Lespedeza Museum of Photography レスペデーザ写真美術館

カメラマンな管理人のおたく趣味の雑記と二次創作&コスプレ写真のブログです。Lespedeza(萩)の花言葉は柔軟な精神。

二次創作:ガールズ&パンツァー「ポンコツなんて言わせない」Part.2

2012年11月26日 23時10分00秒 | 二次創作小説

二次創作:ガールズ&パンツァー「ポンコツなんて言わせない」Part.1

の続きです。

 


 

「今日は皆さんに特別訓練を行って貰います」

数日後の戦車道の授業の冒頭で教官の蝶野亜美が高らかに宣言する。それにざわめく大洗女子学園戦車道チームの面々

「特別訓練ですか?」

と西住みほ。

「その通り、今回は弾が撃てない状態で敵の攻撃から逃げる為の訓練を行います」

そう言って亜美が生徒会チームの面々を前に来るように促す。

「カバさんチームから一定時間逃げ切る事。これが訓練の内容です」

その言葉に皆からどよめきが起きる。

「あの教官、それでは訓練にならないのでは?」

アヒルさんチームのリーダー磯辺典子が口を開いた。

「磯辺さんなにかご不満?」

「あ、いえその・・・」

亜美に問いかけられ口ごもる。本人達を目の前に

「カメさんチームの射撃の腕が悪いので訓練にならない」

とは到底いえなかった。

「おほん」

そんな二人のやりとりを見計らって桃が咳払いをする。

「私たちカメさんチームは20発の演習弾を搭載してあなた達を追いかけます。私たちが全弾撃ち尽くすか60分逃げ延びれば勝ちです」

「そして買ったチームのメンバー全員に3週間分の学食の食券を支給します!」

この宣言に戦車道チームの面々から新たにどよめきが起きた。60分逃げ切れば(カメさんチームが弾を撃ち尽くせば)食券が貰えると聞いて俄然やる気を起こす面々。

そんなメンバーの様子を見てにやりとする亜美と彼女に向かって小さく親指を立てる桃。

ただ2人、西住みほと秋山優花里だけはこの状況に不安を隠せなかった。


「教官も変わった事を考えるんだなぁ」

III号突撃砲の車内でエルヴィンがぼやく。1時間逃げ切るかカメさんチームの弾薬が尽きた時点で勝ち、しかも食券3週間分を貰えるとなればこれほど旨い話もない。

「おりょう、気軽に行こう。逃げ回っていれば恐らく弾を撃ち尽くしてこちらの勝ちだ」

「了解」

カバさんチームのドライバーおりょうはエルヴィンに返事を返すと少し速力を上げた。

「だが、気になるな」

砲手の左衛門佐が不満を口にする。

「考え過ぎよ佐衛門佐。恐らく2回戦を前に景気づけなんでしょ」

と装填手のカエサルがつっこむ。

「そうそう、考えすぎ。考えす・・・」

エルヴィンのセリフを遮るように遠くから砲撃音が響いた。

38(t)戦車の主砲の発射音、誰もが見当違いのところに着弾すると思った次の瞬間、轟音と衝撃にIII号突撃砲が激しく揺さぶられた。

「きゃー!!」

思わぬ事態にカバさんチームの全員が悲鳴をあげる。

「カバさんチームに命中!リタイアよ!」

「なに!?」

無線の亜美の声に驚き状況を確認しようとハッチから顔を出すエルヴィンとカエサル。カバさんチームの車体には訓練弾の弾痕がしっかりとついていた。

「そ、そんなカメさんチームの砲撃が当たった・・・」

呆然となりへたり込むエルヴィン。訓練開始5分でカメさんチームのIII号突撃砲、リタイア。


『こちらカバさんチーム、カメさんチームの砲撃の直撃を受けリタイア!』

他の大洗女子学園の戦車道チームにIII号突撃砲からの悲痛な無線連絡が入る。楽勝で勝てると思っていたウサギさんチームとアヒルさんチームは戦々恐々とした状態に追い込まれた。

折角の食券3週間分を逃す事は是が非でも避けたかった上にカメさんチームの砲撃に当たるという不名誉を避けたかったのだ。

「ストップ!」

樹林帯に差し掛かったM3リー中戦車の車長澤梓が叫ぶ。カバさんチームが撃破されたと推測される地点にほど近い彼女らが次に狙われる可能性が高かった。

砲撃出来ない以上逃げ回るしかない。しかし開始5分でカバさんチームを仕留めたカメさんチームへの恐怖がウサギさんチームを支配していた。

「とりあえず周囲にはいないみたいね」

キューポラから顔を出し周囲を確認する梓。

「佳利奈さん、ゆっくり出発して、ここから少しでも遠くに離れましょ」

「はい」

梓の言葉に従いドライバーの阪口佳利奈がゆっくりとM3を出す。スピードがついてきてようやく樹林帯を離れられるかと思ったその時、別の無限軌道がきしむ音が周囲に響いた。

そして小さな樹木をかき分け姿を現した38(t)戦車。

「!!」

一年生チーム全員が声にならない悲鳴をあげる。エンジンを全開にしてその場を離脱しようとしたが慌てるあまりジグザグ走行で射線をずらす事をすっかり忘れてしまっていた。

逃げるM3リーの背後から容赦なく砲撃を浴びせる38(t)戦車。数発の至近弾の後、M3リーのエンジン部を演習弾が直撃した。

「こちらウサギさんチーム、やられましたぁ!」

残る2チームに無線報告をする梓。訓練開始18分でウサギさんチーム、リタイア。


「まったくどうなってるのよ」

八九式中戦車の中でアヒルさんチームのリーダー、磯辺典子が毒づく。楽勝だと思っていた訓練がすでに2チームもやられ、残るはアヒルさんチームとあんこうチームだけという状況では毒づきたくなるのも無理無かった。

冷静に考えればなんの手立てもなく砲撃の成績が一番悪いカメさんチームを敵役しての訓練もありえず、教官も生徒会チームも判った上でこの訓練を実施したと考えると見事に嵌められたという事実。

