新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

戦争論が軸となる中井久夫『日本社会における外傷性ストレス――2005-2007』

2019年01月11日 | 新刊書
中井久夫集 9 『日本社会における外傷性ストレス――2005-2007』
中井 久夫 (著)


なぜか「日本社会における外傷性ストレス」がタイトルになっていますが
下の内容紹介に示されているように、
「圧巻の長編「戦争と平和についての観察」」がメインの本のようです。
エッセイはどれも面白そうです。
中井さんの本はこれまであまり親しんでいなかったのですが
著作集の刊行をきっかけにぜひ読んでみたいと思います。





単行本: 360ページ
出版社: みすず書房 (2019/1/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4622085798
ISBN-13: 978-4622085799
発売日: 2019/1/11
¥ 3,888



紹介
戦争と平和というが、両者は決して対称的概念ではない。前者は進行してゆく「過程」であり、平和はゆらぎを持つが「状態」である。一般に「過程」は理解しやすく、ヴィヴィッドな、あるいは論理的な語りになる。これに対して「状態」は多面的で、名づけがたく、語りにくく、つかみどころがない。…
そもそも私がこのような一文を草することは途方もない逸脱だとわれながら思う。しかし、一度は書かずにおれなかったとも思う。…私の主眼は「理解」にある。私は戦争という人類史以来の人災の一端でも何とか理解しようと努めたつもりである。
(「戦争と平和についての観察」2005)

圧巻の長編「戦争と平和についての観察」を筆頭に、「ポール・ヴァレリーと青年期危機」「樹をみつめて」「絵画療法と私の今」「老年期認知症への対応と生活支援」「トラウマについての断想」「東大分院神経科がある風景」「虹の色と精神疾患分類のこと」など長短29編を収録する。

目次
戦争と平和についての観察
日本社会における外傷性ストレス――こころのケアセンター開所式講演
仕掛けられた憎悪の火種
戦後社会変動と犯罪
日本人の“人間の条件”は
ポール・ヴァレリーと青年期危機
樹をみつめて
記憶、脳/精神、音楽療法
2005年9月11日以後
これらの切れ端を私は廃墟に対抗させた
最晩年の定家――老年は古人に再び出会う季節である
数学嫌いの起源
こころと体についての断想
絵画療法と私の今
老年期認知症への対応と生活支援
ウイルス持続感染が起こすいたずら
トラウマについての断想
小さな花束
最近の精神医学に思う
医療はこのまま進んでよいか
神田橋先生のいる風景
芸術療法事始めのころ
統合失調症の経過における治療者・患者間の最小限の情報交換
アメリカに疲れた12年
東大分院神経科がある風景
日本人の宗教
歴史にみる「戦後レジーム」
吉田城先生の『「失われた時を求めて」草稿研究』をめぐって――プルースト/テクスト生成研究/精神医学
虹の色と精神疾患分類のこと

解説9 最相葉月
掲載文・書誌一覧

著者プロフィール
中井久夫 (ナカイヒサオ) (著/文)
1934年奈良県生まれ。京都大学医学部卒業。神戸大学名誉教授。精神科医。文化功労者(2013年度)。

大いに興味をそそられる「ドイツの新右翼」

2019年01月11日 | 新刊書
ドイツの新右翼
フォルカー・ヴァイス (著), 長谷川 晴生 (翻訳)



移民問題をきっかけに台頭したドイツの新右翼。
日本とは違う思想的な背景があって、侮れません。
とくにシュミットの「大圏域」の地政学との関連は気になるところです。
大いに興味をそそられる本です。
現代の問題を考えるためにも貴重な一冊。


単行本: 468ページ
出版社: 新泉社 (2019/1/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4787718274
ISBN-13: 978-4787718273
発売日: 2019/1/11
¥ 3,024



まえがき
第1章 新右翼――その系譜の探索
第2章 アルミン・モーラー――つくられた伝説
第3章 AfDへの道――諸勢力の結集
第4章 右からの挑発――スペクタクルの政治
第5章 保守‐破壊的行動――街頭の精神から
第6章 没落と救済――「秘められたるドイツ」の決起
第7章 夕べの国――ある神話小史
第8章 敵の空間と形態――イスラーム、アメリカ、普遍主義
第9章 新右翼の「核心」――権威主義的ポピュリズム

