
そもそもこの雑誌「小説新潮2024年5月号」を借りたのは、宮島未奈さんの「成瀬」シリーズの新作短編「やすらぎハムエッグ」が載っているということで、ちょっと読んでみたいなーと思ってのことだったのですが、せっかくだからと他の小説も幾つか読んだ中、《第23回女による女のためのR-18文学賞》大賞作品
「息子の自立」(著:広瀬りんごさん)が凄くて衝撃を受けたんですよ・・。
これ、書くのに勇気が要ったと思うし、まだまだ自分は知らない事が一杯あるなあ・・・と思ったので、感想を残しておこうと思った次第です。もの凄く印象に残った作品です。
多分、近い将来単行本として発表されると思いますが、障碍者の息子の性処理を定期的に母親が行っているというのは、多くの方々が普通に行っているの事のようなのですが、私は知らなかったので・・・淡々とサッパリと描かれていて、でも圧倒されたんですよ・・・。
看護師さん等、医療に携わった経験のある人ならば、この事に関して受け止め方が違う様です。
作者の広瀬さんは「私には障害を持つ息子がいる。彼らの言葉を代弁できるとは思っていないけれど、ひとかけらだけでも伝えられるものがあれば」と語ったそうです。
・・・・・・・
やすらぎハムエッグ
多分、成瀬シリーズの3巻目に収められることになる短編だと思われますが、本作の主人公は「坪井さくら」という成瀬と同学年の女の子です。
神奈川の公立高校から、京都大学理学部に進学し、成瀬と出会います。
さくらは小学校からの初恋相手で出来過ぎ君の「早田くん」と同じ進路を目指して、高校受験、大学受験を頑張り、京大に合格できたのに、合格発表の名前に早田君はいなかった・・・。
傷心のまま入学式に参加したものの転んでけがをしてしまった処に成瀬が声をかけて、そこから偶然何度か遭遇し親しくなるのでした。
やっぱり京大でも成瀬の変人ぶり?は目だっていました。笑
★以下ネタバレ★
入学式で転んでケガしたさくらに同じ理学部の成瀬が声をかけ、そこから仲良くなる。
何を目的に生きていけばいいか解らないと言うさくらに、成瀬はとりあえず料理でもしてみたらどうだ?と薦め、それが良い方向に進む。
早田君は東大に行ってたのね・・。志望校は京大だって言っていて、試験の日の話もしていて・・何故嘘を重ねていたのか・・・。やっぱりさくらと一緒になるのが嫌だったのかな・・・。これはショックだわ・・。 以上
安定の面白さでしたよ!
他の成瀬の新しい短編が掲載されている小説新潮もリクエストしちゃってます。そちらも楽しみです。
他にも三浦しをんさんの読み切り短編と、『ともぐい』直木賞受賞記念対談の小池真理子×河崎秋子さんも面白かったです。
小説新潮 2024年05月号 雑誌 2024/4/22
【特集】第23回「女による女のためのR-18文学賞」決定発表 〈大賞〉広瀬りんご「息子の自立」〈友近賞〉神敦子「君の無様はとるにたらない」〈選評〉窪美澄/東村アキコ/柚木麻子/友近 〈歴代受賞者競作〉宮島未奈(「成瀬シリーズ」最新作)
【『ともぐい』直木賞受賞記念対談】小池真理子×河崎秋子 他
・・・・・・・・
その後、小説新潮 2025年1月号も「成瀬」目当てで読みました。
「実家が北白川」という短編です。
こちらは森見登美彦さんのファンだったら凄く楽しめる内容だったかも。
私は数冊しか読んでおらず、内容も殆ど覚えていなかった為、こたつで鍋・達磨・緋鯉という部分も全く反応できなくて残念でした。
本作の内容は京大の農学部の梅谷誠の目線で描かれます。
入学当初にメンバーが男3人だけのサークルに勧誘されて加入、中盤まではその4名のやり取りが描かれ、成瀬は後半にやっと出て来ます。
成瀬は「やすらぎハムエッグ」の坪井さくらと一緒にいる時に、京大の道で梅谷から誘われて会合に参加するという流れです。
そもそもサークルの木崎会長がずっと探し求めている黒髪の乙女のイメージに成瀬が近いとのことで、梅谷からお声がかかったのでした。
この短編1つだけなら、物足りない感があるので、もしかしたらこの続編が存在するのかも・・・。
尚、小説新潮2025年1月号の他の記事で目に留まったのは
「赤と青のガウン」池辺葵さんのコミカライズ版の1話目です。
去年かな?彬子(あきこ)女王の「赤と青のガウン」が話題になっていたのは知っていましたが、手は出していなかったんです。

漫画の2話迄はネットで無料で読めて、3話は小説新潮に掲載されてるそうですが、短いのでまとめて本になったら読みたいなー。
そうそう、池辺葵さんって、「繕い裁つ人」の原作を作った方だったのですね! 随分前ですが映画だけ見ていました。
ふわふわした絵と上品な雰囲気で好感持ちました。
「息子の自立」(著:広瀬りんごさん)が凄くて衝撃を受けたんですよ・・。
これ、書くのに勇気が要ったと思うし、まだまだ自分は知らない事が一杯あるなあ・・・と思ったので、感想を残しておこうと思った次第です。もの凄く印象に残った作品です。
多分、近い将来単行本として発表されると思いますが、障碍者の息子の性処理を定期的に母親が行っているというのは、多くの方々が普通に行っているの事のようなのですが、私は知らなかったので・・・淡々とサッパリと描かれていて、でも圧倒されたんですよ・・・。
