映画を観たよ

ただ今、休止中。
その内戻ってくる予定です

歩いても 歩いても

2008-07-01 | ア行の映画
ゆっくり、ゆったり
過ぎて、ちょっと眠くなったりしたけど。

流れるような会話は、とても自然でおかしくて。
家族の会話ってこんな風なのよねって思ったり。
まだ暑さが残る夏、そんな一日の空気が感じられる映画でした。
どうでもいいことなんだけど、他人には話せないどうでもいいこと。
家のどこにいたって、どこかで誰かが話してて、それが聞こえてくる。
なんだかそうそうって思ってしまう小さなこと。
なんでもない日常なんだけど、でもそこにちょっとした家族の問題とか現実があるのです。
照れとちょっとした反抗が家族の中にはあって、気遣いと不安が他人にはあって、どちらもちょっとした緊張があって。
それがゆったり、おかしく伝わってきました。
そういえば、我が家はこんな風に家族で集まったことがないなぁ。
祖父母には10年以上会ってないし、いとこには会ったことすらないのです。
うちの両親が祖父母と話している姿は、電話以外では見たことがないし。
自分んちだったらどんな会話するんだろうって思っちゃいました。
自分が親になったとき、実家に帰ったとき、果たしてどんな風になっているか想像もつかない。
まず何年ぶりかに会うということすらも。
そこには家族の間でも辛辣な言葉がかわされ、親をどうするのかなんて現実的なこともあって。
家族でもそれぞれの人生を生きて、気持ちを持っているんですよね。
そこには夫婦だけが知ってる秘密、長女の本音、反抗しつつもどうしても似てしまう親子。
そしてきっと家族にだって理解できない、母の悲しみ。
いつも明るい母が、息子が助けた子をなぜ呼ぶのかってのが印象的でした。
私もかわいそうだって思ってしまったから。
とても静かだったけど、ものすごく説得力がある言葉でした。
そんな一方で、「死んだ人のことを考える暇があっていいよねー」なんて長女が言ったとき、やっぱりそれぞれが人生を歩んでいるんだなって実感したのでした。
あとは笑わず王子がこの日を通して「死」がどんなものかを知ったのも印象的。
なんでもない一日だったのに、そこにちょっとずつ何かを見つけて、ちょっと満たされた気分になったのでした。

樹木希林はとてもよかったな。
ぽそって言うこと言うことが的を得ていて、いろんなことがあったんだなって重みもありました。YOUとの会話のテンポがかなりよかったです。というかYOUの軽い感じもなかなか。
夏川さんの抑えたようで、でもしっかりとした母も。
なんだか女性がとても素敵な映画でもありました。
あと子どもたちが花に手を伸ばすシーンが、とってもキレイで印象的でした。

最新の画像もっと見る