新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

ぜひチャレンジしたい「社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 」

2019年01月11日 | 新刊書
社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 (叢書・ウニベルシタス)
Bruno Latour (原著), ブリュノ ラトゥール (著), 伊藤 嘉高 (翻訳)



科学的な社会理論というユニークな分野を切り開いた
ブリュノ・ラトゥールの重厚な著作が刊行されました。
「パノプティコンからオリゴプティコンへ」というのがおもしろそう。
手ごわいと思いますが、それだけに取り組みがいのありそうな一冊。
わたしたちのチャレンジを待っています。
ぜひ。


単行本: 577ページ
出版社: 法政大学出版局 (2019/1/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4588010905
ISBN-13: 978-4588010903
発売日: 2019/1/11
¥ 5,832

目次
謝 辞
 序章──連関をたどる務めに立ち帰るには

第Ⅰ部 社会的世界をめぐる論争を展開させるには
 はじめに──論争を糧にすることを学ぶ
 第一の不確定性の発生源──グループではなく、グループ形成だけがある
 グループ形成が残す痕跡のリスト
 ノー・ワーク、ノー・グループ──働きかけがなければ、グループはない
 媒介子 対 中間項
第二の不確定性の発生源──行為はアクターを超えてなされる
 〈アクターが行為する〉ように他の多くのものがしている
 実地に根ざした形而上学を探究する
 エージェンシーをめぐる論争を地図に示すためのリスト
 誰かに何かをさせる方法
第三の不確定性の発生源──モノにもエージェンシーがある
 働いているアクターの種類を増やさなくてはならない
 モノを行為の進行に与するものにする
 モノはところどころでしか痕跡を残さない
 モノの活動が簡単に可視化される状況のリスト
 権力関係を忘却してきたのは誰なのか
第四の不確定性の発生源──〈厳然たる事実〉対〈議論を呼ぶ事実〉
 構築主義 対 社会構築主義
 科学社会学の幸いなる難破
 社会的説明は必要ない
 翻訳 対 移送
 経験には目に映る以上のものがある
 〈議論を呼ぶ事実〉を展開するのに資するリスト
第五の不確定性の発生源──失敗と隣り合わせの報告を書きとめる
 テクストを書くのであって、窓ガラスを通して見るのではない
 ついにネットワークが何であるのかを定義する
 基本に帰る──ノートのリスト
 批判ではなく、展開
アリ/ANTであることの難しさについて──対話形式の幕間劇
 導入──消極的な理論と積極的な理論
 ネットワークと、記述の重要性について
 解釈的なパースペクティブと客観主義的なパースペクティブについて
 相対主義、ANT、コンテクストについて
 文字による記述、作り話、論文について
 痕跡を残さないアクターと、研究から学ぶ必要のないアクターについて
 反省性と説明について
 構造主義とANTの果てしない隔たり
 科学、権威、意義について

第Ⅱ部 連関をたどり直せるようにする
はじめに──社会的なものをたどることは、なぜ難しいのか?
社会的なものをフラットな状態に保つ方法
第一の手立て──グローバルなものをローカル化する
 パノプティコンからオリゴプティコンへ
 パノラマ
第二の手立て──ローカルなものを分散させ直す
 分節化、ローカル化の装置
 対面的な相互作用という場の怪しさ
 プラグイン
 アクターから、分かちがたい結合へ
第三の手立て──複数の場を結びつける
 規格から収集型の言表へ
 ついに媒介子
 プラズマ──ミッシング・マス

結章 社会から集合体へ──社会的なものを組み直すことは可能か
 どのような政治認識論なのか?
 数あるなかの一学問分野
 政治の異なる定義


訳 註
訳者あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引


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