生徒会チームを見くびっていた自分達の奢りに典子は唇を噛んだ。

「先輩、どうしましょう?」

ドライバーの川西忍が狼狽えた声で尋ねる。

「いつかの如く逆リベロを徹底するしかないわ。身動きの取りやすい街道沿いに出ましょう」

とにかく逃げ回るしかない以上身動きしやすい場所に出る。そう判断して典子は八九式を街道に向かわせた。

街道沿いに出て前進を続ける八九式。砲塔を旋回して周囲を警戒していた典子の視界に38(t)が入った。

「来たわよ!」

典子の声と同時に38(t)が発砲。至近弾で車体が揺れた。続けざまの38(t)戦車の砲撃で左方向に進めず右手の森の中に入りその場を離脱する八九式。

「なんとか逃げ切れましたね」

砲手の佐々木あけびが安堵の声を出す。

「だといいんだけど」

逃げ切れた筈なのに不安が隠せない典子。

「先輩!」

通信士の近藤妙子が悲痛な声を挙げる。

「しまった!」

目の前の渓谷にあ然とする典子。地形を把握が十分でないまま逃げ続けた為に逃げた筈が逆に袋小路に追い込まれていたのだ。

「せんぱーい!」

追いつめられている事実に悲痛な声を出す忍。

転進しようと指示を出そうとした矢先、背後から38(t)戦車のエンジン音が響き渡った。

「万事休す、か」

がっくりとうなだれる典子。訓練開始38分、アヒルさんチーム八九式中戦車、リタイア。


「みぽりん、アヒルさんチームもやられたって」

無線からの他チームの報告を聞いた通信士武部沙織が声をあげる。訓練開始40分ちょっとであんこうチーム以外の車輌が撃破されたという事実はあんこうチームにとっても衝撃的だった。

心の片隅にカメさんチームへの奢りがあったことを反省する面々。その中で一人別の方向で心配になっている人物がいた。

カメさんチーム、厳密には河嶋桃に砲撃の助言を与えた秋山優花里。彼女は訓練前の桃との会話を思い出していた

 

 

「手を抜く?」

「秋山さんのお陰で射撃性能が大幅に向上したからな、その恩返しをしてやらないと」

「けど困ります!他のチームの皆さんのこともありますし」

「なに、心配しなくても上手くやるから安心しろ」

「でも・・・」

「じゃあな」

 

 

「・・・かりん、ゆかりん!」

「は、はい!」

沙織に声を掛けられ我に返る優花里。

「そうですわよ優花里さんさっきから心ここにあらずという感じですよ?」

と砲手の五十鈴華

「あ、いえ生徒会の皆さん凄く上達したなぁと驚いてしまいまして、はい」

と必死に誤魔化す優花里。

「そういえば」

と口を開いたのは滅多に喋らないドライバーの冷泉麻子だった。

「先日の休みに演習場で生徒会の河嶋さんと一緒にいませんでした?」

「え?れ、冷泉殿?な、なんのことですか?」

「学校に忘れ物して取りに来たらカメさんの38(t)が格納庫になくて演習場覗いたら二人でなにか楽しそうにしてたからそのまま声を掛けずに帰っちゃったけど」

「・・・」

麻子に自分が桃と一緒にいたところを見られていたと知りなにも言えなくなる優花里。

その様子に何かを察した西住みほ。

「秋山さん」

「は、はい!なんでしょう西住殿!!」

みほに呼ばれた優花里だったが自分が隠し事をしていることの後ろめたさからまともに彼女の目を見ることが出来なかった。

「今日の訓練、何かあると思ってたけど何か知っているんですか?」

「それは、その・・・」

「秋山さん、同じチームである以上隠し事はなしでお願いします!」

「はい、分かりました・・・」

そう言われてもはや隠し通すことは出来ないと優花里は生徒会の河嶋桃に砲撃に関するアドバイスを与えた事、今回の訓練で手抜きをする予定であることを洗いざらい喋った。

「というわけなんです」

「凄いよ、ゆかりん!的確なアドバイスでカメさんチームを強くするなんて!」

事の次第を聞いて感歎の声をあげる沙織。

「凄いですわ優花里さん」

と華。

「なんか、つまんない」

手抜きをされそうだったことを知りふてくされる麻子。

「秋山さんのやったこと、凄くいいことです。けど」

「けど?」

「手抜きなんて絶対にダメです」

そう優花里にいうみほの顔は真剣そのものだった。

「武部さん、河嶋さんにメールをお願いします」

「はい!」

演習場の一角で残るあんこうチームの居場所の見当をつけていたカメさんチーム。その桃の携帯にメールが入った。

「これは・・・」

メールで指定された周波数に無線を合わせる。

「こちらあんこうチーム西住です、河嶋さん聞こえますか?」

「こちらカメさんチーム、河嶋だ」

「この周波数なら他のチームの皆さんに聞かれる事がないので安心してお話出来ると思います。射撃精度の件とかこの訓練のお話とか秋山さんから全部聞きました」

「そうか」

「手抜きをなさろうとしたそうで」

「・・・」

「手抜きなんて絶対ダメです。戦車道はいつでも真剣勝負でお願いしたいんです。ウサギさんやカバさん、アヒルさんチームに申し訳が立ちません」

「そういうことか、なら本気でいかせて貰うぞ」

「よろしくお願いします!」

無線を切った後、桃の顔に笑みがこぼれた。

「桃ちゃん?」

ドライバーの生徒会副会長小山柚子がそんな桃を気に掛ける。

「戦車道ってこんなに面白いものだったのかな」

「え?」

「時間がない、柚子、出るぞ!」

「はい!」

気持ちのいい返事と共に38(t)戦車のエンジンがうなりをあげる。

「よし、レッツゴー」

そして相変わらずマイペースな生徒会長角谷杏だった。


「来ました!38(t)戦車、まっすぐこっちに向かってきます!」

優花里が叫ぶ。残り時間もわずか、あんこうチームとしては何処かに身を隠して時間までやり過ごすという方法もあったがお互い真剣にやり合うと決めた以上視認出来る距離で逃げ回るという方法をとることにした。

