昨日、写真の整理、読書、そして昼寝? 何だかだらしないお休みのエアーポケット、外を見ていないことはなかったのだけれど、窓の障子も何もかも薄紫に見えました。
赤い光に照らされて、それがにじんで薄紫だったのか。
とにかく、あわててカメラを持って外に飛び出しました。いつもは先に気が付く奥さんは甘えびと格闘していました。ナマでもいけるということでしたが、念には念を入れる彼女はかき揚げにしているようでした。確かに天ぷらのいい匂いはしていたのかな。
彼女にも声をかけず、外に飛び出して、うちの近所が夕暮れの町になっているところに出ました。
電線やら電柱やら、いろいろと空には線が走っています。少しだけ開けたお花畑をしているところまでいけば、西の空は見えるからそこまで歩くことにして、マスクもしないで、膝も引きずらずに割とスタスタ歩きました。
犬の散歩の人たちが全くいない。スケートボードに興じる近所の若者たちもいない。車さえ通らないのです。
どうしたんだろう。私一人しかこの夕焼けを見ていないの?
開けたところにたどり着くほんの三分くらいの間に、どんどん光は消えていって、何枚か撮らせてもらったけど、あっという間に消えていきました。
西に開けた海だったら、太陽が沈む瞬間に緑の光線が見えるというけれど、そういうのを見るためには、長崎か、鹿児島か、西の端まで行かなくてはならないし、私には見るチャンスはなくて、光が消えていくのを有り難く見るだけです。
それでいいです。
家に帰ったら、夕映えのことも話さず、黙々とかき揚げを頂きました。ああ、もっとおいしいと言えばいいのに、彼女が「好きなものがどんどんアレルギーになってしまう。トマトも、エビも……」と嘆いているのを聞くと、シュンとなるしかありませんでした。