甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

わたしの町のアルバム 千本松橋

2016年08月16日 05時33分06秒 | わたしと大阪
 昨日にひき続いて、わたしの町のアルバムです。

 表紙は、千本松橋の朝焼けです。どんなにファンタジックに描いても、実態がこれですから、写真で見ている分にはキレイだけれど、実際は何だかカラカラで、うるおいがなくて、とてもしんどい現実があります。

 砂漠がとても画面としては美しいように、この千本松橋の朝焼けもキレイに見えるけれど、ガラーンとしていて、取りつく島がなくて、クルマやトラックだけが走り、歩いている人はいなくて、民家もなくて、とても厳しい環境にあります。

 そこをあえて小説の中の中学生たちは、自転車で駆け上がって見せた。お話としては痛快だけれど、現実の私は、それは無理だし、とてもあり得ないことだと思ってしまう。

 津村記久子さんの『エブリシング・フロウズ』の中のエピソードです。今回、町中を駆け抜ける中学生はいないかなあ(実際にはいるはずなんですけど……)と、探してみましたが、そんなのはこのナツのど真ん中では無理かもしれないと思ったのです。それくらい実家でのナツは厳しかった。

 母は、そんなナツにも慣れているから、すべての老人たちと同じように、朝だけ活動して、散歩して、日中はずっと家の中で大人しくしています。日が沈むと、少しだけ外に出たりはしますが、17時くらいにはゴハンを食べて、19時くらいには寝てしまう生活なので、そういうスタイルができあがっているのだけれど、何だかなあと思うのです。



 大阪製鉄という地元ではメジャーな会社は、24時間休みなしで、ずっと動いています。工場はそんなものなんです。



 川沿いの工場のタンクが見えます。



 橋にたどり着きました。太陽はもう少しあとから上がってきます。



 下から見上げると、こんな感じです。



 大きな運送会社の倉庫と、その前の小さなほこらがあります。かなりほこりだらけで、神様も大変な感じでした。でも、無理無理おまつりしている。



 工場街のクロネコ。他にもシャムやら、サビネコやらを見かけました。けれども、警戒心は強く、すぐに隠れてしまいます。そりゃ、こんなところでタフに生きているネコたちですからね。



 中山製鋼が近づいてきます。

 昨日、少し調べてみると、中山製鋼は大正区に本社があり、会社は一度つぶれたらしい。母からそういう事情を聞いたことがなかったので、次から次と取り壊し作業を進めているのを見てビックリしました。昔、松田優作とマイケル・ダグラスが『ブラック・レイン』の撮影に来た現場はもうなくなっていました。今は昔、という感じです。M・ダグラスさんは健在かな?



 この橋の向こうに中山製鋼がありました。今も少しだけありますが、少しずつ取り壊している。ああ、私はそんなことがあったなんて、知りもしなかった。



 運河にはカモの夫婦がいました。なんという自然! あんなに人工的で、ゴミゴミして、空気をスモッグ色に染めていた工場がなくなっていくなんて! うれしいけれど、ふたたび川沿いに千本松が植えられることはないでしょうけど、あれほど工業化していた日本は、重厚長大ではやっていけなくなっている。

 そこで、シャープさんみたいに、先端液晶で世界制覇をもくろむとズッコケて、会社が消滅してしまう現代なのです。私たちは、何を手掛かりにこれからの世界で生きていけばいいんでしょう。



 重厚長大はダメ! 先端も道を誤ると怖い。となると、個々が世界に出て行って、世界を上手に回すこと、それがとても大事になってくる気がします。

 国に閉じこもっていてはダメで、世界を動かす力になってどんどん出ていく。もう国全体を不沈空母にする必要はなく、国は、世界組織に所属していなくてもいいから、みんなが豊かで、いろんな国の人々がやってきて、この小さな島々を楽しんでもらえたらそれでいい、みたいにしていく。

 産業は、それなりには必要だけど、従来の大きなものではなく、こじんまりとしたものを小規模に、細密に作っていく。このスタイル・方向で行くのはどうなんでしょうね。


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