猛スピードで近づく38(t)戦車が発砲する。

「麻子さん、38(t)の射程は短いです。ギリギリでかわしつつ時間を稼いでください」

「了解」

そういいつつ進路を変更。IV号戦車の間近に着弾する。

「く、ちょこまかと。やはりそう簡単にはやらせてくれないか」

照準を合わせつつ桃が毒づく。

「柚子、IV号はすばしっこい。きっちりついていくのよ!」

「はい!」

逃げ回るIV号戦車とそれに食らいついて砲撃を加える38(t)戦車の追い駆けっこ。その様子を平地を見下ろす丘の上で他の大洗女子学園の面々と蝶野教官が観戦していた。

「凄いな、あんこうもカメさんも」

エルヴィンが溜息を漏らす。

「生徒会の人達がこんなに凄いなんて」

と磯辺典子。

「先輩達、凄いなぁ」

とは澤梓の言。

「あの子達、よくやるわ」

眼下で繰り広げられる追い駆けっこを亜美は誇らしげに眺めていた。

「残り時間あと1分!」

沙織が叫ぶ。

激しい挙動の連続で優花里と華は既にへとへとになっていた。

「麻子さん!後少しです!」

みほの励ましにうなずく麻子。

「くそう、すばしっこい!」

乱戦状態で上手く照準がつけれず焦る桃。次の弾を装填しようと手を伸ばして手が弾に届かない事に気付き振り向いた桃は絶句した。

20発あった訓練弾が残り1発になっていたのだ。残り時間もわずか。いずれにしても次の砲撃が最後のチャンスだった。

「!!」

声にならない雄叫びをあげて37mm砲弾を装填する桃。

照準を合わせる視線の先でIV号戦車が進路変更のためにスピードを落とすのが見えた。

「お前なんか!一発あれば十分だぁ!!」

その桃の叫びと共に38(t)戦車の主砲が火を噴いた。

甲高い金属音が演習場にこだまする。38(t)戦車の放った演習弾がIV号戦車を見事に捉えた瞬間だった。

「訓練終了!カメさんチームの勝利!」

高らかに亜美が訓練の終了を宣言した。


「みんな、相手の事前情報を過信して勝負に挑むかどれだけ危険か、今日の訓練で分かったでしょ?」

訓練の終わりに亜美が大洗女子学園の面々に教えを説く。

彼女の言うとおり大洗女子学園の戦車道チームの面々はそれまで一番射撃精度の悪かったカメさんチームを弱いと思いこみ、結果速攻で撃破されるという事態に陥っていた。

過信が如何に危険か、サンダース大学付属高校に勝った事で少なからず浮き足立っていた大洗の面々にこの日の訓練は良き教訓となった。

「常に相手の動向を把握し最善の選択をする、それが勝利への一歩なの。解った?」

「「「「「はい!」」」」」

「それでは、今日はここまで、解散!」

訓練が終わり格納庫に戻って後始末をする桃の元へみほがやってきた。

「あのう、河嶋さん」

「どうしたの、西住さん?」

「わたし、一度は戦車道から逃げ出したのに『戦車道はいつでも真剣勝負でお願いしたいんです』なんて生意気なことを言ってすいませんでした!」

そう言って深々と頭を下げるみほ。

「貴方は何も間違った事を言っていないのに頭を下げるなんて変よ」

とそんなみほをたしなめる桃。

「けど、わたし・・・」

「西住さん、私ね今日はじめて『戦車道は楽しい』って感じれたの」

「え?」

「今まで義務みたいに戦車道をこなしてたけど砲撃は上手く当てれない、皆の役に立てないと酷い自己嫌悪だったのよ」

「けど秋山さんの助けや貴方の言葉、それにあなた達と戦って『真剣勝負に取り組む楽しさ』みたいなのを初めて実感出来たの」

「河嶋さん・・・」

「今日はたまたま勝てたけど仮に負けてても惜しくなかったわ。真剣に戦えたんだもの。こんな気持ちを感じさせてくれた西住さんには私から感謝しないといけないぐらいだ」

「あ、ありがとうございます!」

「ほら、まだ後片付けが残ってるなら戻って済ませてきなさい!」

「はい!」

桃に一礼してみほはその場を後にした。

「桃ちゃん、なんか変わったね」

そんな二人のやりとりをみていた柚子がつぶやく。

「そんなことはないと思うがな。柚子、早く片づけるぞ!」

「了解です!」

こうしてこの日の大洗女子学園の戦車道チームの訓練は幕を閉じた。

 


 

あとがき:ガールズ&パンツァーの登場人物で一番の射撃の命中精度の悪さを誇る生徒会チームの河嶋桃。

「いくらなんでもおかしくないか?」

という疑問を突き詰めて考えたりTwitterでガルパンファンの方とリプライをやりとりする中で

河嶋桃の片メガネが射撃に悪影響を与えているのでは?

という推理から今回の小説のアイデアを考えた次第です。桃に活躍の場をという思いで書き上げました。

ガールズ&パンツァー本編は戦車道全国大会の第1回戦が終わり、第2回戦を前に新戦車の発見イベントがあるようなのでどんな戦車が出てくるか今から楽しみだったりします。

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二次創作:ガールズ&パンツァー「ポンコツなんて言わせない」Part.1

2012年11月25日 22時10分00秒 | 二次創作小説

ガールズ&パンツァー二次創作第2弾。今回の主役は生徒会チームの河嶋桃さんです。

 


 

夕暮れの大洗女子学園。

戦車道の自主練の終わった格納庫にあんこうチームの装填手秋山優花里の姿があった。

「参ったなぁIV号の中に携帯忘れるなんて」

一人ぼやく優花里だったがふと自分以外の人の気配に気付く。

「あれは…?」

優花里の視線の先に愛おしそうに38(t)戦車をなでる生徒会広報担当の河嶋桃の姿があった。

「河嶋殿」

「ひっ!?」

突然声を掛けられ驚く桃。そんな彼女に優花里も慌てた。

「す、すいません!」

「あ、あなた確かあんこうチームの秋山さん?」

「はい。携帯を戦車の中に忘れてしまってとりに戻ったんです」

「そうか、もう遅いから早く帰宅するように」

「了解であります!けど、こんな遅くに河嶋殿は何故ここに?」

「あ、ああ」

優花里の問いにぎこちなく答えると桃は再び38(t)戦車をなではじめた。

「こいつの事が気になってな」

「河嶋殿も自分の乗る戦車に愛着あるんですね」

「なんだかんだでな。だが…」

「?」

「私はこいつに乗る資格があるんだろうか?」

いつになく寂しそうな声で語る桃に優花里も驚きを隠せなかった。

「秋山さん、私の射撃の成績を憶えてる?」

「えーと確か…」

そこまで言いかけて優花里はハッとなって口をつぐんだ。

桃はカメさんチームの38(t)の実質的な車長兼装填手兼砲手なのだが射撃の腕はからっきしダメで過去の練習試合や戦車道全国大会の公式1回戦でもまともに当てた事がなかった。

