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小川洋子「サイレントシンガー」文學界2025年2月号

2025-03-20 | 小説・漫画他
小川洋子さんの6年ぶりの長編『サイレントシンガー』が雑誌の文學界2月号に掲載されていると知って、いつか単行本になるはずですが、早く読みたくなって、文字が小さくてびっしりでしたが文学界を読みました。

あらすじは、「アカシアの野辺」に住むリリカという女性の幼い頃から一生に渡るまでのお話です。
そこはとても静かで沈黙を大切にしており、会話は手話風のやりとりで行い、自給自足的な生活を送っており、羊で羊毛や、手作りのお菓子やジャムなどを作って販売しているのです。
怪しい新興宗教とか宗教団体ではないのですが若干閉鎖的です。

リリカは赤ちゃんの時にシングルマザーの母親が長い髪を首に巻かさって亡くなってしまい、以後アカシアの野辺で働く祖母にずっと育てられています。

リリカはそこでの仕事のほかに、歌の依頼を受けています。上手じゃなくても良くて、でも不快感の無い塩梅が良いそうです。
夕方に毎日流れる童謡音楽や、葬儀の時の歌、CMや灯油販売(これ笑った)の歌等もこなしています。

祖母と彼女は敷地の中に、手作りの人形を並べて飾っていますが、それらが年月とともに朽ちて行きます。

リリカは入口の販売窓口に座り、回転テーブルで受け渡しをしているのですが、コンスタントに買いにきてくれる男性の指が、たまに車で出かける時の料金所に座っている料金係さんと同じであることに気がつき、知り合いになるのです。

★以下ネタバレ★
2人がメモをやり取りして、段々親しくなり、一緒に過ごす様になる処などはワクワクしました。
まあ小川さんの小説なので普通の恋愛物語とかでは無いのですが。
実は彼も妙な趣味があって、著名な作家の後に発見された幻の小説・・・みたいな妄想?を綴ったりしていて、2人でそれについて語り合ったりしました。
彼はリリカと祖母の朽ちた人形たちを見せられても驚く事なく、丁寧に付き合ってあげて会話するという優しい人なんですよ。エキセントリックな2人でお似合いでしたが・・・。
以上
まだ単行本が発売されていないので、これ以上は辞めておきます。

小川さんらしいストーリーで、不思議な世界でした。


小川洋子
「サイレントシンガー」
「耳に棲むもの」
「からだの美」
「掌に眠る舞台」
遠慮深いうたた寝
「そこに工場があるかぎり」「科学の扉をノックする」
「アンネ・フランクの記憶」
「密やかな結晶」
「小箱」
「約束された移動」
「あとは切手を、一枚貼るだけ」
「口笛の上手な白雪姫」
「シュガータイム」
「不時着する流星たち」
「琥珀のまたたき」
「注文の多い注文書」
「いつも彼らはどこかに」
「ことり」「とにかく散歩いたしましょう」 感想
「最果てアーケード」「余白の愛」小川洋子
刺繍をする少女
人質の朗読会
妄想気分
原稿零枚日記」
「ホテル・アイリス」「まぶた」「やさしい訴え」
「カラーひよことコーヒー豆」
小川洋子の偏愛短篇箱
猫を抱いて象と泳ぐ
「偶然の祝福」「博士の本棚」感想
妊娠カレンダー、貴婦人Aの蘇生、寡黙な死骸 みだらな弔い
薬指の標本 5つ☆ +ブラフマンの埋葬
「おとぎ話の忘れ物」と、「凍りついた香り」、「海」
「ミーナの行進」「完璧な病室・冷めない紅茶」感想
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