軍隊物のブラックコメディだが思ったより深い
戦争のはじめかた(BUFFALO SOLDIERS)
http://www.cqn.co.jp/sensou/
≪ストーリー≫
ベルリンの壁崩壊を目前にした1989年の西ドイツ。米ソの緊張緩和も続いていたことから、ここシュツットガルトの米陸軍基地でも平和ボケ状態に陥っていた。青年レイ・エルウッドはこの基地で補給部隊に所属していた。頭の切れるエルウッドは、その立場を利用し、闇ルートを通じて軍の物資を横流しするのは当たり前、さらにはヘロインの精製と密売にも関わる。そんなある日、軍の浄化を掲げたリー曹長が新たに着任、さっそくエルウッドをマークする。困ったエルウッドは、相手の出方をうかがおうと、リー曹長の娘ロビンに近づく…
軍隊物のブラックコメディといえば、『MASH』や『キャッチ22』を思い出す人も多いのではないかと思う。
ですがこの映画は「戦争の中の軍隊の狂気」より「平和の中の軍隊の狂気」という感じで非常に淡々としていて狂いぶりを楽しむより狂った中での出来事を楽しむ感じです。
主人公の『落ちていく地面に叩きつけられる夢』というなんでもない日常への不満、軍隊にいてやる事が無い平和への物足りなさという狂気が静かに描かれています。
コメディとしても大笑いでなく皮肉の効いたニヤリがついてまわる良作。
ネタバレまじる感想は下に
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最初は非常に悪漢な主人公ですがリー大佐の娘と出会う頃から上手く観客の感情移入が移行できてリー大佐の方が悪人に見えてきます。
しかしそこで悪人に見えたなら実は負けです。
戦争非経験者で悪いことはしているが人は殺していない主人公と、ベトナム体験者で目的の為なら手段を選ばず人を殺す事に躊躇いが無いリー大佐とどっちが悪いかなんて決めれないのです。 この価値観の矛盾に気がつけば面白さが増すと思います。
軍隊は何の為にあるか?平和の為か戦争の為かこんがらがる非常に上手いコメディ。
戦争でボンクラになったんじゃなくて平和すぎてボンクラになった兵隊達の映画として非常に面白い。
『アメリカン・サイコ』とかに近いかも若者描写かもしれない。
コメディとしても最初の戦車の暴走やバートン大佐の能無し振りで楽しめるし上手い作り方として話の冒頭とラストが同じつくりなのもポイントが高いです。
大きな意味での社会批判や軍事批判の映画で無いのでお間違いなく。
戦争のはじめかた(BUFFALO SOLDIERS)
http://www.cqn.co.jp/sensou/
≪ストーリー≫
ベルリンの壁崩壊を目前にした1989年の西ドイツ。米ソの緊張緩和も続いていたことから、ここシュツットガルトの米陸軍基地でも平和ボケ状態に陥っていた。青年レイ・エルウッドはこの基地で補給部隊に所属していた。頭の切れるエルウッドは、その立場を利用し、闇ルートを通じて軍の物資を横流しするのは当たり前、さらにはヘロインの精製と密売にも関わる。そんなある日、軍の浄化を掲げたリー曹長が新たに着任、さっそくエルウッドをマークする。困ったエルウッドは、相手の出方をうかがおうと、リー曹長の娘ロビンに近づく…
軍隊物のブラックコメディといえば、『MASH』や『キャッチ22』を思い出す人も多いのではないかと思う。
ですがこの映画は「戦争の中の軍隊の狂気」より「平和の中の軍隊の狂気」という感じで非常に淡々としていて狂いぶりを楽しむより狂った中での出来事を楽しむ感じです。
主人公の『落ちていく地面に叩きつけられる夢』というなんでもない日常への不満、軍隊にいてやる事が無い平和への物足りなさという狂気が静かに描かれています。
コメディとしても大笑いでなく皮肉の効いたニヤリがついてまわる良作。
ネタバレまじる感想は下に
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最初は非常に悪漢な主人公ですがリー大佐の娘と出会う頃から上手く観客の感情移入が移行できてリー大佐の方が悪人に見えてきます。
しかしそこで悪人に見えたなら実は負けです。
戦争非経験者で悪いことはしているが人は殺していない主人公と、ベトナム体験者で目的の為なら手段を選ばず人を殺す事に躊躇いが無いリー大佐とどっちが悪いかなんて決めれないのです。 この価値観の矛盾に気がつけば面白さが増すと思います。
軍隊は何の為にあるか?平和の為か戦争の為かこんがらがる非常に上手いコメディ。
戦争でボンクラになったんじゃなくて平和すぎてボンクラになった兵隊達の映画として非常に面白い。
『アメリカン・サイコ』とかに近いかも若者描写かもしれない。
コメディとしても最初の戦車の暴走やバートン大佐の能無し振りで楽しめるし上手い作り方として話の冒頭とラストが同じつくりなのもポイントが高いです。
大きな意味での社会批判や軍事批判の映画で無いのでお間違いなく。
嫌悪感だけ持ちきれない主人公がうまいです。
ブラック・コメディとして秀逸ですが
本当に笑ってられない映画でした。
これが笑える時代がくればいいのですが。
リアルが先にたって皮肉が達観していないので「ありそう」という心が先にでるんですよね…
個人的に無邪気に笑えたのは中盤のvs親バカのくだりの主人公の車標的とバカでいい人上司くらいまでですね。
ラストは映画的には良い作りだと思います。