イースタン・プロミス

うー。
ちょっと苦手と思いつつ、でもヴィゴがステキだって聞いたので、観てきました。

うん、やっぱり苦手だ。
面白くなかったわけじゃないし、全く退屈はしなかったんです。
全体を観ればある意味とてもストレートで、静かで男臭くて、でも痛々しくて。
ただ私はこの映画に何を見いだせばいいんだろーってなってしまいました。
平和な場所と、悪の場所の区別がすごくはっきりしていて。
平和な生活の近くには、裏社会がさも平和な顔をしながら存在していて。
その子の死を取り巻いていた環境や人々は、とても深くて暴力的で、同時にとても閉鎖的な世界だなって感じました。
家族であり、でも全然違うようなものにも観え。
そこに一人平然とたたずむニコライがちょっと異質に見えたりして。
この人悪い人には見えないし、かと言って簡単に信用できなさそう。
と、そんな私は彼の正体は明かされるまでわかりませんでした。
それでよかったーと、ちと安心したりもしたんです。
でもそこまで足を突っ込んでしまったニコライは、もう戻れないんじゃと心配になりました。
純粋にサスペンスかと思っていたら、ちょっと違う展開に面白さを感じたりもしました。
でも、全体が終わって考えてみると、この映画って本質的に何かが解決するわけじゃないんですよね。
最後は平和で終わってよかったんだけど何も解決はしていない。
一応あの場所にニコライという人がいたから、アンナだけでも平和な日常を取り戻せた。
でもなんかそれだけじゃ、しっくりこないのです。
だって、何も終わってないんですもの。変わるだろうなーっていう希望すらない。
結局は、それが答えなのかも知れませんが、なんだかそれじゃイヤなのでした。
きっとニコライとアンナはもう一生で会うことはないだろうし、あのマフィアたちは変わらなさそうだし。
そう考えちゃうと、暗い気持ちになってしまいました。

さて、ヴィゴさんですがこの人はすごい人です。
ピシッと決めたオールバックとスーツ姿、そしてすっとした立ち姿がとてもステキでした。
やたらにサングラスが決まっていました。
でも表情はどことなく優しいのよね。
ヴィゴさんが出てくるたびに、フツーに「かっこええなー」っと思っていたのでした。
噂の全裸でアクションは、そんなことを忘れてしまうくらいすごいなーって。
ってか、裸よりも危なっかしすぎて、大丈夫！？ってところに気がいってしまいました。
そしてヴィゴさんは意外になで肩でした。