父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年3月31日

2005-03-31 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
31日 (火) 晴れ 暑し

谷の中でなかなか涼しい。今朝は一寸冷えて風邪
でもひきはしないかと思ったが大丈夫だった。
朝食后、昨夜の命令を持ってR本部へ行く。二度
目なのでそんなには疲れなかった。約30分かゝる。
命令伝達の他、連絡事項なし。R本の位置
は山の頂上でなかなか涼しい。十一時頃気球
が始めて昇る。よく晴れた青空に一点の気球、敵も
驚いた事だらう。而し、敵は気球に対して一発も撃
って来ず、又飛行機もとんで来ない。
十一時半頃山を下りて司令部へ帰る。
午后1時頃、今度Ⅱに配属される8/22A長、田頭
中尉が司令部へ来る。入江部隊長に申告すべ
き所、攻撃準備で忙しいから早く陣地へ行け
との閣下の命によりすぐⅡΔへ行く。
16:00又情報会報があり指揮班長青木大尉
が来る。攻撃準備射撃について閣下から説明
がある。
夕方、今度来た情報聯隊竹村部隊の副官
望月中尉に会ひ、香港攻略の勢ですっかり
吹かれてしまった。相変らずガサガサしてゐる。
愈々明四月一日からそろそろ攻撃を開始になる。
今度こそはBataan半島も陥ちるだらう。
天長節にはマニラに入城したいものだ。

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