お弁当のことを書こうと思いました。でも、今までそんなことを書いてこなかったので、カテゴリーがありませんでした。
確かに、私はグルメではないから、何でも適当に食べるだけです。たまたま飲めるところに入ったら、お酒飲んで、何か食べる、その程度で、お酒の味も、料理のうまさも、あまりわかりません。何となくおいしいと思ったら、それで決定です。そんなにたくさんは食べられないし、微妙な味わいなんて、絶対にわからないと思います。
酔ってしまったら、大抵のものはおいしいという気がしてしまう。私が「まずい」なんて表現するのは、よほどのもので、それは本当にどうかしている食べ物だと思われます。
食べ物のことは、あまり書ける気がしません。
カキフライ食べたら、それで幸せです。
ラーメンなら、クラッシックな中華そば、これは小さい時に家の前にあったお店でめったに食べられなくて、食べられたら幸せで、その時からずっとあこがれの味でした。みそでもないし、塩でもないし、ましてやトンコツでもないし、シンプルにしょうゆのラーメン、それだけで有り難かった。小さい頃から、ぐるぐるの鳴門巻きを見たら、心は天にも昇る気持ちでした。
去年の夏、米子の駅前で食べた天津飯とギョーザ、これもしみじみとおいしかったですよ。奥さんとだったら絶対にいけない、少し古そうなお店でしたけど、ムチャクチャ旅の味がしました。
倉吉では土蔵蕎麦、というところで五目そば、夏なのに熱いのを食べたんでしたね。どうして熱いの食べたかって？ 前に来た時は冬で、その時の感覚を取り戻したかったんでしょうね。ここに来たら、熱いおそばを食べるって、決めてたみたいです。その前は、秋に来て、やはりここで食べましたっけ。
本当に、これとなったらこればかり、そういうところがありますね。
まあ、私に食べ物のことは書く権利はありません。何でもかんでも、口に入りさえすれば、それなりにおいしいから、そのおいしいに差をつけられたらいいんだけど、そういうことはできないみたいです。
というんで、この何年かでおいしい弁当食べたかなとふりかえると、箱のように切りそろえられたお寿司は、おいしかった記憶があります。いや、珍しいというのか、食べやすいというのか、工夫を感じたというのか、味よりも見栄えは良かったですね。味はわかりません。
それにしても、どうして唐突に弁当のことを書こうと思ったのかというと、たまたま奥さんがつけてたテレビをチラッと見たら、切り売りされているAKBというグループの現在の中心らしき女の子が、「昔は、AKBはお弁当が出たんですけど、最近はそれぞれでコンビニなどで買うようになりました」という発言を聞いたからです。
かつて、数年前、もう少し昔？ AKBは飛ぶ鳥も落とす勢いと力がありました。全国の女の子たちは、だったらめざそうと、ずっとそういう世界に飛び込んだはずです。
でも、何度も何度も、ピークがあれば落ち目もあるように、弁当だってバンバン買えたし、その方が手際よいし、分刻みのアイドルを効率的に使うには、集中して使うしかないので、ゴハンを食べる時間ももったいなくて、弁当を食べさせた。
今は、個々に、個々の負担で買わせた方が、本人たちの好きなものが食べられるし、そんなにタイトなスケジュールではないから、自己負担で買わせるシステムに変わった。
としたら、AKBというビジネス形態も、また休止して、冷却期間の後、ふたたび同じようなことをする、そういう戦略、というか、それしか道はないと思っているようです。乗り遅れた女の子たちが、適当に見限って、自分たちの道を見つけるしかないのかな、と思ったんでした。
アイドルも大変です。
食べ物つながりのラストは、三重県の熊野地方の誇るめはりずしとサンマ寿司です。サンマは、北の海から戻って来たサンマで、これをまるごと寿司にする。発酵はさせなくて、サンマとすしめしが一体化したチーズとまではいかないけれど、香ばしい独特の食べ物になっています。めはりずしは、大きな高菜の葉の漬物でごはんをくるんでいるだけで、あったかいものから、中に具を入れてあるもの、いろいろありますが、シンプルなのは、そのまんまで、「この味は何だろう？ 漬物、塩味、高菜味、ごはん、そのまんまなんだけど、どういうお味？」と食べながら、味を探している自分がいます。濃い味付けだとしょうゆでいやになるけれど、たいていのめはりずしは、味があるのかないのか、お口の中で探す楽しみみたいなのがあります。
というんで、お弁当とAKBでした。彼女たちは、沈む船から脱出しないといけないです。