引用文献

解説 もう一つのドイツ――保守革命から新右翼へ 長谷川晴生
資料

内容紹介
AfD(ドイツのための選択肢)、Pegida、アイデンティティ運動、といったドイツの極右勢力は、日本では、「反移民、反難民、反権威主義などを掲げて湧いて出てきた右翼ポピュリズム」と単純に理解されがちである。しかし、実際には、戦後のドイツ連邦共和国(リベラリズムの優等生)を生き延びてきた思想的遺産の継承者であり、その歴史は戦間期(ヴァイマール共和国時代)にまで遡る。
彼ら右翼は、1968年に先進国で同時多発的に起きた社会運動の手法を手本にして、社会的な立場を確立した。そして、2010年代の難民問題を飛躍のチャンスに変え、一挙に「新右翼」として世に出てきたのである。 また、日本人にはほとんどなじみのない、ドイツ戦間期の「非ナチス」的右翼を源流とした「保守革命」(A・モーラー)について、19世紀からのドイツ極右の歴史を専門とする著者・ヴァイス氏は詳細に解説し、ドイツ右翼の思想的柱である「保守革命」の欺瞞を一つひとつ暴いていく。
本書は、そんなドイツ「新右翼」の系譜を、時事的、思想史的な視点から掘り下げた一冊である。とくに、ドイツの右翼が思想的なよりどころとする、シュペングラーの「夕べの国(西洋)」の概念史、シュミットの「大圏域」の地政学と新ユーラシア主義への言及は、ほかに類書を見ることはなく、ドイツ新右翼のすべてを解説した決定版といえる。


著者について
フォルカー・ヴァイス
1972年生まれ。19世紀から現在までのドイツの極右を専門とする歴史家、評論家。ハンブルク大学で歴史学の博士号を取得後、複数の大学での非常勤講師を経て、現在は新聞や雑誌での執筆活動を展開している。
単著に『近代的反近代――アルトゥール・メラー・ファン・デン・ブルックと保守主義の変容』(2012年、未邦訳)などがある。

長谷川晴生(はせがわ はるお)
1984年生まれ。エルンスト・ユンガーなどのドイツ文学、思想を専攻。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。東京理科大学および埼玉工業大学非常勤講師。
共著に『共感覚から見えるもの』(北村紗衣編、勉誠出版、2016年)、共訳にギュンター・フィガール『問いと答え――ハイデガーについて』(法政大学出版局、2017年)などがある。

ぜひチャレンジしたい「社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 」

2019年01月11日 | 新刊書
社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 (叢書・ウニベルシタス)
Bruno Latour (原著), ブリュノ ラトゥール (著), 伊藤 嘉高 (翻訳)



科学的な社会理論というユニークな分野を切り開いた
ブリュノ・ラトゥールの重厚な著作が刊行されました。
「パノプティコンからオリゴプティコンへ」というのがおもしろそう。
手ごわいと思いますが、それだけに取り組みがいのありそうな一冊。
わたしたちのチャレンジを待っています。
ぜひ。


単行本: 577ページ
出版社: 法政大学出版局 (2019/1/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4588010905
ISBN-13: 978-4588010903
発売日: 2019/1/11
¥ 5,832

目次
謝 辞
 序章──連関をたどる務めに立ち帰るには

第Ⅰ部 社会的世界をめぐる論争を展開させるには
 はじめに──論争を糧にすることを学ぶ
 第一の不確定性の発生源──グループではなく、グループ形成だけがある
 グループ形成が残す痕跡のリスト
 ノー・ワーク、ノー・グループ──働きかけがなければ、グループはない
 媒介子 対 中間項
第二の不確定性の発生源──行為はアクターを超えてなされる
 〈アクターが行為する〉ように他の多くのものがしている
 実地に根ざした形而上学を探究する
 エージェンシーをめぐる論争を地図に示すためのリスト
 誰かに何かをさせる方法
第三の不確定性の発生源──モノにもエージェンシーがある
 働いているアクターの種類を増やさなくてはならない
 モノを行為の進行に与するものにする
 モノはところどころでしか痕跡を残さない
 モノの活動が簡単に可視化される状況のリスト
 権力関係を忘却してきたのは誰なのか
第四の不確定性の発生源──〈厳然たる事実〉対〈議論を呼ぶ事実〉
 構築主義 対 社会構築主義
 科学社会学の幸いなる難破
 社会的説明は必要ない
 翻訳 対 移送
 経験には目に映る以上のものがある
 〈議論を呼ぶ事実〉を展開するのに資するリスト
第五の不確定性の発生源──失敗と隣り合わせの報告を書きとめる
 テクストを書くのであって、窓ガラスを通して見るのではない
 ついにネットワークが何であるのかを定義する
 基本に帰る──ノートのリスト
 批判ではなく、展開
アリ/ANTであることの難しさについて──対話形式の幕間劇
 導入──消極的な理論と積極的な理論
 ネットワークと、記述の重要性について
 解釈的なパースペクティブと客観主義的なパースペクティブについて
 相対主義、ANT、コンテクストについて
 文字による記述、作り話、論文について
 痕跡を残さないアクターと、研究から学ぶ必要のないアクターについて
 反省性と説明について
 構造主義とANTの果てしない隔たり
 科学、権威、意義について

