父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年3月20日

2005-03-20 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
20日 (金) 晴れ 暑し

毎日同じやうな日が続く。考えてみれば此
の陣地へ入ってかもう一ヶ月になる。先月の二十一日
に此処へ来たのだった。一ヶ月に余る休養生活、
もう倦きた。
午后観測所へ行ってゐた古江准尉が帰って
来る。
今日は射撃はない。敵砲弾も此の放列の前の方
には今日も随分落ちてゐるが此の陣地は敵に
すっかり遮蔽されてゐると見えて少しも危険でない。
いゝ陣地だ。
今夜のニュースではコレヒドル島の米亜細亜艦
隊司令官もコレヒドール島を脱出して豪州に行き
米国政府の指令を待ってゐると。陸海軍
共に司令官が時分の戦場を放棄して逃げて
行ってしまったのだ。愈々Bataan半島も
陥落近いか。マックアーサーの脱出について
我が比島派遣軍で談話を発表し、米軍
指揮官の無恥ブリを笑ひ、且、未だに抵抗
してゐる比島軍に対し早く降服するやう勧告
してゐる。
十一時頃寝る。

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