「今更黙る事でもないだろ?射撃の腕の悪さは自分でも判ってる」

「は、はぁ」

自嘲気味に話す桃に申し訳なく相づちを返す優花里。

「だがな、大洗女子学園の為に戦車道をはじめたのにこの体たらくでは他の面々に流石に頭があがらん。こいつも私みたいなダメな砲手がついている為に活躍出来ないのでは本望ではなかろう」

38(t)戦車をなでながらそこまで言って桃が言葉を詰まらせる。

「…私は、生徒会の一人としてもっと皆の役に立ちたい。こいつを立派に働かせたいんだ」

そう言う桃の頬につたう涙を優花里は見逃さなかった。

「大丈夫ですか河嶋殿」

「!す、すまない全国大会2回戦を前に感傷的になってしまったな」

優花里に声を掛けられ我に返る桃。そんな桃の姿をみて優花里はある決意をした。

「あの、河嶋殿」

「なんだ?」

「よろしければわたしがお力になります」

「!」

思いがけない優花里からの提案。しかし3年生である自分が後輩に助けて貰っていいのか?そんな迷いが桃にはあった。

「わ、私は仮にも上級生だぞ。その私が後輩に助けを貰うなど…」

「助け合いの精神も立派な戦車道精神です。ここまで話を聞いてほっておく訳にはいかないじゃないですか」

「…あ、ありがとう!」

優花里の言葉に思わずうれし涙を流す桃だった。


「やはり、照準器に問題がありますね」

数日後の休日、大洗女子学園の演習場で奮闘する優花里と桃の姿があった。二人で桃の射撃の問題点を洗い出していたのだが、砲撃が左にずれるクセがあることが判ってきたのだ。

「ということは、整備班の整備不良?」

「いえ、そうではありません」

そう言って優花里が説明を始める。

「河嶋殿、照準をつける際にどちらの目で合わせてますか?」

「右だが?」

「私が照準を合わせた状態で河嶋殿が再度照準を合わせた際に動かしてるでしょ?恐らく片メガネと照準器の相性があっていないんです」

「なんということだ、そんな簡単なことに今まで気付いていなかったのか」

優花里の推測を聞かされがっくりと肩を落とす桃。

「推測が正しいかどうかは試してみれば判ります、やってみましょう」

38(t)戦車に乗り込む優花里と桃。優花里が装填手で桃が砲手役。

「河嶋殿左目で照準を合わせてみてください」

「判った」

優花里に促されちょっとしんどい姿勢だが左目で照準を合わせる桃。

「それじゃいきますよ、それ!」

38(t)の37mm弾を主砲に装填する優花里。

「装填完了!」

「発射!」

かけ声と共に37mm砲が火を噴く。そして放たれた砲弾は数百メートル先の標的に見事命中。

「や、やった。やったぞ!」

歓喜のあまり涙声になる桃。

「やりましたね、河嶋殿!」

優花里もアドバイスが功を奏した事に大喜び。

そんな時優花里の携帯が鳴った。

「はい、秋山ですが。あ、ピザパットンさん?はい学園裏の演習場にいるので来て貰えますか?はい、よろしくお願いします」

「ピザを頼んだのか?」

「はい、そろそろお昼時ですし、お腹も空く頃を見計らって頼んでおきました」

「そうか、そんな時間か。そろそろ一休みするか」

「はい!」


「どうです、河嶋殿。ピザパットンのピザなかなかいけるでしょ?」

「ああ、上手いな」

日曜の昼下がり、38(t)戦車の上で女子高生が宅配ピザをほおばっている。二人とも非常に晴々とした気持ちでお昼を楽しんでいた。

「だが、毎度不自然な姿勢で照準を合わせないといけないのはなんとかしないならんな」

「その点はご安心下さい」

「?」

「照準器の覗き口は左右の変更が出来るのでそうすれば普段通りに照準を合わせられます」

「そうか、それを聞いて安心した」

そう言って桃は持っていたピザの欠片を口に放り込む。そして次のピザを取ろうとしてふと手を止めた。

「河嶋殿?」

「んふふ」

突然の桃の含み笑いにびびる優花里。

「すまない、次のアンツィオ戦の事を思い出してな。2回戦の前にちょっとした面白い催しをやってみたくなった」

「え?」

「なに、他の面々を驚かせてやろうと思ってな」

そう言いながら楽しげにピザをほおばる桃だった。

 


 

二次創作:ガールズ&パンツァー「ポンコツなんて言わせない」Part.2

に続きます。

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二次創作:ガールズ&パンツァー「その名は“蛍”」

2012年11月19日 22時50分00秒 | 二次創作小説

何年ぶりかの二次創作小説、ガールズ&パンツァー6話以降の妄想ネタになります。

 


 

「困りましたね」

「そうですね」

「…」

「みぽりん、どうしよ?」

「うーん…」

西住みほ達大洗女子学園あんこうチームの面々が頭を抱えている。

戦車道全国大会一回戦にてサンダース大学付属高校に辛勝したものの、大きな問題が起きたのだ。

アヒルさんチームことバレー部チームの八九式中戦車がM4シャーマンとの戦闘で大破、バレー部全員軽傷で済んだものの八九式の修理が次の試合までに間に合いそうにないと判明。