第Ⅱ部 連関をたどり直せるようにする
はじめに──社会的なものをたどることは、なぜ難しいのか?
社会的なものをフラットな状態に保つ方法
第一の手立て──グローバルなものをローカル化する
 パノプティコンからオリゴプティコンへ
 パノラマ
第二の手立て──ローカルなものを分散させ直す
 分節化、ローカル化の装置
 対面的な相互作用という場の怪しさ
 プラグイン
 アクターから、分かちがたい結合へ
第三の手立て──複数の場を結びつける
 規格から収集型の言表へ
 ついに媒介子
 プラズマ──ミッシング・マス

結章 社会から集合体へ──社会的なものを組み直すことは可能か
 どのような政治認識論なのか?
 数あるなかの一学問分野
 政治の異なる定義


訳 註
訳者あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引

世界を象徴的に示す暦の物語「世界をよみとく「暦」の不思議 」

2019年01月10日 | 新刊書
世界をよみとく「暦」の不思議 (イースト新書Q)
中牧 弘允 (著)


暦というものは不思議なものです。
わずかな一冊にその世界のすべてが凝縮されています。
最近では暦に「大安」とか書かなくなりましたが
かつては暦をみてその日の行動方針を立てることもあったらしいです。
この本はこの不思議な暦というものから世界を逆照しようとするものです。
いろいろな逸話も面白そう。
冲方丁の『天地明察』は面白かったなあ。




新書: 190ページ
出版社: イースト・プレス (2019/1/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4781680542
ISBN-13: 978-4781680545
発売日: 2019/1/10
¥ 907

内容紹介
日本の失われた1カ月とは?! 西暦は実は二の次?! 世界から7年遅れてる国がある?!

宗教・アート・食文化・仕事……
カレンダーから見える意外な事実!

普段生活するなかで当たり前のように使っている暦。ですが、歴史を勉強してみたり、海外へ旅行してみると、はじめて知る暦の不思議がたくさん出てきます。暦にまつわる不思議を知れば、日本と世界の文化・暮らしの違いや共通点に気づき、異文化理解も深まります。世界中のカレンダーを収集し、そのカレンダーが使われる地域の社会・文化・暮らしを理解するための研究を長年行ってきた著者が、さまざまな角度から暦の話をわかりやすく語ります。

内容(「BOOK」データベースより)
普段生活するなかで当たり前のように使っている暦。ですが、歴史を勉強してみたり、海外へ旅行してみると、はじめて知る暦の不思議がたくさん出てきます。暦にまつわる不思議を知れば、日本と世界の文化・暮らしの違いや共通点に気づき、異文化理解も深まります。世界中のカレンダーを収集し、そのカレンダーが使われる地域の社会・文化・暮らしを理解するための研究を長年おこなってきた著者が、さまざまな角度から暦の話をわかりやすく語ります。

著者について
1947年、長野県生まれ。埼玉大学教養学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、吹田市立博物館館長。宗教人類学、経営人類学、ブラジル研究、カレンダー研究などに従事。日本カレンダー暦文化振興協会理事長、千里文化財団理事長。著書に『日本宗教と日系宗教の研究―日本、アメリカ、ブラジル』(刀水書房)、『会社のカミ・ホトケ』(講談社)、『カレンダーから世界を見る』(白水社)、『ひろちか先生に学ぶこよみの学校』『ひろちか先生に学ぶこよみの学校II』(つくばね舎)、『世界の暦文化事典』(編著、丸善)など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中牧/弘允
1947年、長野県生まれ。埼玉大学教養学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。文学博士。国立民族学博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、吹田市立博物館館長。宗教人類学、経営人類学、ブラジル研究、カレンダー研究などに従事。日本カレンダー暦文化振興協会理事長、千里文化財団理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


惹句を信じてみるか、それとも「大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか」

2019年01月10日 | 新刊書
大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか (NHK出版新書 572)
佐々木 閑 (著)


遠い昔に生きたブッダの教えは
大乗仏教となった時点ですでに変質していたと思われるが
それをどこまで現代的なものとすることができるか。
このチャレンジングな課題に取り組む本であるという。
「大乗仏教の本質へと迫りゆく、驚きの仏教概説書」という
惹句を信じて読んでみたいと思わせる一冊。


新書: 280ページ
出版社: NHK出版 (2019/1/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4140885726
ISBN-13: 978-4140885727
発売日: 2019/1/10
¥ 929


内容紹介
仏教学の第一人者が、「対話」から大乗仏教の本質に迫る!

