arudenteな米

食と映画感想とその他もろもろ個人の趣味と主張のだらだら日記

ポセイドン

2006年06月06日 | 映画
感動しないパニックムービー

ポセイドン(POSEIDON)
http://wwws.warnerbros.co.jp/poseidon/

≪ストーリー≫
大晦日の夜。北大西洋を航行中の豪華客船“ポセイドン号”。広大なボール・ルームには大半の乗客が集まり、ニューイヤー・イブの祝宴が華やかに催されていた。ところが、今まさに新年を迎えようとしたその瞬間、巨大な波がポセイドン号を襲い、船は瞬く間に船底を上に向けて完全に転覆してしまうのだった。4000人の乗客の多くが一瞬にして命を失う。天地逆転したボール・ルームに残るわずか数百名の生存者たち。船長は救助が来るまでこの場に止まるよう全員に命じる。しかし、プロのギャンブラー、ディランは自らの直感を信じ、一人脱出を企てる。一方、前NY市長のロバートも、別の場所にいる娘ジェニファーを捜すため、ディランと行動を共にするのだった


なんという凡庸な映画になってしまったのだろう。
『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』のリメイクなのに格段につまらなくなっている。
序盤に説明をはしょっているのが人物に思い入れできないのも大きいと思うが…


ネタバレまじる感想は下に…








『ポセイドンアドベンチャー』のリメイクというのを引いても沈没までの人物説明というか登場人物の作りこみの薄さにはがっかりする。

カート・ラッセルが元NY市長だとか生かされない設定が多いのもなんだが娘を探しにいくまでの葛藤も船長との確執もなく脱出したい一団が自分勝手に動いてバタバタするという展開に呆れてしまった。

その場にいたら危ないという説明が不足しているのと船長以下乗組員等との確執があって始めて独断で動かないと身勝手な行動にしか見えない。

この映画に人間ドラマはなく脱出劇として作るならいいオトナが身勝手に振舞うだけの理由をもっとつけるべきではないだろうか?

その為、後半バランサーに海水を入れて脱出する場面があるが彼らが水を入れた為に船が沈没するのが早まったようにしか見えない。

そして残された乗客たちの描写が薄い為乗客達が見殺しになったみたいな後味の悪さが残る。

定番の泣かせ、「親父が娘の為に頑張る」とか仮の仲間の死もあるがただ死ねば悲しい場面というわけではない。

積み重ねの感情移入がないと悲しくならない。

せめて彼らだけが序盤で生き残って合流して脱出するとかその場にいたら危ないと力説して船長たちに疎まれ、同調して追放された一団が脱出を試みる話ならまだ違うのだが。

妙に仲間思いになったり人助けする心理も前の過程がないのでちぐはぐでいけない。

アメリカ映画ってパニックものはある程度得意分野だと思っていた部分もあるので自分にとってここまで外すとは思いもよらなかった。

原作者であったポール・ギャリコも草葉の陰で多分、泣いているだろう。


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