『次の試合をどう戦うか?』

トレーラーに載せられ修理工場に運ばれる直前の八九式を前に思案に暮れていたのだ。

とそこへ

「西住、みほさんね?」

と尋ねる声が。

あんこうチームの面々が声の方に目をやると神妙な面持ちのサンダース大学付属高校チームの隊長ケイとNo.3アリサの姿がそこにあった。

「ケイさん、それにアリサさん、御用ですか?」

「通信傍受の件、ごめんなさい!」

みほに声を掛けられ、深々と頭を下げるアリサ。

「私からも謝るわ、本当にごめんなさい」

そう言ってケイも深々と頭を下げる。

突然の事に驚く大洗女子学園の面々。

「そ、そんな!私たちだって携帯で連絡とったり秋山さんの潜入活動もあったし、私たちそこまで謝られる義理はないですよ。だから顔を上げて下さい」

とみほが答える。

「そうですよ、戦車道のルールブックには傍受機を打ち上げてはいけないと書いてないんですから」

と五十鈴華がフォローする。

「違うんです」

顔を上げたアリサがそっと口を開く。

「え?」

「私たちサンダース大学付属高校は通信傍受機を使う戦術は取らないと決めていたんです。けど、勝利が欲しい一心で私の独断で傍受機を使っていたんです」

「それじゃケイ殿は傍受機の存在を知らなかったんですか?」

「ええ、その通り。私はアリサの指示を勘が鋭いとばかり思っていて傍受機の存在は思いもよらなかったのよ」

秋山優花里の問いにケイが答える。

「はっきり言って私の監督不足。いくらルール違反でないとはいえ、こんな状況で勝ってたら目覚めが悪かったわ」

「あのう」

武部沙織が申し訳なさそうに声をあげる。

「なにかしら?」

「アリサさんの処分とかもう決まっちゃってますか?」

「え?」

沙織の言葉に驚き、顔を見合わせケイとアリサ。そして気まずくなるケイと自分の処分がどうなるかに思いが及び唇を噛むアリサ。

そんな2人を見て慌てたのは沙織の方だった。

「あ、違うんです!ケイさんにはアリサさんの処分をして欲しくないんですよ!」

「いいんですか?」

沙織の言葉に驚くアリサに黙ってうなずく冷泉麻子。

「西住さん、いいの?」

「もちろんですよ、最後はお互い死力を尽くして戦ったんです。恨みっこなしです。いいよね、みんな!」

ケイに答えるみほの言葉にあんこうチームの面々が同意する。

「あ、ありがとう!」

大洗女子学園の寛大さに思わず、涙ぐむアリサだった。

そして

「次に戦う時は最初からズルなしでいきましょう!」

「もちろんよ!」

互いにかたい握手を交わすみほとケイだった。

「それにしても…」

そう言ってケイが八九式が載せられたトレーラーに目をやる。

「こんな旧式戦車でアリサのM4と相打ちに持ち込むとはねぇ」

感嘆の声をあげるケイ。彼女のいう通り八九式が大破したのはアリサのM4シャーマンと相打ちになった為で無線傍受が出来なくなったサンダースは作戦の柔軟的な変更が出来なくなり最終的に大洗に敗れたのだった。

「でも、こんなに壊れたんじゃ次の試合までに修理間に合うの?」

「ギクッ」

ケイの言葉に固まるあんこうチームの面々。ケイの推察通り八九式の修理は次の試合に間に合わないのは確定状態だったのだ。

かといって他校に内情をおいそれとしゃべる訳にもいかず、答えに苦慮する事に。

そんな様子を見てケイが声をあげる。

「オッドボール三等軍曹!」

「は、はい!」

ケイが優花里がサンダース大学付属高校にて潜入活動を行っていた時の名前を高らかに呼び、思わず反応してしまう優花里。

「この際だからお互い隠し事はなしにしましょう、さあ正直に答えなさい!」

「い、Yes Ma'am!!」

ケイに言い寄られて、現状を洗いざらい白状するしかない優花里だった。

「…なるほど。そういうことだったのね」

大洗女子学園の置かれた状況を聞き、少し考えこむケイ。そしておもむろにアリサに声を掛けた。

「アリサ、部隊編成の都合で予備に回しているファイアフライが1輌あったわよね?」

「はい」

「予備のファイアフライの籍を外して大洗に譲渡する準備を進めて頂戴」

「え!?ファイアフライを彼女らにあげるんですか?」

「もともと予備に回していて使い道もないし不満はないでしょ?」

「それはそうですが…」

「なら早くお願いね」

「はい!」

そんなケイとアリサのやり取りに驚いたのはあんこうチームの面々だった。

「そ、そんな勿体無いですよ!」

驚くみほ。

「確かにファイアフライが大洗に加われば戦力の増強にはなりますが、申し訳ないですよ」

と優花里。

「お気持ちはありがたいですが」

と戸惑う華。

麻子は新しい戦車がくるというのでまんざらでもない感じ。

「私が知らなかったとはいえ無線傍受されるという圧倒的に不利な条件を覆して私たちに勝ったその健闘を讃える為と、アリサを許してくれた礼がどうしてもしたいのよ。ダメかしら?」

「正直すごく嬉しいです、けどいいんですか?」

「女に二言はないわよ?」

そんなみほとケイのやり取りに沙織が割って入る。

「あのう、ケイさんの申し出は嬉しいですしみぽりんは是非受けるべきだと思うんですが、バレー部の皆さんがどう思うか…」

「私たちがどうかしましたか?」

声を掛けたのはアヒルさんチームの運転手、川西忍だった。

あんこうチームとサンダースの会話の場にすっと現れたバレー部の面々に驚く華。

「バレー部の皆さん休んでなくて大丈夫ですか?」

「ちょっと痛いですけどね。八九式が送り出される前に一目見ておこうと思って」

華の言葉に答えるバレー部チームリーダーの磯辺典子の包帯が痛々しい。

他の面々も絆創膏やら包帯やらで結構な姿になっていた。

「それで私たちがどうかしたんですか?」

アヒルさんチームの砲手、佐々木あけびが再び尋ねた。

「それがですね…」

みほはバレー部に事の次第を丁寧に説明した。

「なるほど、大破したこいつ(八九式)の代わりにサンダースの戦車を譲渡してくれると」

事情を理解した典子が少し考え込む。

「機種転換だって楽じゃないですしダメなら断りますよ?」

心配そうに問いかけるみほ。

「いえ、やらせて下さい。この子(八九式)も好きでしたけど、新しい戦車にも興味ありますし、チャレンジしたいんです」

典子はそうはっきり答えた。

「このまんまじゃ皆さん頑張ってるのに自分達だけ遊びほうける事になりますし、そんなの我慢出来ません」

「ずぶの素人だったのに戦車の乗り方を憶えられたんです、新しい戦車にだってすぐに乗りこなせてみせます!」

あけびと忍が立て続けに答える。

「あれ?妙子さんは?」

ただ一人返答をしない近藤妙子を気に掛けるみほ。だが当の本人はといえば

「んふふ~乗れる(はあと)憧れのシャーマンに乗れる(はあと)」

と完全に舞い上がっていた。

(ああ、近藤殿はシャーマン大好きだったんだっけ)