「自己鍛錬」を目的にした釈迦の教えは、いつ、どこで、なぜ、どのようにして、「衆生救済」を目的とする大乗仏教に変わったか?
『別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教』を大幅改訂し、大乗仏教1500年の常識を覆す「大乗起信論問題」の顛末を新たに書き下ろした、究極の仏教概説書。

内容(「BOOK」データベースより)
般若経、法華経、華厳経、浄土教、密教…。「自己鍛錬」を目的にした釈迦の仏教は、いつ、どこで、なぜ、どのようにして、「衆生救済」を目的とする大乗仏教へと変わったか?そして、その教えはどこへ向かおうとしているのか?原始仏教の研究者と一人の青年との「対話」から大乗仏教の本質へと迫りゆく、驚きの仏教概説書。

AIの究極の難問に取り組む「ロボットに倫理を教える―モラル・マシーン― 」

2019年01月10日 | 新刊書
ロボットに倫理を教える―モラル・マシーン―
ウェンデル・ウォラック (著), コリン・アレン (著), 岡本 慎平 (翻訳), 久木田 水生 (翻訳)



ロボットに教えることが難しいことは何だろうか。
その答えとしてはおそらく、モラルと愛が双璧をなすだろう。
アシモフの三原則は、ロボットに求められる道徳性を、
「~するな」という否定的な文脈だけで提起したが、
ロボットにはたして「~せよ」という肯定的な文脈で道徳を教えることができるだろうか。
人造の機械にいかにして倫理的な判断を教えるかというのは
AIの究極の難問の一つだろう。
この難問に取り組もうとする本書はどこまで到達しただろうか。
ぜひ読んでみたい。



単行本: 388ページ
出版社: 名古屋大学出版会 (2019/1/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4815809275
ISBN-13: 978-4815809270
発売日: 2019/1/10
¥ 4,860

内容紹介
AIやロボットは、果たして道徳的になれるのか? 間近に迫る倫理的な機械の必要性を、哲学的背景も含めて明確に提示。実現に向けた種々の工学的アプローチを概観し、困難ではあるが避けがたい取り組みのこれからを展望する。エンジニアと哲学者を架橋する待望の書。

書籍の目次
序 章

第1章 なぜ機械道徳なのか?
    路面電車トロリーの運転手とロボットのエンジニア
    倫理的な殺人機械?
    差し迫った危険

第2章 道徳の工学エンジニアリング
    それはエンジニアの義務なのか?
    ムーアによる倫理的エージェントの分類

第3章 人類はコンピュータに道徳的意思決定をしてほしいのか?
    恐れと魅力
    意思決定の責任をコンピュータに丸投げする
    羊の皮を被る
    兵士、性玩具、奴隷
    テクノロジーのリスクを適切に評価できるのか?
    未 来

第4章 (ロ)ボットは本当に道徳的になりうるのか?
    配慮すべきテクノロジー
    人工知能 —— そのアイディアの核心
    (ロ)ボットは本当の道徳的行為者エージェントになりうるのか?
    決定論的システムの倫理学
    理解力と意識
    AMAには未だ何ができないか
    AMAを評価する

第5章 哲学者、エンジニア、AMAの設計
    2つのシナリオ
    共同作業を基礎づける
    誰の道徳? どんな道徳?
    トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチ

第6章 トップダウンの道徳
    道徳理論を働かせる
    全知のコンピュータは必要か?
    ロボットのための規則
    上位規則の計算
    トップからボトムへ

第7章 ボトムアップで発達的なアプローチ
    有機的な道徳
    人工生命と社会的価値観の創発
    学習機械
    モジュールを組み合わせる
    ボトムからトップへ

第8章 トップダウンとボトムアップを融合させる
    ハイブリッドな道徳的(ロ)ボット
    ヴァーチャルな徳
    徳に対するトップダウン・アプローチ
    コネクショニズムの徳
    ハイブリッドな徳倫理

第9章 ベーパーウェアを超えて?
    最初のステップ
    論理的には道徳的
    事例を明示化する
    事例から暗黙裡に学習する
    マルチボット
    不服従ロボット
    SophoLab
    ベーパーウェアを超えて?

第10章 理性を超えて
    なぜスポックよりもカーク船長なのか
    道徳的意思決定のための合理性以外の能力の重要性
    情動的知能
    認知説あるいは身体説にとっての計算上の課題
    感覚システムから情動へ
    アフェクティブ・コンピューティング(1)—— 情動を検知する
    アフェクティブ・コンピューティング(2)—— 情動をモデル化し使用する
    人間とロボットの相互作用 —— Cogとキスメットを超えて
    他者の心と共感
    心の理論と共感
    マルチエージェント環境
    ロボットはどのように身体化されなければならないのか?

第11章 もっと人間に似たAMA
    あるものみな集めたら何が手に入る?
    LIDAモデル
    人間の道徳的意思決定とLIDA
    ボトムアップの傾向・価値観・学習
    規則を含んだ道徳的熟慮
    計画立案と想像力の実装
    解決、評価、さらなる学習
    もっと先に進む

第12章 危険、権利、責任
    明日の見出し
    未来学
    責任、法的責任ライアビリティ、行為者性エージェンシー、権利、義務
    歓迎か、拒絶か、それとも規制か?

