ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

「死と理学療法」

2006年07月08日 | 生と死と
今日、とあるリハ学校で、
「死と理学療法」という題で講義をしてきた。

ここ数年、この学校の講義を頼まれていて、
全4回の中の一回が、このテーマだ。

しかし、この講義、やるほうも実は気が重い。

学生が引かないだろうか?
これをきっかけに、辞めてしまうのではないか?
そんな思いにかられてしまう。

しかし、厳然たる事実である。
理学療法を行ううえで、必ずと言っていいほどであう、患者さんの死。

地域理学療法というカテゴリーの中で伝えるのだが、
「地域」の話をするのに、「死」は避けられそうもない。
いや、避けるべきではないと思う。
従って、学生さん達よ、逃げずに正面から捕らえてほしい。

今年は時間が増えたことで、
午後にも授業を行った。

本を紹介し、そこから事例検討を行ったが、
はっきり言ってその本を学生さんが読んでいる間、
ディスカッションしている間、
ず~っとドキドキしていた。

「こんな授業でいいのだろうか?」
「学生さん達に受け入れてもらえるだろうか?」
「私の思いがちょっとでも伝わるだろうか?」
などなど、いろんな思いが交錯する。

「老化」は私が今一番目の前に対応している方たちがいらっしゃる。
その話をすればいい。

だが、「死」となると自分がそう多く経験していないだけに、言葉も慎重になる。
#過去に自分が死にかけた事はあったが(苦笑)

まぁ、過去に経験したことを含め、
学んだことを彼らにぶつけるしかないだろう。

受け止めて欲しい、そして、これから彼らが出会うであろう、
患者さん・利用者さんのためになればと、願う。

今日はホント、疲れたなあ・・・

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10 コメント

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Unknown (ぱんた)
2006-07-08 22:41:48
「死」を語るということ・・・

たしかに難しいですね.



人生を締めくくる大事なイベントとして,

私たちがいかにかかわるか・・・



「死」を語ることは,「生」を語ることと同じだな と最近よく感じます.
Unknown (おぬき)
2006-07-09 03:39:59
いやいや、

死にかけたことがある、というだけで随分説得力が違うのではないですか?

まあ、それを売りにはできないけどね。(^^;)



自分の祖父母の死を見たことがあるか?

なんてのから入るといいのかもね。

(でも、それこそこの世代の祖父母は長生きだから、まだ経験ないかな・・・)
Unknown (ぷろPT)
2006-07-09 07:45:22
確かに20歳そこそこの人は「死」といってもピント来ないかもしれません。40歳すぎてはじめて自分が死を意識することがあります。でも、理学療法士はその人の人生と付き合って行くと言うことを前提とすれば、人の行きつくさきは当然死ですよね。そこから出発して物事を考えると言うことで、Lifeさんの企画は素晴らしいと思います。人の人生を一連の流として見ていく、身体だけではない人を見ていくPTがたくさん出てくるといいですね。
ぱんたさん (life-reha-care)
2006-07-09 08:01:37
>「死」を語ることは,「生」を語ることと同じだな と最近よく感じます.



本当にそう思います。

人間の致死率100%なのですからね。

難しいのは、医療職は健康であり、

目の前の患者さんたちは、障害や生命の危機に

さらされている。



理解しておかねばならないことだと思います。

おぬきさん (life-reha-care)
2006-07-09 08:04:00
まぁ、私自身のことは語りませんでした。

いままでの体験談(このブログにも取り上げた)を

少しづつはなしてきました。



今回の講義では、冒頭に身近な人の死に出会ったことは?

と聞きました。約6割の学生が手を上げました。
ぷろPTさん (life-reha-care)
2006-07-09 08:05:35
そうなんですよね、20歳ではなかなか難しい。

世の中が「健康・成年・男子」、いわゆるフォーディズム

で動いている以上、死や老化、障害なんてのは

排除されかねません。



やっと最近、注目されてきたかな、と。
Unknown (MH)
2006-07-09 20:57:27
死も

一人称の死

二人称の死

三人称の死

とありますが、

どうしても三人称の死として捉えることが多いですが、



死生観として、もっと身近に死を考えていくことも大切ですね。



リハビリテーションやケアというのは、

より良い死のプロデュースなのかもしれませんので、
MHさん (life-reha-care)
2006-07-10 07:19:11
>リハビリテーションやケアというのは、

>より良い死のプロデュースなのかもしれませんので、



確かに、そういう面もありますよね。

だからこそ、命を救えないこともある、

むしろそっちのほうが多いことに気付いてほしいな、と。
いつかは伝わる… (認知症の介護者)
2006-07-25 01:21:57
大変な講義をされたのですね。

人に伝えること、とても難しい…さすがに死に掛けたことはありませんし(…笑)

介護の現場(当時特養)では、利用者を見送ることあり、最初は悲しさばかりでしたが、見送る時いつも、「わたしはこの方に何かしてあげられたんだろうか?」と考えていました。それからでしょうね、見送る時になるべく後悔しない介護を心がけるようになったのは…(時間とストレスとの戦いですが…)。

直面してからでないと感じにくいことを伝えることは難しい。けれど思うのです。その言葉が、ちゃんと彼らの心に響く日は来るはず、患者さんや利用者のためになる日は来るのだと。

学生さんの気持ちも考えつつ、大切なことを伝えてくださることに感謝です。



認知症の介護者さん (life-reha-care)
2006-07-25 07:26:38
コメントありがとうございます。

私も今は特養がフィールドです。

いろいろな別れがあります。ありました。

こういうケアでよかったのかな・・・?

という思いはそれぞれの利用者さんにあります。



そして、その思いを胸にしながら、働くしかないと思います。



少しでも学生さんに伝われば、と思います。

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