妙子のシャーマン好きを思い出し、半ば呆れる優花里だった。

「そうとなれば話は決まりね」

ケイが話を切りだした。

「一両日中には大洗にファイアフライト付属品と弾薬類を送るわ。楽しみにしててね」

「はい!」

ケイの言葉に元気良く応えるみほだった。

「バレー部一堂、ファイアフライが届いたら早速機種転換訓練だ!」

「「「おお!!」」」

ケガの痛みをモノともせず、バレー部の元気な声があがる。

「西住殿、良かったですね」

「はい!」

優花里の言葉に元気に応えるみほだった。

 


 

あとがき:ガールズ&パンツァーにはまり色々と話をしたり聞いたりしている中で

「明らかに能力的に見劣りするアヒルさんチーム(八九式中戦車)をどうするか?」

というネタを考えてる中でこの話を思いつきました。

実際の展開がどうなるかまだ判りませんが、大洗に新しい戦車が来て欲しいなぁという思いだったりします。

関東では11月20日の未明、地元だと22日未明(BS11では24日)に放送予定のガルパン第6話「1回戦、白熱してます!」、今から非常に楽しみです。

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貧弱!貧弱ゥ!(ガールズ&パンツァーのお話)

2012年11月18日 15時00分00秒 | 日記

いきなりなタイトルですが、現在テレビ東京系列で放送中の青春学園戦車アニメ

ガールズ&パンツァー
http://girls-und-panzer.jp/

のお話です。来週、今シリーズの折り返しとなる6話の放送が予定されているのですが、現状主人公達「大洗女子学園」の戦車チームはある問題を抱えていたりします。

ズバリ

『弱い』

のです。

大洗女子学園の使っている戦車は現在5輌<チーム名:使用している戦車の型式()内はチーム名の俗称と解説>

□あんこうチーム:IV号戦車D型(文字通りの主人公達チーム、第二次大戦中のドイツ軍戦車)

□カメさんチーム:38(t)戦車(生徒会チーム、第二次大戦前に作られたチェコスロバキア製の軽戦車)

□アヒルさんチーム:八九式中戦車甲型(バレー部チーム、日本で正式採用された初の国産戦車)

□カバさんチーム:III号突撃砲F型(歴女チーム、第二次大戦中のドイツ軍の歩兵支援車輌。攻撃力の高さから対戦車戦闘にも多用される)

□ウサギさんチーム:M3中戦車リー(一年生チーム、第二次大戦中のアメリカ製の中戦車。車体に主砲、回転砲塔に副砲という珍しいスタイル)

※チーム順は公式サイトの表記順に沿いました。

このうち、印のついている38(t)戦車と八九式中戦車甲型が大洗女子学園の中でも

史実における正式採用が第二次世界大戦前で、総合的な性能が貧弱

なのです。

八九式中戦車は火力も装甲も機動性も悪く(装甲の厚さが最大で17mm(!)しかない)後発の戦車が出てくるとすぐに退役。

38(t)軽戦車も第二次大戦前の水準では比較的優れていたものの、小型で発展性がなかったことなどから戦争の拡大とともに一線を退き自走砲などに改造。

という代物で

ドラゴンクエストでいえば「こんぼう」と「たびびとのふく」しか装備していないレベル(相手次第では何も装備していないのと同レベル)

であり、ガルパン劇中の戦車道全国大会にて第二次世界大戦の主立った戦車が登場する中では力不足が否めないのです。

実際、本編5話ではサンダース大学付属高校が使用しているアメリカ軍の主力戦車だったM4シャーマン相手に八九式中戦車を表立って使えず、囮役に徹している状況なのです。

おまけに残りの大洗女子学園の戦車も相手(今後の展開ではドイツやソ連軍が運用していた重戦車を相手にすることになる)によっては性能の差がかなりのものになっており

知恵と戦術だけで勝利を勝ち取るのが相当厳しい

のです。

ロボットアニメのように強敵を前に新しい主役ロボに乗り換えというのが出来ればいいのですが、1クールしかない上に使用出来る戦車も

1945年8月15日までに設計・量産、あるいは試作されたもの

という戦車道の規約があるのでおいそれと乗り換えも出来ません。

ところが一つ気になる事実があります。大洗女子学園の戦車は現状5輌なのは前記の通りなのですが、不思議なことに大洗での戦車道教育が廃止され放置されていた戦車を再発見した際に戦車に振られていた車番が

□IV号戦車D型=六
□38(t)軽戦車=八
□八九式中戦車甲型=壱
□Ⅲ号突撃砲F型=七
□M3リー=四

と最低でも二、三、五の車番が抜けていていたのです。

特段の事情がない限り、この三つの車番の戦車が残っている可能性があり、これらの戦車に乗り換えの可能性があるのです。

また戦車道のルールではある程度の(史実ではあり得なかった部材の組み合わせも含めた)戦車の改造も協会の認可が下りれば許可されているので、このルールを利用した戦車も登場する可能性があったりします。

サンダース校との試合の後に動きがあると思われますが、大洗女子学園にどのような戦車が出てくるか非常に気になるところです。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

2012年11月17日 21時15分00秒 | 日記

今日から公開の

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
http://www.evangelion.co.jp/

ヱヴァンゲリヲン新劇場版の最新作ということで様々なコラボキャンペーンが組まれるなど盛り上がってる中で公開日を迎えました。

出来れば初日に観に行きたいと思っていたのですが、名古屋市の主立った上映館では前日にほぼ満席(上映館のひとつミッドランドスクエアシネマ名古屋では午前中にこの日の上映分の席が全て満席になったそうです)ということで苦慮していたところ、県営名古屋空港そばの

ミッドランドシネマ名古屋空港
http://www.midland-cinema.jp/mcnk/index.shtml

が前日の段階でまだ座席に余裕があると判明し、そちらに向かうことにしました。

午前9時過ぎに映画館に到着したのですが、前日夜まではまだ余裕があったもののかなり残席が少なくなっており、それでもこの日2回目の上映の席を確保することが出来ました。

グッズを買ったり、映画館に併設するショッピングモール

「エアポートウォーク」(旧名古屋国際空港の国際線の旅客ターミナルを転用した施設です)
http://airportwalk.com/

で時間を潰しつつ上映まで待ち、いよいよ映画館へ。

各種映画の予告編→巨神兵東京に現る 劇場版(ヱヴァンゲリヲン新劇場版の庵野秀明監督の企画による風の谷のナウシカの巨神兵を使った特撮作品)

ときていよいよヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q本編へ。

約2時間後、打ちのめされた管理人の姿が映画館にありました。

正直、エヴァQが終わったあと真っ先に思ったのは

「うわぁ、これどうするの?」

という映画を観た感想とは思えないモノでした。

Twitterやmixiなどのつぶやきでも書いた事ですが今回のヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q、ネタバレを一切含まない個人的な感想を言えば

“街中歩いていていきなり腕を引っ張られて何事かと相手を確かめようとしたところに強烈なパンチを顔面にくらい、よろめく。

混乱する中で相手を確かめようとするも容赦なく相手に引き倒されて、訳が分からないまま防御姿勢も取れずマウントポジションの相手に袋叩きにされた”

という壮絶なものなのです。

映画の後、ショッピングモールでハンバーガーをほおばりながらも心ここにあらずの状態になっており

<もしかしたら「巨神兵東京に現る」の直後に仕事の疲れから寝入ってしまい「エヴァQではない何か」を夢で見たのでは?>

と思ったりもしましたが、紛れもなく自分が観たのはヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qだと思うと言いようのない感情に襲われる事に。

ボーっとし過ぎた為にエアポートウォークからJR東海の勝川駅まで行くバスを逃してしまい1時間も待たなければならない事から徒歩で駅に向かうことに。

気分転換に宇宙戦艦ヤマト2199のサントラをウォークマンで聞きながら歩いていたのですが、それでもエヴァQの事が頭から離れず、情報量の多さとその反面、我々にはそれを解く時間も情報もなく、ストーリーの中身すらうまくまとめられないままという有様でした。

JRの駅に着いた後朝からの雨で真っ先に帰宅してもよかったのですが、気分転換に名古屋まで出ることに。欲しいと思っていたガールズ&パンツァーのエンディングCDが名駅近くのアニメイトに再入荷したと確認が取れたので買いに行くことにしたです。

アニメイトでも例に漏れずヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q関連のキャンペーンをやっていたのですが、映画本編を真っ先に観た身として、これから映画を観に行く人の心境を思うとかなり複雑なモノがありました。

その後JR名古屋高島屋にて

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という欲しがっていたティルト・ローター機V-22オスプレイ(ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破でも登場してました)の解説本をゲット。

そのまま帰路についた次第でした。

今回のヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qですが、とにかく

エヴァQの内容については自身の目で確かめて欲しい

としか言えません。エヴァQに関してあれこれ語るには自分の脳と知識では到底追いつかない上に話の内容すら(情報量とその展開故に)まとめられずにおり、下手に語るより観て貰った方が手っ取り早いのです。

そして願わくはヱヴァンゲリヲン新劇場版の最終章がよきモノであって欲しいです。

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ガールズ&パンツァー(通称:ガルパン)

2012年11月15日 22時00分00秒 | 日記

今秋の新作アニメが始まって1ヶ月とちょっと。

数々のアニメがある中で個人的にお気に入りになっているアニメが一つあったりします。テレビ東京系列で放送中の

ガールズ&パンツァー(ガルパン)
http://girls-und-panzer.jp/

です。

戦車を使った武道である戦車道が華道や茶道と並び大和撫子の嗜みとされている世界を描いた物語

という一風変わった設定のアニメです。

1年生の時に参加した全国大会でのトラブルがトラウマとなり戦車道から離れた主人公

西住みほ(実家が戦車道の家元で実の姉も戦車道の有名校のエース)

が転校した高校

大洗女子学園(学園そのものが巨大な空母のような船“学園艦”という設定です)

で再び戦車道に取り組むこととなり、新たな仲間と共に全国大会一位を目指す

という内容で、「美少女+戦車」という組み合わせが当初色物アニメとしてみられていた感もありました。

しかし蓋を開けてみれば

○キャラクターがきちんと立っている
○戦闘(試合)シーンがきっちり描かれ、しかも面白い

ということで徐々に盛り上がって来ているのです。

現在、戦車道の全国大会が始まり、最初の対戦相手

「サンダース大学付属高校」(保有する戦車がアメリカ製のものばかり)

との戦いの真っ最中だったりします。

そんなガルパンの盛り上がりに一役買っているのが茨城県の大洗町です。

大洗女子学園の母港として練習試合(戦車同士による市街戦)の舞台になったり主人公達がショッピングしたりと登場する機会も多く、いわゆる「聖地」として新聞記事にもなったりしています。

ガールズ&パンツァー 大洗舞台のアニメ好評街並み再現“聖地巡礼”も(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13528145636859

また今月18日には大洗町で開催される

大洗あんこう祭
http://www.town.oarai.lg.jp/manage/contents/upload/00101_20121109_0003.pdf
※pdf注意

にて

○メインキャストによるトークショー
○鹿島臨海鉄道大洗鹿島線でのラッピング電車お披露目
○ガルパン1話から5話までの無料上映会実施

と関連イベントが多数開催されるなど相当な力の入れようなのです。

今週末、BS11で本来なら第6話の放送予定だったのですが、諸事情で延期となりキャラや登場する戦車(設定上、戦車道の規定で1945年8月15日までに製作・試作された戦車のみ使用可能とされています)の紹介となる総集編

第5.5話

が放送予定で、未見の方の導入編には打って付けではないかと考えている次第です。(バンダイチャンネルで有料放送中でもあります)

全12話放送予定(総集編が入ったため最終回は別枠での放送予定)のガールズ&パンツァー、戦車道全国大会の経過も含め、今後が非常に楽しみだったりします。

Enter Enter MISSION! Enter Enter MISSION!
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宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1、フラゲ!が…

2012年11月06日 23時00分00秒 | 趣味のショッピング

2012年11月7日に発売の

宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1

一部のアニメグッズ店などでは今日11月6日の段階で取り扱いを開始しており、たまたま問い合わせたところ在庫があるということで仕事帰りにゲットしてきました。

ところが、いざウォークマンに取り込もうとx-アプリを起動してCDを投入したところ思わぬ事態が。

2012110601
※クリックで拡大表示されます。

上のスクショのようにCD情報がネットワーク上に存在しないのか、サントラに収録されている全ての楽曲が

『未タイトル』

と表示されてしまったのです。

これ、iTunesでも同様に楽曲情報が取得出来ない状態になっていたりします。

まだネットワーク上に楽曲情報がないのにフラゲしたのが原因なのか、CDに問題があるのか不明(サントラに収録されている楽曲は普通に鑑賞可能です)なのが怖いのですが、いちいち手打ちするわけにもいかず、聞くだけで我慢している状態です。