エピローグ (ロ)ボットの心と人間の倫理

 謝 辞
 訳者解説
 注
 参考文献
 索 引

著者について
ウェンデル・ウォラック(Wendell Wallach)
イェール大学生命倫理学学際センターの「テクノロジーと倫理」部会の部会長(2018年10月現在)。専門はテクノロジーの倫理。おもな業績に、先端テクノロジーに関する倫理問題を包括的に扱ったA Dangerous Master: How to Keep Technology from Slipping Beyond Our Control, Basic Books, 2015〔大槻敦子訳『人間VSテクノロジー:人は先端科学の暴走を止められるのか』原書房、2016年〕等がある。

コリン・アレン(Colin Allen)
ピッツバーグ大学科学史・科学哲学部の特別教授(2018年10月現在)。心の哲学や認知科学の哲学の業績で知られている。生物学者のマーク・ベコフ(Marc Bekoff)との共著書Species of Mind: the Philosophy and Biology of Cognitive Ethology, MIT Press, 1997 をはじめ、多数の編著がある。

再入門のために頼りになる「現代の初等幾何学 」

2019年01月09日 | 新刊書
現代の初等幾何学 (ちくま学芸文庫 セ 3-3)
赤 攝也 (著)


科学の入門書は初心者が入りやすいように配慮されていて、
本の作り方という点からも参考になるものです。
初等幾何学の再入門書は、みんなが心のうちで望んでいた本ではないでしょうか。
元版は日本評論社から1988年にでた同名の本です。
ちくま学芸文庫のこのシリーズは、基本をしっかりと教えてくれるので頼りになります。
お値段も手ごろだ。




文庫: 190ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480098976
ISBN-13: 978-4480098979
発売日: 2019/1/9
¥ 1,080


内容紹介
ユークリッドの平面幾何を公理的に再構成するには? 現代数学の考え方に触れつつ、幾何学が持つ面白さも体感できるよう初学者への配慮溢れる一冊。

著者について
1926年生まれ。1949年東京大学理学部数学科卒業。立教大学、東京教育大学、放送大学教授を歴任。著書に『集合論入門』(培風館)、『数学序説』(吉田洋一との共著、培風館)などがある。

読みがいのある一冊「生き残る判断生き残れない行動: 災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか」

2019年01月09日 | 新刊書
生き残る判断生き残れない行動: 災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか (ちくま文庫 り 8-1) アマンダ・リプリー (著), 岡 真知子 (翻訳)


光文社から2009年にでた同名の書物の文庫化。
サバイバルの本としてもノンフィクションの本としても読めるらしい。
わたしたちは誰もがいつどこでこうした災害にであうかもしれないのですから
こうした本で心の準備をしておくことは大切でしょう。
タイトルが長すぎるので少し内容がボケてみえるのですが
読みがいのある一冊では。


文庫: 402ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480435735
ISBN-13: 978-4480435736
発売日: 2019/1/9
¥ 1,080


内容紹介
テロ、自然災害、飛行機事故……。命が脅かされる状況で人間の体に起こる変化と“その時”への備えを、生存者の証言と科学者の研究から解き明かす。

著者について
ジャーナリスト兼ノンフィクション・ライター。コーネル大学卒。主に「タイム」誌や「アトランティック」誌に、公共政策と人間の行動のあいだに生じる差異について調査した記事を書いている。ほかの著書に『世界教育戦争』(北和丈訳/中央公論新社)がある。本書は15カ国で出版された。

楽しめそうな「偽善のトリセツ: 反倫理学講座」

2019年01月09日 | 新刊書
偽善のトリセツ: 反倫理学講座 (河出文庫 ま 19-1)
パオロ・マッツァリーノ (著)


面白そうなタイトルですね。
元版の2014年の「偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座 (14歳の世渡り術) 」の目次を下に示しましたが、
なかなか楽しめそうな軽めの本のようです。
偽善を名乗って善をなす人がいたら、その人は偽善者でしょうか、それともほんとうの善人なのでしょうか。



文庫: 201ページ
出版社: 河出書房新社 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309416608
ISBN-13: 978-4309416601
発売日: 2019/1/9
¥ 745


内容紹介
愛は地球を救わない? でも、「偽善」は誰かを救えるかもよ!? 倫理学と社会学から迫る、誰も知らない偽善の真実。
動機が純粋ならば、ひとを傷つけてもいいの? 不純な気持ちでひとに親切にしたら、いけないの? 倫理学と社会学から、誰も知らない偽善の真実に迫る。〔「偽善のすすめ」(2014年刊)の改題,一部加筆修正〕


著者について
イタリア生まれの戯作者。日本文化に造詣が深い。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが大学自体の存在が未確認。著書に『反社会学講座』(ちくま文庫)、『つっこみ力』(ちくま新書)など。


「偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座 (14歳の世渡り術) 」の目次


第1章 偽善って、なんだろう
◆スジを通す男
◆電車で席を譲るのは偽善?
◆偽善は本当にいけないの?
◆偽善者のフリをするのは、いいひとである
◆偽善者はだれだ
◆偽善はだれかを救う

