スキャナーズ

自分がクローネンバーグを知った最初の作品

スキャナーズ（SCANNERS）
１９８１年カナダ

監督　デヴィッド・クローネンバーグ　
出演　スティーヴン・ラック　ジェニファー・オニール　マイケル・アイアンサイド

超能力者“スキャナー”を使って警護を行う警備会社に組み込まれたベイル。
科学者の手によってその能力をさらに開発されたベイルに与えられた任務は、恐るべき力で世界を支配しようとする裏のスキャナー、レボックの追跡だった…

クローネンバーグの名を広めた作品といってまったく問題は無いと思う。
頭部破壊シーンのＣＭは強烈だったが映画自体は非常に冷徹に作られている。
冷徹は言葉が違うかもしれない。

全編に乾いた雰囲気と澱んだ空気が漂っていて何回見ても気分が沈む寂しさを憶える。
多分、感情移入しづらいようにわざと作っているとは思うのですがクローネンバーグの映画は大体が第三者の目で観察するように撮られている。
その分ＳＦとしての冷たさが存分に感じられるのも事実。
そして救いようの無い世界観も淡々と描かれる。
超能力の見せ方も当時は感心したのを覚えている。
今思えば予算がなかったから産まれたのかもしれないが目に見えないものは見えないってのを上手く活かした映画だった。

ただ…　クローネンバーグの映画はとにかく体力が無い時に観ると落ちこむ。
「デッドゾーン」と「スキャナーズ」「ビデオドローム」
とにかく閉鎖感と寒さとやるせなさが芯まで残る映画。