王妃の紋章

煌びやか～！！
美術も衣装もエキストラの数も、とっても豪華です。

チャン・イーモウのカラフリーアクションは、もういいのではないかなんて思っていました。
しかし今作は凝りに凝った、カラフルというより画面を彩るのは金を基調とした超豪華なものになっていました。
ストーリーは一言で言えば「メンドクサイ」。
進むにつれてドロドロになっていくストーリー展開は、ある意味見応えがありますけどね（苦笑）
まとまっていますし、後半になるにつれて面白くなっていった気がします。
この映画には愛情も信頼も絆もありません。
家族という形をとりながら、その本心はまったく別のところにあり全員が「自分のこと」を考えています。
家族の一員がまた家族の破滅を呼び、最悪の方向へ向かっていき・・・。
そんなドロドロストーリーを、美しい美術で着飾った映画。
しかしその美術がどうも・・・私には綺麗に見えなかったです。
王宮の中は柱や天井、細部に至まで金とともに鮮やかなピンクや緑や青で彩られています。一見美しいのですが・・・私には色がケンカしちゃってるようにしか見えませんでした。
だから映画全体と王宮の中や衣装初め、美術全体が下品に見えてしまって。
上辺だけを徹底的に固めて、その上辺だけのの美しさを出したかったのかしら？
もしかしたら、これだけの豪華絢爛のなかで繰り広げられるドロドロストーリーが滲み出てしまって下品に見えてしまったのかしら？
それならばこの色の配色は、それは正解だったかもしれません。
全体の見ごたえはあるものの、アクションシーンはどこかで観たことあるぞ！？感でいっぱいでした。
しかし一向にキレイになることがなく、最後までドロドロに撤したラストは虚無が漂いとても好みでありました。

主演の二人、コン・リーとチョウ・ユンファはとてもよかったです。
コン・リーはもう顔からしてこの役にぴったりです（笑）
冷たく何事にも揺れない姿と、静かながらも内から滲み出る必死な姿が印象的でした。
そしてあの胸が欲しい（笑
チョウ・ユンファはパイレーツでのヒドイ扱いとは違い、温厚な外見ながらとても非情な王が似合っていました。
その存在感は見事なもの。
欲を言うならもう少し見せ場がほしかったです。でも剣はあまり似合わないなー。他にも若い子が出ていたのですが、かっこよくなかったので印象に残りませんでした。
あれだけ若い子がいて、年配のチョウ・ユンファが一番素敵でした。