まだ11月になったばかりですけど、心はもう来年に向かっています。なんて飽きっぽいんだろう。もう今年というのに慣れてしまったんですね。落ち着きないオッサンです。せっかちすぎる気がする。そんなに焦ることはないのに、でも、自分の内部の中でも昨年末のソワソワがもう過ぎ去っているのです。
昨年末、奮発して杉浦非水さんの竹紙カレンダーというのを買いました。普通のカレンダーの3倍くらいの値段で、去年の今ごろ県立美術館で見てから、少しだけブームになった非水さんを自宅で一年間飾ろうとしたのでした。
確かに、毎月1枚ずつポップな絵やデザインがありました。でも、あまりにデザイン化され過ぎてて、感情移入もできなくて、これいいなあとしみじみ眺めることはあまりありませんでした。
そして私はもう、あの杉浦非水さんさえ忘れかけていました。何ということでしょう。あんなに飛びついて持ち上げてたのに、一年経ったらこんなことになるなんて、移ろいやすい私の好みというべきでしょうか。
今、月食も皆既が終わって部分食になるというのに、空高くお月さんも上ってしまって、遠くになってしまいました。窓も閉めたままで、月食が終わってから、改めてまんまるのお月さんと向き合うかもしれない。
嘆いても仕方がない。私はそんな人間らしい。持久力もなくて、文句ばかり言い、静かに眺められる方が好きだし、写真が撮れたらいいんだけど、お月さんは遠いのです。
明日から、空を見上げていきます。杉浦非水さんも、忘れずに探していきます。忘れっぽい自分を反省し、自分の中からはげ落ちていく欠片を拾いながら生きて行こうと思います。
