今から2500年前に孔子さんが生まれています。二十歳頃に仕官し、お役人としてのキャリアを積んでいきます。リーダー性のある人だから、みんなから慕われ、自然と上に立つようになっていく。そして、お弟子さんみたいな若い人たちが彼のまわりに集まってきます。
若者たちは、孔子さんが学びなさいとするものを懸命に受け止めようとする。孔子さんはいくつかの書物もまとめ、若者たちにすすめたことでしょう。そして、若者たちは学び、孔子さんに質問をし、答えてくださるときもあれば、少し難解な答えの時もあったでしょう。
五十を過ぎて、とうとう国の大臣クラスに出世して、国を運営していこうという立場にまでのぼりつめます。ところが、まわりからの圧力・抵抗勢力があって、それではと、もっと自分の理想をしっかり実現することができる国を求めて、孔子さんは国を出ることになります。
十数年の放浪生活があって、七十ちかくで国に帰ることを決めます。帰国後はお弟子さんの教育に専念する。お弟子さんたちはやがて各地へ散らばっていき、孔子さんの教えは世界中に広まっていきました。
日本でも、孔子さんの教えを学ぼうする人たちだっています。決して宗教ではなくて、哲学なのだと思います。ただの哲学ではありますが、生活のすべてにわたっているので、そのスタイルで生きていくということは、少しだけ宗教になってしまうような面もあるのかも知れません。
でも、もとは、どのように人々を導いていくか、どのように生きていくべきか、それを教えてくれているのだと思います。その中には、政治を語っている部分もあったりします。
Ⅳ 政治に求められるものは?……いつものように漢字一字でお願いします。
現状はどうあろうとも、理想の国を目ざして努力する、その努力こそが大切であると、孔子さんは言っておられるのではないでしょうか。
孔子さんがその理想とした社会は、古代の(15 )という国の初期のころだそうです。どうして周が理想の政治なのか、それが少し気になりますが、周というのは封建(一族の者に主要な土地を任せて諸侯として封ずる形)の国で、ただの分割統治だと思われます。
今の中国みたいに十三億を中央集権の力で抑えつけるのではなくて、各地にそれなりの権限を与えて、地方分権を進める形がいいなと思ったんでしょうか。お互いが、競い合ったり、助け合ったりする形がいいなあと思ったのか、とにかく国のため、一族のために献身的だった周王の弟さんの「周公・旦」さんが好きだったということです。
政治って、本当にムズカシイもので、やたら政治がシャシャリ出てくると、防衛も、経済も、教育も、文化もメチャメチャになってしまいます。かといって、国が何もしないと、どんどん内部は停滞していくし、シャシャリでないで、ある程度の権限を与えつつ、上手にコントロールすること、それが理想の政治なのでしょう。
孔子さんより後の儒学の本で『礼記 らいき』には「苛政(かせい)は虎よりも猛(たけ)し」ということばが出てきますが、それくらい、きびしく、むごい政治が行われているのは、人を襲う虎がいることよりも恐ろしい、ということになります。
だれだって政治がメチャクチャな国には住みたくないのです。独裁で40数年抑えつけていたシリアという国は、このまま永遠に独裁が続くのだと私は思っていました。けれども、突然に反独裁の勢力が現れましたが、結局みんなが新しい独裁政治を作ろうとしているので、政治に興味のない、関わりたくない人たちだけが迷惑して、今日の状態に至っています。
一般の人というのは、たまたまそこに生まれ、たまたまそこで生活していたわけで、できれば自分たちに介入してくる政府なんて必要ないと思っていたでしょう。でも、政府はとにかくどこの国でも介入してくるのです。
大切なのは距離感ですよね。つかず離れず、ある程度の距離をおいて欲しい。
孔子さんの言うダメな政治とは、
「16 」……政令や法律。規則ずくめ。ルール万能。
「17 」……刑罰。見せしめ。とにかく人々に恐怖を与える。これらが優先される国。
孔子さんがススメるイイ政治とは、
「18 」……人柄。品性として身に付けている豊かさ・優しさ。
「19 」……社会の秩序。人としての常識。
「20 」……人の心をやわらげるもの。
これらを大切にしている、これらが感じられる、これらを推し進める政治だそうです。
現状はどうあろうとも、理想の国を目ざして努力する、その努力こそが大切であると、孔子さんは言っておられるのではないでしょうか。