このブログを書いてる最中にも聞いているのですが、オリジナル版の楽曲の再収録版も、宇宙戦艦ヤマト2199の為に書き起こされた新たな楽曲も非常に素晴らしいです。

早くウォークマンやiPhone4に入れてじっくり聞けるようにしたいです。

宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1 宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Part.1
価格:¥ 3,000(税込)
発売日:2012-11-07

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ブログに根本から手をつけてみる。

2012年11月04日 15時00分25秒 | イベントレポ

自分が管理している、この

NEW REDCRAB Digital Library
http://redcrab-digital-library.blog.ocn.ne.jp/

長いことデザインなどをいじっていなかった為、今日思いきって色々いじってみました。

主な変更点は

1.事実上管理しなくなっていたweb拍手の廃止
2.デザインの変更

なのですが、2のデザインの変更が思いの外大変な事に。

自分が使っているOCNのブログ人は複数のテンプレートからデザインを選択出来るのですが、これを新しいモノに替えようとした際

○改行が反映されないデザインがある。
○デザインの表示の関係で掲載していた写真が見切れてしまう。

という感じでテンプレートを選んでは上手くいかず別のテンプレートを選ぶを繰り返す羽目に。

そんなこんなでようやく新しいテンプレートを選び今のデザインに落ち着きました。

ついでに今の自分のブログの構成で問題なく使えるテンプレートを割り出したので今後は楽にデザインの変更がやれそうです。

拙いブログですが今後ともよろしくお願い致します。

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まさかの「白色彗星帝国(ガトランティス帝国)」!?

2012年11月03日 22時50分00秒 | 日記

先日から折に触れて話題にしているアニメ

宇宙戦艦ヤマト2199
http://yamato2199.net/

先日第7話から10話に相当する第三章の劇場公開も終わり(なんとか一回だけ見に行くことが出来ました)、今月にはオリジナルサウンドトラックの発売も予定されているのですが、それとは別に11月10日宇宙戦艦ヤマト2199の音楽イベント

ヤマト音楽団 大式典
http://yamato2199.net/musicteam/index.html

が千葉県の舞浜アンフィシアターで開催予定だったりします。

その中で来年1月に公開の「宇宙戦艦ヤマト2199 第11話」の先行上映があり、そのスクリーンショットが今日公開されたのですが、これが一騒動を呼んでいます。(上記の大式典のサイトで見ることが出来ます)

第11話の冒頭、ガミラスの名将ドメル将軍が大マゼラン銀河に侵攻を図る“蛮族”(第三章にてドメル将軍が蛮族に対応中でまもなく撃退出来そうという報告のシーンがあります)の艦隊との戦闘が描かれているのですが、その蛮族の宇宙艦艇がどうみても

「さらば宇宙戦艦ヤマト」ならびに「宇宙戦艦ヤマト2」に登場した白色彗星帝国(ガトランティス帝国)のミサイル艦<ゴーランド>と<駆逐艦>

なのです。

オリジナル版「宇宙戦艦ヤマト」の続編として作られた「さらば」ならびに「ヤマト2」に登場した白色彗星帝国はその圧倒的な軍事力で地球とヤマトを圧倒し

○「さらば」においてはヤマトの特攻で彗星帝国の巨大戦艦を撃退
○「ヤマト2」では多大な犠牲を出しながらヤマトの辛勝

という強敵として描かれました。

その白色彗星帝国が宇宙戦艦ヤマト2199に登場するらしいという事でTwitterで密かに話題になっていたのです。

自分もこの話を知った時、宇宙戦艦ヤマト2199の今後の展開がどうなるのかも含めて色めき立った次第でした。

ところで、わずか1カットですが登場した白色彗星帝国の艦艇と思われる戦闘艦、よく見るとオリジナルと差違があることが実は判ったりします。

ミサイル艦<ゴーランド>が特徴の差違がよく判るのですが

○オリジナル版のゴーランドが文字通りミサイルだらけだったのに対して2199のゴーランド(仮)は回転速射砲塔(回転速射砲塔についてはこちら(白色彗星帝国の大戦艦のwikipedia)の「回転速射砲」の項目を参照して下さい)が主武装になっている
○ゴーランド(仮)はオリジナル版よりスマートな印象
○カラーリングがオリジナル版の白色彗星帝国駆逐艦ならびに2199の駆逐艦(仮)に近いモノに変更

と色々と差違が見られるのです。

今回の白色彗星帝国(?)の登場やオリジナルサウンドトラックなど宇宙戦艦ヤマト2199の楽しみがますます増えた感じで、ファンとして非常にわくわくしている次第です。

宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Vol.1 宇宙戦艦ヤマト2199 オリジナルサウンドトラック Vol.1
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iPhone4の保護シート、ある方がいい?ない方がいい?

2012年11月01日 23時20分00秒 | 日記

かれこれ2年以上使っている

iPhone4

そろそろiPhone5への買い換えを検討中なのですが、今日ふと思うところがあって

液晶の保護シートを剥がしてみました。

iPhone4を購入時以来、あれこれiPhone4用の保護シートを買って使っていたのですが、確かに液晶画面の保護にはなるのですが

折角のRetinaディスプレイがくすんで見えてしまう(種類にもよるのですがやはりオリジナルの高精細は失われてしまうのです)

という欠点があり、これまではそれに目をつぶって保護シートを使っていました。

しかしそろそろ買い換えということで

『素のiPhone4のディスプレイってどう見えるんだろう?』

と思い切って保護シートを剥がして使うことにしたのです。

その結果は

「うわ、めちゃくちゃ綺麗だ」

驚くほど綺麗なiPhone4のRetinaディスプレイに心底感激しました。液晶に傷がつくのを嫌がった結果とはいえもう少し早く保護シート無しで使えるようにしたかったと後悔しました。

そのついでに今まで使っていたアルミニウム製バンパーからプラスチックのジャケットに付け替えたのですが、すっきり持てるようになった反面、今までより(バンパー込みの大きさより)iPhone4が小さくなった為に持つのを慣れるまでが苦労しそうな感じです。

ともあれ、液晶の傷が気になる方にはオススメ出来ませんが、iPhone4やiPhone5の液晶保護シート、つけない方がいいのかもしれません。

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