夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

旧試験と同レベルの合格率という現実

2009年02月11日 19時56分31秒 | ロースクール日記
法務省から今年の新司法試験受験者数が公表されています。

平成21年新司法試験の出願状況について

先日の日弁連の合格者数抑制案(09年以降の数年間は合格者数を2200人程度に抑えることを求める提言)が採用されるかはわかりませんが、今年の合格者数は多くて2500人。合格率は25%程度といわれています。現実には、多くて2200人程度になるように調整がなされるように推測しています。

昨年と同程度である2100人程度であれば大体20%強という数字になるわけです。正直に言って、これは旧試験の合格率と大差ない数字であるということになります。

よく旧試験は合格率2%程度といわれますが、数多くの記念受験組がいましたから、出願者に対する最終合格率というのは、ある程度割り引かなくてはいけないわけです。

とくに、出願者全員が「本気」である法科大学院修了者が受験する新試験との対比においては、なおさらです。

旧試験の短答合格者の最終合格率は、おおむね20%前後、5人に1人は受かるともいわれていました。この数字を前提とすると、新試験は、4回目で早くも旧試験と同等の難関試験になってしまったということも言えるわけです。まして、三振制度という受験制限があるわけですから、厳しさは旧試験以上かもしれません。

現実問題として、有職者が仕事を続けながら合格するのは、法科大学院の教育システムが相当すぐれたものでない限り、不可能に近いものになってしまった気がします(もちろん時間の自由が確保できる自営の方などは違うのかもしれませんが)。

さらに、受け控えというのが場合によっては重要な選択肢にならざるを得ないでしょう。ここ数年で合格率が好転することはないのでしょうが、実力と合格レベルとの乖離が大きい場合、おそらく自分も受け控えを考えると思います。

様々な意味で新試験に有機的にリンクした教育の提供を法科大学院サイドには期待してやみません。とくに六本木は教授陣へのアクセスが難しいだけに色々と悩むことが多いです。

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