笑う居候犬・・・ぶらり日記

保護犬の預かり記録です    

ファインダーの向こう側

2009年03月14日 | クピィ(M・ピンシャー)

昨年の12月12日。クピィは茨城県動物指導センターに収容されました。
画像はその頃、迷子犬としてセンターのHPに公開されていた写真です。

会スタッフ様より「収容されているミニピンがいるけど・・・」と連絡を頂いた時には即受入れをOKしました。
茨城では収容されている犬猫に飼い主が迎えに来るケースはゼロに近いのです。
この写真の表情を見たときには涙があふれそうになりました。

この写真を撮られる前までクピィは間違いなく誰かに飼われていたのです。3ヶ月前の事です。
前にもふれましたが、クピィは捨てられたのか、放れて来てしまったのかはわかりません。
収容期限が来ても飼い主は現れず、成犬譲渡の会で受け入れ候補となっていたクピィを職員がケージから出そうとすると唸り歯を剥き出し咬みつこうとしたそうです。

収容という異質の環境では普通の犬であれば縮まって固まってしまうのに、このように歯を剥くようでは今後新しい飼い主への譲渡は難しいのでは・・・・とセンターからの報告でクピィは処分対象となりました。
ヒドイ、、、と思われる方もいるかもしれませんが、クピィは偶然にもM・ピンシャーという犬種であっただけです。
クピィが収容された茨城で毎日のように処分されていく犬のほとんどがいわゆる雑種です。
でも扱いやすく、人懐っこく、おおらかな子が多く、その中にはこれから成長していく仔犬もたくさん含まれています。そんなよい子達でも殺処分されてしまうのです。
たくさん処分されていく中から『譲渡できる』という条件で助けられる数には限度があります。

会スタッフ様といろいろ悩みましたが、HPで公開された怯えた表情が私の瞼に焼きつき忘れる事ができず、クピィを保護していただきました。
今思えば、クピィが唸り咬み付こうとしたのも恐怖からきたものなのかもしれませんが、生死を分ける境目は本当に些細なものなのですね。
保護され家庭に入ってわかる事なので、これはセンター職員の判断が悪いわけではありません。

うちに来た頃は散歩中、通りすがりの人をジ~ッと見つめていたクピィ。
一緒に暮らしていた家族を探していたのかもしれません。

あれからクピィは少し変化がありました。
ビビリは相変わらずですが、人のひざを枕にうたた寝する事もあります。
ダッコをするだけで固まっていたクピィですので、すごい変化です。
殺処分という運命を辿ってしまった仲間の分までクピィには生涯幸せになってもらわねばなりません。

クピィ・・・もう安心できるよね。

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茨城県の処分頭数を減らす為に他のボタンティア団体と協力し、
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