看護師さん等、医療に携わった経験のある人ならば、この事に関して受け止め方が違う様です。
作者の広瀬さんは「私には障害を持つ息子がいる。彼らの言葉を代弁できるとは思っていないけれど、ひとかけらだけでも伝えられるものがあれば」と語ったそうです。
・・・・・・・
やすらぎハムエッグ
多分、成瀬シリーズの3巻目に収められることになる短編だと思われますが、本作の主人公は「坪井さくら」という成瀬と同学年の女の子です。
神奈川の公立高校から、京都大学理学部に進学し、成瀬と出会います。
さくらは小学校からの初恋相手で出来過ぎ君の「早田くん」と同じ進路を目指して、高校受験、大学受験を頑張り、京大に合格できたのに、合格発表の名前に早田君はいなかった・・・。
傷心のまま入学式に参加したものの転んでけがをしてしまった処に成瀬が声をかけて、そこから偶然何度か遭遇し親しくなるのでした。
やっぱり京大でも成瀬の変人ぶり?は目だっていました。笑
★以下ネタバレ★
入学式で転んでケガしたさくらに同じ理学部の成瀬が声をかけ、そこから仲良くなる。
何を目的に生きていけばいいか解らないと言うさくらに、成瀬はとりあえず料理でもしてみたらどうだ?と薦め、それが良い方向に進む。
早田君は東大に行ってたのね・・。志望校は京大だって言っていて、試験の日の話もしていて・・何故嘘を重ねていたのか・・・。やっぱりさくらと一緒になるのが嫌だったのかな・・・。これはショックだわ・・。 以上
安定の面白さでしたよ!
他の成瀬の新しい短編が掲載されている小説新潮もリクエストしちゃってます。そちらも楽しみです。
他にも三浦しをんさんの読み切り短編と、『ともぐい』直木賞受賞記念対談の小池真理子×河崎秋子さんも面白かったです。
小説新潮 2024年05月号 雑誌 2024/4/22
【特集】第23回「女による女のためのR-18文学賞」決定発表 〈大賞〉広瀬りんご「息子の自立」〈友近賞〉神敦子「君の無様はとるにたらない」〈選評〉窪美澄/東村アキコ/柚木麻子/友近 〈歴代受賞者競作〉宮島未奈(「成瀬シリーズ」最新作)
【『ともぐい』直木賞受賞記念対談】小池真理子×河崎秋子 他
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その後、小説新潮 2025年1月号も「成瀬」目当てで読みました。
「実家が北白川」という短編です。
こちらは森見登美彦さんのファンだったら凄く楽しめる内容だったかも。
私は数冊しか読んでおらず、内容も殆ど覚えていなかった為、こたつで鍋・達磨・緋鯉という部分も全く反応できなくて残念でした。
本作の内容は京大の農学部の梅谷誠の目線で描かれます。
入学当初にメンバーが男3人だけのサークルに勧誘されて加入、中盤まではその4名のやり取りが描かれ、成瀬は後半にやっと出て来ます。
成瀬は「やすらぎハムエッグ」の坪井さくらと一緒にいる時に、京大の道で梅谷から誘われて会合に参加するという流れです。
そもそもサークルの木崎会長がずっと探し求めている黒髪の乙女のイメージに成瀬が近いとのことで、梅谷からお声がかかったのでした。
この短編1つだけなら、物足りない感があるので、もしかしたらこの続編が存在するのかも・・・。
尚、小説新潮2025年1月号の他の記事で目に留まったのは
「赤と青のガウン」池辺葵さんのコミカライズ版の1話目です。
去年かな?彬子(あきこ)女王の「赤と青のガウン」が話題になっていたのは知っていましたが、手は出していなかったんです。

漫画の2話迄はネットで無料で読めて、3話は小説新潮に掲載されてるそうですが、短いのでまとめて本になったら読みたいなー。
そうそう、池辺葵さんって、「繕い裁つ人」の原作を作った方だったのですね! 随分前ですが映画だけ見ていました。
ふわふわした絵と上品な雰囲気で好感持ちました。
女による~~~って、結構好きな本が多いです。ひそかに注目してます。
そうなんだよね、障がい者にも性欲というのはあるのよね。当たり前のことに気付かなかった。本書も読みたいけど、図書館にない。
成瀬。3作目の準備もあるのね(笑)
神奈川県の公立高校出身、私もです^^京大には行ってないけど^^; とりあえず2作目を待ちます。
コメントありがとうございます。
いよいよ桜が咲くみたいですねー。
私も「女による~」で受賞した作家さんって好きな人が割といるんですよ。
「息子の自立」は絶対単行本で出るだろうし、話題になると思うので、いつかお話しましょうね。
私も公立高校よ。母だけは中高一貫校の女子高なんだけど、凄ーく良かったみたい。一生の友達も色々できて。
京大は頭が凄く良いのに個性的な人や自由人が多いイメージでカッコイイ。結構有名な小説家さんが多いよね
早速図書館に新潮を予約しました。
成瀬シリーズの短編が作られていると知り嬉しいです。
そうなの。私も時々、こういう手?を使っています。
凄く人気のある芥川賞を受賞した作品とかは、単行本をリクエストして待つより、その作品を全文載せてくれてる雑誌をリクエストした方が早い時も多いのです。
雑誌には、思いがけず他の作家の作品との出会いもあったりするし