ジョージィのおとなりさんたち

【個人史】「人生って、とっても楽しいもの」
そんな風に感じている今日この頃。Blogでメモっておきたい。

手綱を締めるばかりの未熟な御者(ぎょしゃ)

2007年02月14日 21時02分45秒 | Weblog
[個人史]: (政治手腕)

私の祖父母は 地方の貧しい農家であったから 祖父は徴兵され戦地で戦ったようだ。 軍服や軍帽を大切に保管していた。 それをときどき出してきては 眺めるものだから (可愛い 孫の私 としては) 興味津々の眼差しで 祖父にはあれこれ尋ねていたものだ。

小学校の 夏休み、冬休み は 祖父母の家にずっと泊まり込んでいた。 人の数は少なく、 山や川、田畑ばかりで 子どもの遊びには事欠かない。 毎日が 探検 だ。

小学校高学年になった頃だった。祖父が荷物を取りに行くと云って納屋から愛用の車を引き出してきた。 一馬力の馬車だ。 馬車には市街地を走るバスや車とは違う独特の風情がある。

パッカパッカと馬の蹄(ひずめ)の音を聞きながらでこぼこの道を身体を右に左にと揺さぶられながら進むのである。 その日 祖父は私の願いを聞き入れ、手にした手綱を引いて馬を止めた。 そして 手綱 を私に渡した。

何回か見てきたように 綱を緩めながら少し上に振り上げ、そして馬の尻をピシャリとやった。 動き出した...。

馬が動き出すと 左右に少しブレながら歩く。 その度に まっすぐ歩かせようと 反対方向に手綱を引くのだが、 右に引いたら右に行き過ぎ、慌てて左に引けば左に行き過ぎる。 とうとうどうしたら良いか判らないほど コントロール(制御)が利かなくなった。 祖父は横から手を伸ばし一度馬を止めて私に云った。

『馬に任せていれば良い。道を曲がりたいときだけ手綱を引け』 と..。

私は再び馬を進めた。 今度は手綱は緩めたままで馬に任せた。 すると黙って居ても 馬は道を外れる事無く馬車は進んで行った。

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