第2章 偽善の実態を見てみよう
◆古い雑誌
◆むかしの高校生は偽善に悩んでいた
◆偽善者テスト
◆偽善と偽悪とヒポクリシー
◆寄付は偽善なのか
◆ディベートはつまらない
◆根拠のない話はするな
◆日本人は冷たい?
◆日本人はいくらぐらい寄付をしているのか
◆節税のために寄付をする偽善者伝説
◆寄付は匿名ですべきという常識のウソ
◆不正はつねにある。けど、ごく一部である
◆寄付を偽善と批判する人は、むかしからいた

第3章 偽善くん波瀾万丈 下積み艱難辛苦編
◆世界初の偽善批判
◆聖書のなかの“偽善"
◆偽善者が主役のフランス演劇
◆ドイツ哲学と偽善
◆日本初の“偽善"
◆なかなか広まらなかった“偽善"
◆辞書の“偽善"のルーツ
◆明治中期の国語辞典
◆明治後期の英和辞典
◆新聞記事に登場した偽善
◆小説のなかの偽善
◆新聞投書「浅草の一夜」
◆婚約者は偽善者

第4章 偽善くん波瀾万丈 成り上がり絶頂編
◆中野好夫の「悪人礼賛」
◆福田定良の「偽善者礼賛」
◆すべての人間は偽善者である
◆偽善の罠
◆偽善と化けの皮
◆偽善者でなければしあわせなのか?

第5章 偽善くん波瀾万丈 暗雲凋落編
◆まだまだ続くよ、偽善肯定論
◆丸山眞男とラ・ロシュフーコー
◆世間の主流は偽善否定
◆70年代は消極的な偽善肯定
◆偽善が大嫌いな雑誌
◆80年代・偽善氷河期の到来
◆談志と欽ちゃん
◆中身のない偽善
◆数少ない偽善肯定派
◆究極のアンチ偽善本

第6章 偽善くん波瀾万丈 不死鳥編----偽善者になろう
◆50・60年代に偽善肯定論が登場した理由
◆偽善再評価のきざし?
◆『偽善入門』への違和感
◆パオロ流偽善のすすめ
◆大切なのは、動機や気持ちでなく、結果なのだ

偽善年表

新年の読書にふさわしい「テアイテトス」の新訳

2019年01月08日 | 新刊書
テアイテトス (光文社古典新訳文庫 Bフ 2-5)
プラトン (著), 渡辺邦夫 (翻訳)


プラトンの難解な対話篇「テアイテトス」の新訳が
渡辺邦夫訳で、古典新訳文庫版として刊行されました。
知識論としても認識論としても読みごたえのある書物です。
読みやすい新訳に、豊富な注がついていることを期待しましょう。
新年の読書にふさわしい一冊だと思います。


文庫: 495ページ
出版社: 光文社 (2019/1/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4334753930
ISBN-13: 978-4334753931
発売日: 2019/1/8
¥ 1,210

歓迎すべき新たな試み「東大闘争総括: 戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践」

2019年01月08日 | 新刊書
東大闘争総括: 戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践
折原 浩 (著)


折原さんが東大闘争総括の最適任者であるかどうかは別として
回顧的にではなくてかつての東大闘争を振り返る書物は、少ないだけに
貴重な試みでしょう。
「綿密な資料調査と徹底した観察」に大いに期待したいものです。



単行本: 350ページ
出版社: 未來社 (2019/1/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4624400682
ISBN-13: 978-4624400682
発売日: 2019/1/8
¥ 3,024


世界的なヴェーバー学者でもある著者は一九六七年以降の東大闘争時代の造反教官としてもつとに著名であり、これまでもおりにふれて関連論著を発表されてきていますが、東大闘争の象徴的事件でもあった安田講堂攻防戦五〇周年を来年二〇一九年一月に迎えるにあたり、その後の社会のさまざまな問題がこの東大闘争で提起された諸問題が未解決のまま、あるいはいっそうの悪化をみる現状を憂慮されて、一気に書き下ろされた渾身の闘争総括書。ヴェーバー学者として東大闘争に立ち向かった著者が、大学内外のさまざまな矛盾や策動を綿密な資料調査と徹底した観察によって現場実践的に事実解明した驚くべき実態がついに明らかにされる。問題にかかわりのあるひとたちへの問題提起であるとともに鋭い挑発の書!

