どういう名前をつけてもいいと思うのですが、ちょっと前に「キラキラネームの子供はER受診が多い」という統計結果が示されてました。
このことについて、専門家の分析によると、一つには命名と地域社会が変化したことを指摘してました。昔のように地域社会が保たれていて、親戚から近所の人までゆるやかでも協力しあって子どもを育てる社会では、こうした協力者のことも考えて命名されたそうなんですが、周囲に子育て経験豊富な人材がいない成育環境では、そういう配慮をする必要性は薄まってきたと書いてありました。なので子供の急病に頼れる人が身近にいないという、状況では時間外診療になってしまうケースが多くなってしまうということがあげられます。
それもそうなんですが、昔と今では頼られても万が一他人の子供に何かあった場合、責任がかかることを避けるために、とりあえず急いで病院へ行くようにアドバイスするのではないかと思うんです。最悪の場合、一生恨まれることになりかねないと思う人は多いはずです。
あとキラキラネームが増えた背景には「世界に一つだけの花」のヒットでオンリーワンという言葉も影響しているということが書いてありました。
名前だけが個性的で、あっても子供社会において自分の子供が多数派とは違う行動をとると、不安になったり心配するという親は多い印象です。 結局、日本人は世間体とか体裁を気にして、目立たないように平均、中流を好む保守的民族というのは変わってないんですよね。
キラキラネームと言っても、他人が読みにくいだけで、身内はその名前で子供を日常的に呼んでいます。子供の発育に、名前の発音が関係しているということが書かれている著書があります。
その子を呼ぶときは、もちろん名前で呼ぶのですが、その発音が脳にも影響するということです。
ようするに、発育に関してはキラキラネームの難読さよりも、発音のほうが影響が大きいということです。
自分の子供の命名のときは、まず条件を考えました。
・単純で誰でも読める。
・家族内でイニシャルがだぶらない。
・字画がよい。
これで候補がだいぶん絞られ、最終的には字画をよくしたので、カタカナやひらがな混じりになってしまいましたが、いい字面の名前ができました。
「単純で誰でも読める」という条件は、昔、小児科の先生が、読みにくい名前は病気しやすい子供が多い気がするとおっしゃっていたのが記憶にあったからです。もちろん経験的な印象からなので根拠はないと思いますが、
実はキラキラネームのことが具体的にどういうものか知らずに、星子 輝美子 光太郎…という、輝くイメージの漢字を使った名前だろうと勝手に思っていました。
リクルーティングスタジオが発表した2015年の「ベスト・オブ・キラキラネーム」を見てみると、
1位は「皇帝」（しいざあ）、
2位は「一心」（ぴゅあ）、
3位は「大海」（おーしゃん）
年配の方の中にはこのキラキラネームを揶揄嘲弄する人がいますが、戦前の名前の付け方の中にはいかがなものかというものもあります。たくさん子供をつくれるようにと「富 豊」とかアメリカのある地域で生まれたから、その地名の一部をカタカナでつけられたりと、今だったら周りからそれこそ何か言われそうな付け方が普通にあったわけです。
ただ国際社会で活躍するときに外国人に名刺を見せるときにどうなんだろうと思います。
どうなんだろうと思います。
例えば田中一心さんとか山田大海さんは、ローマ字で「Pure tanka」「Ocean Yamada」となってしまいます。
【参考】
・「ER(エマージェンシー・ルーム)」とは救命救急室の略語
・「2013年12月1日から7日までの1週間、日本赤十字社和歌山医療センターのERを訪れた15歳以下の患者104人について、キラキラネームと定義した患者(※以下キラキラネーム児と表記する)と、そうでない患者について、診察に訪れた時間帯を比較したもの。
・『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』 黒川伊保子[著]
【蛇足】
名前というのは実に恐ろしいもので、結婚して姓が変わると性格も変わるということがあるのです。 実は母親と山の神は、同じ名前だったので結婚したら同姓同名になりました。全く違う性格だったのが年を追うごとに母親の性格に似始めたのです。自分はいつもただしい、絶対に自分は悪くない、身内より他人の言うことを信じる、こちらが謝るまで話しを終わらせない....。そういうことを考えると、今話題の夫婦別姓は、ある意味、家族関係を柔和にする安全装置となる場合もあります。
