波士敦謾録

岩倉使節団ヨリ百三十余年ヲ経テ

波士敦. My name is 波士敦.

2005-04-29 02:33:27 | Weblog
 先の網路日誌の記入で触れたように,『守貞謾稿』の「守貞」は同著者名の「喜田川守貞」に由来する.よって,当網誌の標題は『波士敦謾録』だから同著者は「波士敦」と言いたいところだが,残念ながらそうではない.居住してもいない都市の名前に落ち着いた理由は数年前に遡る.当時ある網站に定期的に投書していたところ,波士敦近在ということで何時しか「波士敦」という源氏名が付着してしまった.あの頃と今を比較すると,昨年辺りからの日本での網路上日記から網誌へという潮流に乗って,網路上の情報流通も単方向的縦糸状態から双方向的横糸の追加で日々編み上げられていく正しく「網」状に変化しつつあるような印象を受ける.このような文明の利器が今から六十年前の世界に存在していれば,故江藤淳氏が指摘した「閉ざされた言語空間」が占領下の日本には存在せず,今のイラクでの情報流通状況の様に,全く異なる世界が開けていたのかもしれない.しかし,守るも攻めるもではないが,今の中共での状況を遥かに上回る,占領地域内網路の隔絶・検閲を占領軍が有無を言わせず周知徹底していたに違いない.勿論,空想は更に遡って,占領の原因である日米対決自体も網路上の相互情報流通で回避出来たかもしれない,というように敗者の夢想には限りがない.