新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

再入門のために頼りになる「現代の初等幾何学 」

2019年01月09日 | 新刊書
現代の初等幾何学 (ちくま学芸文庫 セ 3-3)
赤 攝也 (著)


科学の入門書は初心者が入りやすいように配慮されていて、
本の作り方という点からも参考になるものです。
初等幾何学の再入門書は、みんなが心のうちで望んでいた本ではないでしょうか。
元版は日本評論社から1988年にでた同名の本です。
ちくま学芸文庫のこのシリーズは、基本をしっかりと教えてくれるので頼りになります。
お値段も手ごろだ。




文庫: 190ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480098976
ISBN-13: 978-4480098979
発売日: 2019/1/9
¥ 1,080


内容紹介
ユークリッドの平面幾何を公理的に再構成するには? 現代数学の考え方に触れつつ、幾何学が持つ面白さも体感できるよう初学者への配慮溢れる一冊。

著者について
1926年生まれ。1949年東京大学理学部数学科卒業。立教大学、東京教育大学、放送大学教授を歴任。著書に『集合論入門』(培風館)、『数学序説』(吉田洋一との共著、培風館)などがある。

読みがいのある一冊「生き残る判断生き残れない行動: 災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか」

2019年01月09日 | 新刊書
生き残る判断生き残れない行動: 災害・テロ・事故、極限状況下で心と体に何が起こるのか (ちくま文庫 り 8-1) アマンダ・リプリー (著), 岡 真知子 (翻訳)


光文社から2009年にでた同名の書物の文庫化。
サバイバルの本としてもノンフィクションの本としても読めるらしい。
わたしたちは誰もがいつどこでこうした災害にであうかもしれないのですから
こうした本で心の準備をしておくことは大切でしょう。
タイトルが長すぎるので少し内容がボケてみえるのですが
読みがいのある一冊では。


文庫: 402ページ
出版社: 筑摩書房 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4480435735
ISBN-13: 978-4480435736
発売日: 2019/1/9
¥ 1,080


内容紹介
テロ、自然災害、飛行機事故……。命が脅かされる状況で人間の体に起こる変化と“その時”への備えを、生存者の証言と科学者の研究から解き明かす。

著者について
ジャーナリスト兼ノンフィクション・ライター。コーネル大学卒。主に「タイム」誌や「アトランティック」誌に、公共政策と人間の行動のあいだに生じる差異について調査した記事を書いている。ほかの著書に『世界教育戦争』(北和丈訳/中央公論新社)がある。本書は15カ国で出版された。

楽しめそうな「偽善のトリセツ: 反倫理学講座」

2019年01月09日 | 新刊書
偽善のトリセツ: 反倫理学講座 (河出文庫 ま 19-1)
パオロ・マッツァリーノ (著)


面白そうなタイトルですね。
元版の2014年の「偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座 (14歳の世渡り術) 」の目次を下に示しましたが、
なかなか楽しめそうな軽めの本のようです。
偽善を名乗って善をなす人がいたら、その人は偽善者でしょうか、それともほんとうの善人なのでしょうか。



文庫: 201ページ
出版社: 河出書房新社 (2019/1/9)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309416608
ISBN-13: 978-4309416601
発売日: 2019/1/9
¥ 745


内容紹介
愛は地球を救わない? でも、「偽善」は誰かを救えるかもよ!? 倫理学と社会学から迫る、誰も知らない偽善の真実。
動機が純粋ならば、ひとを傷つけてもいいの? 不純な気持ちでひとに親切にしたら、いけないの? 倫理学と社会学から、誰も知らない偽善の真実に迫る。〔「偽善のすすめ」(2014年刊)の改題,一部加筆修正〕


著者について
イタリア生まれの戯作者。日本文化に造詣が深い。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが大学自体の存在が未確認。著書に『反社会学講座』(ちくま文庫)、『つっこみ力』(ちくま新書)など。


「偽善のすすめ: 10代からの倫理学講座 (14歳の世渡り術) 」の目次


第1章 偽善って、なんだろう
◆スジを通す男
◆電車で席を譲るのは偽善?
◆偽善は本当にいけないの?
◆偽善者のフリをするのは、いいひとである
◆偽善者はだれだ
◆偽善はだれかを救う

第2章 偽善の実態を見てみよう
◆古い雑誌
◆むかしの高校生は偽善に悩んでいた
◆偽善者テスト
◆偽善と偽悪とヒポクリシー
◆寄付は偽善なのか
◆ディベートはつまらない
◆根拠のない話はするな
◆日本人は冷たい?
◆日本人はいくらぐらい寄付をしているのか
◆節税のために寄付をする偽善者伝説
◆寄付は匿名ですべきという常識のウソ
◆不正はつねにある。けど、ごく一部である
◆寄付を偽善と批判する人は、むかしからいた

第3章 偽善くん波瀾万丈 下積み艱難辛苦編
◆世界初の偽善批判
◆聖書のなかの“偽善"
◆偽善者が主役のフランス演劇
◆ドイツ哲学と偽善
◆日本初の“偽善"
◆なかなか広まらなかった“偽善"
◆辞書の“偽善"のルーツ
◆明治中期の国語辞典
◆明治後期の英和辞典
◆新聞記事に登場した偽善
◆小説のなかの偽善
◆新聞投書「浅草の一夜」
◆婚約者は偽善者

第4章 偽善くん波瀾万丈 成り上がり絶頂編
◆中野好夫の「悪人礼賛」
◆福田定良の「偽善者礼賛」
◆すべての人間は偽善者である
◆偽善の罠
◆偽善と化けの皮
◆偽善者でなければしあわせなのか?

第5章 偽善くん波瀾万丈 暗雲凋落編
◆まだまだ続くよ、偽善肯定論
◆丸山眞男とラ・ロシュフーコー
◆世間の主流は偽善否定
◆70年代は消極的な偽善肯定
◆偽善が大嫌いな雑誌
◆80年代・偽善氷河期の到来
◆談志と欽ちゃん
◆中身のない偽善
◆数少ない偽善肯定派
◆究極のアンチ偽善本

第6章 偽善くん波瀾万丈 不死鳥編----偽善者になろう
◆50・60年代に偽善肯定論が登場した理由
◆偽善再評価のきざし?
◆『偽善入門』への違和感
◆パオロ流偽善のすすめ
◆大切なのは、動機や気持ちでなく、結果なのだ

偽善年表