目次

[主要目次]
プロローグ
第I部 軍国少年・理科少年・野球少年から戦後思想の渦中へ(§1-5)
第II部 マックス・ヴェーバーとの出会い(§6-10)
第III部 思想形成途上の諸問題――実存主義とマルクス主義の対抗的相補性とヴェーバー
 1 木を見て森を見ない実存主義(§11-12)
 2 森を見て木を見ないマルクス主義(§13-16)
 3 マルクス主義との両義的対決(§17-20)
 4 木も森も見るヴェーバー――マルクス以後の実存思想家(§21-24)
第IV部 東大闘争前史
 1 一九六〇年「安保闘争」(§25-27)
 2 一九六二―六三年「大管法闘争」(§28-32)
 3 一九六四年「ヴェーバー生誕百年記念シンポジウム」(§33-41)
 4 一九六五―六七年「学問の季節」における日常の取り組み(§42-45)
第V部 東大闘争
 1 「紛争」への関与(§46-49)
 2 医学部紛争と医学部処分(§50-55)
 3 文学部紛争と文学部処分(§56-67)
 4 「紛争」関与から現場の闘いへ(§68-74)
 5 文処分撤回闘争の継続と帰結(§75-81)
第VI部 「現場の闘い」の持続に向けて
 1 「解放連続シンポジウム『闘争と学問』」から(§82-88)
 2 ヴェーバー「合理化」論再考(§89-92)
 3 大学論・学問論・社会運動論の再構築に寄せて(§93-105)
エピローグ――共に歴史を創ろう――戦後の一時期を生きて、生活史・学問・現場実践の関連を切開し、後続世代の批判的克服にそなえる

人名・事項索引

著者略歴

折原浩(おりはら・ひろし)
1935年 東京に生まれる。
1958年 東京大学文学部社会学科卒業。
1964年 東京大学文学部助手。
1965年 東京大学教養学部専任講師(社会学担当)。
1966年 東京大学教養学部助教授。
1986年 東京大学教養学部教授。
1996年 東京大学教養学部定年退職。東京大学名誉教授。名古屋大学文学部教授。
1999年 名古屋大学文学部定年退職。椙山女学園大学人間関係学部教授。
2002年 椙山女学園大学人間関係学部退職。
著書――『危機における人間と学問──マージナル・マンの理論とウェーバー像の変貌』(1969年、未來社)、『大学の頽廃の淵にて――東大闘争における一教師の歩み』(1969年、筑摩書房)、『東京大学――近代知性の病像』(1973年、三一書房)、『デュルケームとウェーバー――社会科学の方法』上下(1981年、三一書房)、『学園闘争以後十余年――一現場からの大学―知識人論』(1982年、三一書房)、『マックス・ウェーバー基礎研究序説』(1988年、未來社)、『ヴェーバー「経済と社会」の再構成――トルソの頭』(1996年、東京大学出版会)、『ヴェーバーとともに40年――社会科学の古典を学ぶ』(1996年、弘文堂)、『「経済と社会」再構成論の新展開──ヴェーバー研究の非神話化と「全集」版のゆくえ』(ヴォルフガング・シュルフターと共著、鈴木宗徳、山口宏訳、2000年、未來社)、『ヴェーバー学のすすめ』(2003年、未來社)、『学問の未来――ヴェーバー学における末人跳梁批判』(2005年、未來社)、『ヴェーバー学の未来――「倫理」論文の読解から歴史・社会科学の方法会得へ』(2005年、未來社)、『大衆化する大学院――一個別事例にみる研究指導と学位認定』(2006年、未來社)、『マックス・ヴェーバーにとって社会学とは何か――歴史研究への基礎的予備学』(2007年、勁草書房)、『比較歴史社会学へのいざない――マックス・ヴェーバーを知の交流点として』(小路田泰直編、小路田泰直、水林彪、雀部幸隆、松井克浩、小関素明らと共著、2009年、勁草書房)、『マックス・ヴェーバーとアジア――比較歴史社会学序説』(2010年、平凡社)、『東大闘争と原発事故――廃墟からの問い』(清水靖久、三宅弘、熊本一規と共著、2013年、緑風出版)、『日独ヴェーバー論争――「経済と社会」(旧稿)全篇の読解による比較歴史社会学の再構築に向けて』(2013年、未來社)。
訳書――ラインハルト・ベンディクス『マックス・ウェーバー──その学問の全体像』(1965年、中央公論社)、改訳再版『マックス・ウェーバー──その学問の包括的一肖像』上・下(1987/88年、三一書房)、マックス・ヴェーバー『社会科学と社会政策にかかわる認識の「客観性」』(冨永祐治・立野保男訳への補訳/解説、1996年、岩波書店)

新しい観点から読みたいマルクス論「(増補改訂版) マルクスの物象化論 -資本主義批判としての素材の思想」

2019年01月08日 | 新刊書
(増補改訂版) マルクスの物象化論 -資本主義批判としての素材の思想
佐々木 隆治 (著)


マルクスを物象化論から考えるというのはかなりクラシックなアプローチですが
「素材の思想家」という観点には関心をひかれます。
どのような見地から新しいマルクス像が描かれているのか
読んでみるのが楽しみです。




単行本: 456ページ
出版社: 社会評論社; 増補改訂版 (2019/1/8)
言語: 日本語
ISBN-10: 4784518606
ISBN-13: 978-4784518609
発売日: 2019/1/8
¥ 4,860


