなく,間違いなく多数から見て,日本の基督教界における左傾化は新・旧教徒系双方共に相当深化していることが分かった.数年前,VaticanⅡ(http://en.wikipedia.org/wiki/Vatican_II)以前の日本の天主公教会(Roman Catholic Church)を知る人と話した際,日本の天主公教会は女子修道会辺りまで既に沈没で,伝統に忠実のはずの天主公教会の聖職者ですら,このような体たらく状態だから,沈没を免れているのは東方教会くらいか,と自嘲的に述べられていた.よって,伝統による縛りが相対的に弱いはずの新教界では,音に聞く,朝鮮半島への土下座行脚も至極当然の成り行きと言える.勿論,聖職者の左傾化に対して疑問を持っている古参の会衆が存在することも確かで(例えば,天主公教横浜山手教会の野村勝美氏の網站参照:http://www17.ocn.ne.jp/~antijpj/index.html),歴史の長い教会では,戦後一時言われた丹頂鶴状態(頭[組合幹部]だけ赤い=戦闘的)が出来していのかもしれない.
 一方,日本の仏教界の動向に関する情報を網路上で調べたことがないので良くわからないが,昨日の本網誌の記入で触れた新田均氏の新刊書によると,戦前,大日本帝国と相即不離の関係にあった浄土真宗においてすら,戦後真宗左派(親鸞原理主義者と呼ばれているらしい)を中心に,「神道(特に靖国神社)を敵視して,その罪悪を喧伝し,その矯正者としての真宗を世間にアピールする」(247頁)という行動に出ているので,仏教界でも皇室との歴史的繋がりが弱い・無いところでは,左傾化が強く見られるに違いない.
 このような左傾化情報を読んでいて頭に浮かんだのは,もし,近年米国で信者獲得が著しい保守系の福音主義教会が日本で布教する場合,靖国神社参拝についてどのような公式見解をとるのだろうかと.福音主義教会で無くとも,保守的な耶蘇基督後期聖徒教会(Church of Jesus Christ of Latter-day Saints, a.k.a., Mormon)の日本支部はどのような靖国観をもっているのか,Googleしてみたが,全く此れらしい情報はなかった.日本の天主公教会は従来「神社非宗教」の解釈を維持してきたが,何かと白黒明確な線を引く傾向にある保守系福音主義者達は,「神社非宗教」説の歴史的経緯・意味合いを果たして理解・受容できるだろうか.

註:
 親鸞原理主義者の集まりとして有名なものが「宗教法人浄土真宗親鸞会」で,当該項目のWikipediaの状態が示唆するように (http://ja.wikipedia.org/wiki/浄土真宗親鸞会),文鮮明の統一教会を取り巻く状況と類似の様相を呈している.
 
浄土真宗親鸞会網站:
http://www.shinrankai.or.jp/
 
親鸞会批判網站:
家族の絆:御父兄に知って頂きたい『宗教法人浄土真宗親鸞会』
http://homepage2.nifty.com/nonsect/newpage1.htm
 
上記網站に対する反論網站:
浄土真宗親鸞会批判の真実 『家族の絆』の正体
http://www.nurs.or.jp/~unmask/

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