ヒーリングノート[東洋医学 漢方薬 中医学 手技療法(接骨 整骨 整体 カイロプラクティックを除く) 鍼灸(針灸)]

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※症例は患者様の同医済み.

鍼灸救急

2013-12-08 06:47:32 | 内科(風邪.呼吸器.胃腸.消化器)
ちまたではボーナスアップとか増益とか景気のいいニュースが多いのに、忘年会の二次会へという勢いが減ってきたと感じます。
ほんとうに上向いているかどうかわからないところに、来年の消費税アップで景気が落ち込むということをあるアナリストが言ってました。
「政府と日銀は金融政策をする必要があるが金融政策は漢方薬.公共事業はカンフル剤と言われていて、その効果がでるのは遅く間に合わない」ということです。

漢方薬を含め東洋医学というのはやっぱりじんわり効いてくるというイメージなんですね。
一方カンフル剤とは普通の手段ではどうにもならなくなった物事を回復させる非常手段として比喩的に使われてますが、語源は「カンフル注射」からきていて、百科事典によれば、「“カンフル“とは(樟脳)の医薬品名で、クスノキに大量に含有される化合物の一種だそうです。これが強心作用を有するため、重症の心不全.心衰弱患者の治療に多用されていたようです。

鍼灸でも心臓病による意識障害や昏睡に対して気付け薬のように使われることがあります。
実際にはやったことはありませんが昭和前期まではそういう症例が鍼灸書に書かれてました。

東洋医学では「証」という診断をたて治療していくのですが、時間を荒そうような場合では瞬時に対応しなければならないので、気付けのツボと言われるところに鍼をしていたようです。
ほとんどが手足の指の爪の生え際の外に存在していて、特に心臓病では手の小指の外側(薬指側ではない方)の「少沢」という経穴がよく使われていたようです。
高齢者住宅には風呂や部屋のいたるところにナースコールのような非常インターフォンが設置してあるところもありますが、風呂で心不全で亡くなったという話を聞いたことがあります。
もともとが心筋梗塞を煩っていたようで、ちょっと手を伸ばせばとどくのでしょうが、そういう余裕がないのがこの病気の怖いところです。
そういう場面に出くわすことはめったにありませんし、最近はAED)ポータブルの電気ショック)が公共施設にも普及してますので、鍼灸師としては、気付けの鍼灸治療法を勉強する前に、まず心肺蘇生の手順とAEDの使い方をマスターすべきじゃないかと思います。

心肺蘇生において胸骨圧迫をしたりしますが、失敗しても重過失がなければ責任を問われることはないとされています
心室細動などの救急時に、胸骨圧迫などの適切な処置をせずに鍼灸をほどこしていたら責任は問われないとしても家族から恨まれるのではないかと思います。
AEDがないという状況では鍼での処置もいいとは思いますがもう一人に胸骨圧迫をしてもらいながらということが必須ですね。
ただAEDをしながらの鍼は感電してしまうので禁忌のはずです。

ある医療機関での話ですが入院患者さんが急にうぁ~っと意識がなくなりたので、病棟にすぐ連絡しました。
その間、ある医療従事者が心臓マッサージをずっと繰り返していました。
看護婦さんが来られたのですがあせった様子もなく平常心で手に持っている袋からガサゴソと氷のような四角いかたまりを一つ取り出しました。
譫言を言っている患者さんの口にそれを入れました。
するとしばらくして元気になりました。
ということで低血糖を起こしていたところに氷砂糖で復活したという話です。
心マを施していた医療従事者は恥ずかしい思いをしたでしょうがこういうことで萎縮しないでほしいものです。


忘年会の予定はいつも重なったりして何もない週末もあるのですが、今年はきれいにばらけて土日がきっちり埋まってしまいブログを書く時間が少なくなりました。
お酒の間に白湯を入れてゆっくり飲むという飲み方がありますが、飲む期会が多い年末はそういうやり方をしていかないと体がもちません。
最近は急性アルコール中毒で倒れている若者を見ることはめったにありませんが、この意識障害や昏睡に効く気付けのツボはないと思います。
「気付け」とは「気付け薬」のを略したものだそうで、気付け薬は俗にお酒のことなので、急性アルコール中毒に気付け薬を飲ましたらたいへんなことになりますね。
それとは違いますが二日酔いに向かい酒がいいと言いますがこれもどうなんかなと思います。

【治療法ノートより】

少衝
昏睡(意識障害)動悸

少沢
昏睡・意識障害には刺絡。(最近 お医者さんが「小指シップ」、「爪も見」でやっかいな病気を治療しているみたいです。これらも東洋醫學の考え方がベースにあるみたいです。急性・慢性にかかわらず効能効果の高い経穴のようです。)

中衝
熱病、舌がこわばる、昏睡

大敦
痙攣性疾患の救急治療

水溝
人事不省の回復、顔面神経麻痺

二日酔い(頭痛・吐き気)
三里・築賓、気分一新。

驚悸・動悸
巨闕・膈兪・気海・げき門。

卒倒・脳貧血
手足の三里、少沢に灸。

動悸・心悸亢進
げき門


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