孔子さんがその理想とした社会は、古代の(15 )という国の初期のころだそうです。どうして周が理想の政治なのか、それが少し気になりますが、周というのは封建(一族の者に主要な土地を任せて諸侯として封ずる形)の国で、ただの分割統治だと思われます。
今の中国みたいに十三億を中央集権の力で抑えつけるのではなくて、各地にそれなりの権限を与えて、地方分権を進める形がいいなと思ったんでしょうか。お互いが、競い合ったり、助け合ったりする形がいいなあと思ったのか、とにかく国のため、一族のために献身的だった周王の弟さんの「周公・旦」さんが好きだったということです。
政治って、本当にムズカシイもので、やたら政治がシャシャリ出てくると、防衛も、経済も、教育も、文化もメチャメチャになってしまいます。かといって、国が何もしないと、どんどん内部は停滞していくし、シャシャリでないで、ある程度の権限を与えつつ、上手にコントロールすること、それが理想の政治なのでしょう。
孔子さんより後の儒学の本で『礼記 らいき』には「苛政(かせい)は虎よりも猛(たけ)し」ということばが出てきますが、それくらい、きびしく、むごい政治が行われているのは、人を襲う虎がいることよりも恐ろしい、ということになります。
だれだって政治がメチャクチャな国には住みたくないのです。独裁で40数年抑えつけていたシリアという国は、このまま永遠に独裁が続くのだと私は思っていました。けれども、突然に反独裁の勢力が現れましたが、結局みんなが新しい独裁政治を作ろうとしているので、政治に興味のない、関わりたくない人たちだけが迷惑して、今日の状態に至っています。
一般の人というのは、たまたまそこに生まれ、たまたまそこで生活していたわけで、できれば自分たちに介入してくる政府なんて必要ないと思っていたでしょう。でも、政府はとにかくどこの国でも介入してくるのです。
大切なのは距離感ですよね。つかず離れず、ある程度の距離をおいて欲しい。
孔子さんの言うダメな政治とは、
「16 」……政令や法律。規則ずくめ。ルール万能。
「17 」……刑罰。見せしめ。とにかく人々に恐怖を与える。これらが優先される国。
孔子さんがススメるイイ政治とは、
「18 」……人柄。品性として身に付けている豊かさ・優しさ。
「19 」……社会の秩序。人としての常識。
「20 」……人の心をやわらげるもの。
これらを大切にしている、これらが感じられる、これらを推し進める政治だそうです。
ここに書かれた漢字だけが「政治」ではありませんが、検証することは大事だし、それらが本当に機能しているのか、どれくらい形骸化しているのか、どれくらい邪魔しているヤツらがいるのか、いつも監視しないととんてでもない方向に行ってしまう。
アメリカの政治家のみなさんも反省しなくては! 自分たちのことばかり考えて、すべての良識をオバマさん任せにして、あとは自分たちのことばかりしていたから、もう国民はイヤになった。アメリカだけではなく、韓国もウンザリしている。中国の人々は政治家というか、中国共産党に希望を失っている。フランスも混迷し、イギリスも自分中心に向かっている。
みんなが他人のことなんか、よその国のことなんか考えない。そうしたらテロ組織としては願ったり叶ったりです。みんながよその国を信じないということは、みんなが不信感だらけで、そこを更に刺激してあげれば、もっともっと内向きになるでしょう。
そして、テロ組織が、適当な場所を見つけて、そこで無法の国を作り、他国に麻薬やら兵器やら暴力を高く売りつければいいわけで、どんどん巨大化するし、どんどん国は孤独になり、みんながいがみ合うことでしょう。テロ組織の理想世界は近づいているのかも……。
何とかしないといけません。マララさんだけじゃなくて、私も声を上げたいけど、英語ができなくてダメですね。もっとみんなに語りかけるすべを持たなくちゃね。
[答え]
15・周 16・政 17・刑
18・徳 19・礼 20・楽
15・周 16・政 17・刑
18・徳 19・礼 20・楽
★ 人が話しているときにワルクチを言ったりする。自分の言いたいことだけいったらあとは知らんぷり。自分に都合の悪い場面は極力避けて、お金にならないものにはお金を掛けず、たずねられたことには適当なごまかしを言って済ませている。これらはとても政治とはいえません。……反省しなくては! 私たちも。