新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

顔の科学から顔の哲学へ「第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?」

2019年01月17日 | 新刊書
第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか? 単行本 – 2019/1/17
アレクサンダー・トドロフ (著), 作田 由衣子 (監修), 中里 京子 (翻訳)


今日は科学もので面白いものが多いですね。
この本は心理学的なスタンスから顔がもつ力を考察するという興味深いものです。
第一印象は外れないものだといいます。
偏見には違いないのですが
わたしたちが偏見によって動かされる生き物であるかぎり
偏見は必ずしも謬見にはならないかもしれないのです。
そこでこうした考察は顔の科学から、やがては顔の哲学に近いところに赴くことになります。





単行本: 408ページ
出版社: みすず書房 (2019/1/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4622087626
ISBN-13: 978-4622087625
発売日: 2019/1/17
¥ 4,104



内容紹介
「すばらしい本だ。多数の驚くべき洞察と魅力的な図版が、
ある種、複雑で審美的な体験を与えてくれる」ダニエル・カーネマン(プリンストン大学名誉教授)。

選挙の結果は候補者の顔で予測できる。赤ちゃんはすでに《信頼できる顔》を知っている。
人は自分の民族に似た者を信用する。「信頼できる顔」と「威圧的な顔」の成分とは?
心理学の最先端を走る研究者が、脳科学、認知科学、コンピューターサイエンスを駆使して、
人間の避けがたい顔バイアスを分析した決定版。

プロローグ

第I部 観相学はなぜ人を惹きつけるのか
1 観相学者の約束
2 一目で抱く印象
3 結果を伴う印象

第II部 第一印象を理解する
4 心理学者の仕事
5 見えないものを可視化する
6 印象の機能
7 見る人次第

第III部 第一印象の(不)正確さ
8 誤解を招く画像
9 次善の判断
10 進化の物語
11 人生は顔に痕跡を残す

第IV部 顔の特別な地位
12 人は生まれつき顔に関心を払う
13 脳内の顔モジュール
14 錯覚に満ちた顔のシグナル

エピローグ 再び進化の物語について

謝辞

索引
原注および出典
図版クレジット

著者について
プリンストン大学心理学教授。プリンストン脳科学研究所、プリンストン大学ウッドロウ・ウィルソン・スクールにも所属。第一印象研究の第一人者。研究は『ニューヨーク・タイムズ』『ガーディアン』『デイリーテレグラフ』ほか多数で紹介されている。著書『第一印象の科学』(Princeton University Press, 2017, 中里京子訳、みすず書房、2018)。



カッシーラーの懐の深さを示す「現代物理学における決定論と非決定論 」

2019年01月17日 | 新刊書
現代物理学における決定論と非決定論 [改訳新版]――因果問題についての歴史的・体系的研究
エルンスト・カッシーラー (著), 山本 義隆 (翻訳)


1994年に学術書房からだされていたものを山本さんが訳しなおしたもののようです。
カッシーラーの懐の深さを示す科学史的な研究書で
山本さんが指摘しているように、「現代物理学の世界認識」に取り組んだ書物として
『実体概念と関数概念』の延長線上にある書物として興味深いものです。
「不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?」の問いともどこかで響きあいますね。



単行本: 394ページ
出版社: みすず書房; 改訳新版 (2019/1/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4622087367
ISBN-13: 978-4622087366
発売日: 2019/1/17
単行本 ¥ 6,480


内容紹介
「カントのとらわれていた、近代科学のカテゴリーのみで経験の対象が構成される
という理性主義的偏向と、その近代科学をもっぱらニュートン物理学のみに求めるという
時代的制約の、両面での限界を克服した立場から、あらためて現代物理学の世界認識
に取り組んだのが本書である。その意味においても、本書はカッシーラー哲学の全貌
を知るうえで不可欠であり、またその点に本書がカッシーラー哲学全体のなかで有する
重要性もある」(訳者・山本義隆)。

量子力学の本当の困難は、それが根底的な〈非決定論〉を導入したということ、
それが私たちに〈因果概念〉の放棄を要求しているということ、そのことにあるのでは
ない――この問題提起から始まり、ナチス・ドイツを逃れ亡命先のスウェーデンで
1936年に執筆された本書は、『実体概念と関数概念』に始まり『シンボル形式の哲学』
に結実し『国家の神話』に終わる、カッシーラーの生涯の哲学的問題意識のすべての
要素の結接点に位置するものである。

1994年に同訳者により学術書房から刊行された旧訳書を、原書初版に基づき本文・
解説とも大幅に書き改め、英訳版の序文も加えた、改訳新版。量子力学的世界の
哲学的基礎付けを試み、科学と哲学を架橋した画期的著作である。

思想的に深い意味を帯びた問い「不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか?」

2019年01月17日 | 新刊書
不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか? (ブルーバックス)
須藤 靖 (著)


哲学の世界には可能世界論というものがあって
複数の世界の可能性を考えるが
現代物理学的においても、複数の宇宙の可能性を考えている。
どちらもわたしたちの世界がこのようにしてあることの背後にある謎に取り組もうとする試みだ。
「わたし」がいまどうしてここに、この「わたし」として存在するのかというのは
わたしたち人間にとっての尽きない問いであり、物理学もまた
思想的な意味をおびたこの問いにつき動かされている。




新書: 240ページ
出版社: 講談社 (2019/1/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4065144655
ISBN-13: 978-4065144657
発売日: 2019/1/17
Kindle版 ¥ 1,080
新書 ¥ 1,080

この宇宙が「不自然なほど」よくできているのはなぜ?
その謎を解く鍵は「マルチバース(多数の宇宙)」だった!

 Q1 宇宙に果てはありますか
 Q2 宇宙には始まりがあったのですか
 Q3 宇宙はある場所が爆発して生まれたのですか
 Q4 宇宙人はいますか

これらの問いに宇宙論研究者が本気で答えます。


我々はどこまで世界を理解したのか?
現代物理学は、この宇宙が絶妙なバランスの上に成り立っていることを明らかにした。
なぜ、地球はこの場所にあるのか? なぜ、重力や電磁気力はこの強さなのか?
我々の宇宙は唯一の存在なのか、無数の宇宙の中の1つに過ぎないのか?
最新物理学の観測事実に基づいた「マルチバース」の理論と「人間原理」を徹底解説。


【目次】
第1章 この「宇宙」の外に別の「宇宙」はあるのか?
第2章 宇宙に果てはあるのか? 宇宙に始まりはあるのか?
第3章 我々の宇宙の外の世界
第4章 不自然な我々の宇宙と微調整
第5章 人間原理とマルチバース
終 章 マルチバースを考える意味