小川洋子さんによる工場見学エッセイ。
12年前に出された『科学の扉をノックする』の工場版。
細穴の奥は深い (エストロラボ<細穴屋>)
お菓子と秘密。その魅惑的な世界 (グリコピア神戸)
丘の上でボートを作る (桑野造船)
手の体温を伝える (五十畑工業)
瞬間の想像力 (山口硝子製作所)
身を削り奉仕する (北星鉛筆)
工場見学で知る、なるほどー!という驚きはあるものの、それよりも小川さん節を楽しんだ感じです。
たとえば46頁に出てくる
ポッキーの工程で、「一本一本、全員がお利口に整列し」 っていうお利口という表現が、いかにも小川さんらしくて、微笑んでしまいました。
その他、印象に残ったところ
最初の「エストロラボ」さんは女性が社長さんで、女性が働きやすく働けるようにと業務形態やらいろいろ工夫されていて、いい会社だなあと感じました。
グリコのおまけが全部並んでいるだなんて、私も見てみたいです。
サンポカー! たまに見かけますが五十畑工業というところが作っていたのね。
歯医者においてある小さな薬品が入ったガラスの瓶、子供のころ病院の医師がガラスのアンプル?をぱきっと折り注射に注入する、あれらにそそられる・・っていうの同じでした。
そこに工場があるかぎり 2021/1/26
小川洋子
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科学の扉をノックする
5章の粘菌、アメーバーについてが面白かったです。
密かに人間みたいな集団の行動があったりしているんですね。
6章のイルカを丸ごと煮て・・・とか、大きい動物(象やクジラ)は土に埋めて2年位経って掘り起こすとか、読みながらぞわっとする部分がありました。
7章 昔うさぎ跳びっていうトレーニング?みたいのがありましたが、あれはむしろ体に良くなかったんですね。膝に水が溜まってしまう選手もいたとか・・・。
トレーニングコーチって存在は、選手にとってプライベートな話を打ち明けられたりして、身近な特別な関係なのね・・・。選手のメンタルって、やっぱり物凄く重要なんですね。
1章:宇宙を知ることは自分を知ること/国立天文台教授 渡部潤一
2章:鉱物は大地の芸術家/鉱物科学研究所所長 堀秀道
3章:命の源“サムシング・グレート”/筑波大学名誉教授 村上和雄
4章:微小な世界を映し出す巨大な目(SPring-8)/財団法人高輝度光科学研究センター特別研究員 古宮聰
5章:人間味あふれる愛すべき生物、粘菌/京都大学名誉教授 竹内郁夫
6章:平等に生命をいとおしむ学問“遺体科学”/東京大学総合研究博物館教授 遠藤秀紀
7章:肉体と感覚、この矛盾に挑む/阪神タイガースファームトレーニングコーチ 続木敏之
科学の扉をノックする 2008 小川 洋子
小川洋子さんの他の本の感想
「アンネ・フランクの記憶」
「密やかな結晶」
「小箱」
「約束された移動」
「あとは切手を、一枚貼るだけ」
「口笛の上手な白雪姫」
「シュガータイム」
「不時着する流星たち」
「琥珀のまたたき」
「注文の多い注文書」
「いつも彼らはどこかに」
「ことり」「とにかく散歩いたしましょう」 感想
「最果てアーケード」「余白の愛」小川洋子
刺繍をする少女
人質の朗読会
妄想気分
原稿零枚日記」
「ホテル・アイリス」「まぶた」「やさしい訴え」
「カラーひよことコーヒー豆」
小川洋子の偏愛短篇箱
猫を抱いて象と泳ぐ
「偶然の祝福」「博士の本棚」感想
妊娠カレンダー、貴婦人Aの蘇生、寡黙な死骸 みだらな弔い
薬指の標本 5つ☆ +ブラフマンの埋葬
「おとぎ話の忘れ物」と、「凍りついた香り」、「海」
「ミーナの行進」「完璧な病室・冷めない紅茶」感想
本当にチョッとした物なら、ガスバーナーでガラス管を加熱したり吹いたりして自分で加工してました。
一度、ガラス実験器具を作っている会社を見学させて頂いた事が有りますが、職人さんがガラスを自由自在に曲げて膨らませて、みるみる形作って行く、本当に魔法みたいな技でした。
ガラス管を自分で加工ですか!すごいですねー。
私もガラス職人さんが作る様子見るの大好きです。実際は固くて難しいみたいですが・・。
この本、理系の人なら、より楽しんで読めるかもです。
小川さんって理系要素が多い人の気がしています。
ちなみに私の夫も大学、工学部有機合成化学です。あ、私は文系でも理系でも無く、学歴も全然無いです
もっとも私、図面なんて見たことさえ無かったのに設計部門に配属され、センスなど何もないのに「感性を定量化する」なんてプロジェクトをやらされ、最後にはプログラムなど書いた事もないのにシステムエンジニアをやってたという変わり者です。
「ラインサイドにある自Grの部品の重量を計って来い」というのが設計に配属されて最初に与えられた仕事で、1週間ぐらい秤を抱えて工場内をウロウロした記憶が有ります。お陰で工場の様子や、自部品の名称・番号などが頭に入って、後後役に立ちました。工場を見るのは面白いですよ。
そうなんですね、大学でやった研究とは全然違った部署でのお仕事を色々経験されて来たのですかー。たまにそういうの、聞きますよ。
でも、どんなジャンルのお仕事でも上手くこなせる器用な人材だったわけで、todo23さんを雇用した会社は人を見る目があったとも言えますね
私も昔ですが、派遣社員で事務やってた時に、大きな工場の会社に何度か働いた事があったんです。工場は色々と驚きがありました。
敷地が広いので、徒歩で移動するだけで数十分かかるのは当たり前でした。
本当ですね!
このところ小川さんに苦労していましたけどこんな内容ならすっと読めそうかな。
今村夏子さんの「あひる」
今日、名古屋市中心部に出かけたのでジュンク堂書店で検索したら単行本はありましたけど文庫は在庫無しで今日のところは止めておきました。
メモってあるので多分ネットで買うかな。
(#^^#)
小川さんの本、すっと乗れるのと、そうじゃないの、ありますよね。
こちらの気分や体調もあるし(これは小川さん以外の作家さんでも同様で、読書に乗り気な時と、どうもそうじゃない時とがあったり・・)
こにさんは、いつも本は購入されるのかなー。私は図書館なのです。
買うのと、借りるのでは、また評価も違って来そう・・・。
何度も読み返したくなる本、最後スカッとする本とかだったら購入したほうが良い気がしますが・・
あひるは、ちょっと皮肉というかブラックな本なので・・・うーーん・・・
うちの会社は歩いて端まで行けないので社内循環バス(10分間隔位)でしたよ。消防署も社内に有り、要請が有れば社外でも消防・救急活動をしてました。
確かに、todo23さんって理系なのに、小説も一杯読んでいらっしゃるし、お家はじめ色々工作系や、お料理まで、凄く手広いですもんね
優秀な人って、一つだけじゃなくて、あれもこれも出来たりすること、結構見聞きしていますよ。
ところで会社の敷地の広さ(循環バス!)に驚愕・・・
そこまでのは、ちょっと聞いた事が無かったです。社内に消防署があるだなんて、物凄い規模の会社だったんですね・・・
最近、読む量が減ってしまって、積ん読が続いていますが、これも読みたいなー。
私も偶然知ったんです。
あまり前に出て来ない本かもしれませんね。
関西の会社訪問もありましたよ。
小川さんが岡山出身で阪神の大ファンって事も関係してるのかなー