内容紹介
哲学批判と「実践的・批判的」構えとしてのカール・マルクスの「新しい唯物論」を解明し、「素材の思想家」としてのマルクス像を照らす。

第I部 「実践的・批判的」構えとしての「新しい唯物論」

第1章 マルクスの「唯物論」にかんする諸説
第2章 マルクスにおける「新しい唯物論」
第3章 哲学批判と「実践的・批判的」構えとしての「新しい唯物論」


第II部 物象化論の「実践的・批判的」意義

第4章 物象化論の理論構成
第5章 物象化と疎外
第6章 物象化と所有
第7章 価値の主体化としての資本と素材的世界
結 論 素材の思想家としてのマルクス

著者について
著書『マルクス 資本論』(角川選書)『カール・マルクス』(ちくま新書)など。

楽しめそうなちくま新書「ヨーロッパ近代史」

2019年01月07日 | 新刊書
ヨーロッパ近代史 (ちくま新書 1377)
君塚 直隆 (著)


本日発売のちくま新書の歴史ものの三冊目です。
新年は歴史書に読みふけることになるのでしょうか。
近代史500年の総括とは、大きな課題ですが
本書では「宗教と科学の相剋」という視点から
ヨーロッパが世界史において世界を圧倒した理由を探るというものです。
新書にしては厚い本ですし、これも楽しめそうです。




新書: 348ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480071881
ISBN-13: 978-4480071880
発売日: 2019/1/7
Kindle版 ¥ 918 新書 ¥ 1,080

内容紹介
なぜヨーロッパは世界を席巻することができたのか。「宗教と科学の相剋」という視点から、ルネサンスに始まり第一次世界大戦に終わる激動の五〇〇年を一望する。

著者について
1967年生まれ。立教大学文学部史学科卒業。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科史学専攻後期博士課程修了。博士(史学)。東京大学客員助教授、神奈川県立外語短期大学教授などを経て、関東学院大学国際文化学部教授。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。著書に『立憲君主制の現在』(新潮選書、サントリー学芸賞受賞)、『物語 イギリスの歴史(上・下)』『ヴィクトリア女王』(以上、中公新書)、『ジョージ五世』(日本経済新聞出版社)、『肖像画で読み解く イギリス王室の物語』(光文社知恵の森文庫)、『近代ヨーロッパ国際政治史』(有斐閣)など多数。

東京のゲニウス・ロキを探る「都市空間の明治維新: 江戸から東京への大転換」

2019年01月07日 | 新刊書
都市空間の明治維新: 江戸から東京への大転換 (ちくま新書 1379)
松山 恵 (著)


これは歴史書といっても、東京という都市が明治維新を通じて
どのように変貌していったかを探る書物のようです。
都市の考古学的な考察は、パリのような古い歴史のある都市だけではなく
ニューヨークのように比較的新しい都市でも、予想外の発見をもたらしてくれるものです。
それぞれの都市には地の霊ゲニウス・ロキが宿るとも言います。
江戸と東京にはどのようなゲニウス・ロキがいるのでしょうか。



新書: 286ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480071954
ISBN-13: 978-4480071958
発売日: 2019/1/7
Kindle版 ¥ 810 新書 ¥ 950

内容紹介
江戸が東京になったとき、どのような変化が起こったのか? 皇居改造、煉瓦街計画、武家地の転用など空間の変容を考察し、その町に暮らした人々の痕跡をたどる。

著者について
1975年生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程単位取得退学、ハーバード大学ライシャワー研究所客員研究員などをへて、現在明治大学文学部史学地理学科日本史学専攻准教授。著書に『江戸・東京の都市史』(東京大学出版会)、共著に『伝統都市1』『江戸の広場』(ともに東京大学出版会)、『明治神宮以前・以後』(鹿島出版会)、『みる・よむ・あるく東京の歴史3』(吉川弘文館)などがある。

興味をそそる中世の通史「中世史講義: 院政期から戦国時代まで 」

2019年01月07日 | 新刊書
中世史講義: 院政期から戦国時代まで (ちくま新書 1378)
高橋 典幸 (編集), 五味 文彦 (編集)


最近は歴史書が流行ですね。
カルチャーセンターでも歴史講座は目移りするほどたくさんあります。
わたしたちが自分の置かれた位置を考えるためには、歴史に立ち戻るのが
近道でもありますしね。
江戸時代ほど語られることがなかった中世の通史、ぜひ読んでみたいですね。



新書: 266ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/7)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480071997
ISBN-13: 978-4480071996
発売日: 2019/1/7
Kindle版 ¥ 810 新書 ¥ 929


内容紹介
日本史の先端研究者の知を結集。政治・経済・外交・社会・文化など十五の重要ポイントを押さえる形で中世史を俯瞰する。最新の論点が理解できる、待望の通史。

著者について
1970年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。博士(文学)。専門は日本中世史。著書『鎌倉幕府軍制と御家人制』(吉川弘文館)、『源頼朝』(山川出版社日本史リブレット)、『日本軍事史』(共著、吉川弘文館)など。