私の身勝手な気持ちを書きます。
もう敦賀から新大阪のルートはおおよそＡのルートで決まったそうです。これから何十年もかけて京都北部にたくさんのトンネルを空けて、ボコボコにして縦貫というか、くし刺しというか、グサリと突き抜けて新大阪までつなぐそうです。
（いつも、今でも信長さんが駆け抜けているような、何となく懐かしい道なんです！ 他の信長さんの道は、ウイニングロードですけど、こちらは敗北の道ですから、何だか一生懸命さがあるし、一度クルマで走りたいとも思ってたりします？）
おそらく京都府の知事さんは、「そんなに工事ばかりしていると、京都市そのものの水の豊かさが失われるから、工事はさせない！」なんていうような、リニアに対する静岡県知事さんみたいな、いやがらせ発言はしないでしょう（はたから見ていると、川勝知事さんが文句言いのようにしか見えませんけど、もう少しマスコミも川勝知事さんの丁寧に取材するとか、知事さんも発言だけではなくて、山梨や長野、岐阜の知事さんと話し合うとか、科学者の意見を聞くとか、やり方はあると思うんですけど……）。
京都の産業界はもろ手を上げてこの山岳ルート案に突き進むのだと思われます。それはものすごい工事だし、建設費もどんどん予想よりも高くなって、時代とともに莫大な費用が掛かりましたが、すべては利益を受ける国民の皆さん全体の負担でお願いしますとされて、私たちは知らない間にものすごい借金を背負わされ、延々と払い続けますが、私みたいなものは途中でダウンして、まだ生まれていない子どもたちがずっとこの負債とともに過ごしていくことになるでしょう。
罪深いことだと思われます。まだ生まれてもいないのに、この国に生まれるということは、負債を背負って生まれ、その負債を返済するための人生を送らされている、と本人は気づかないだろうけど、形としてはそうなっていくのでしょう。
私の理想のＢ案、米原でものすごい工事をしなきゃいけないですけど、そこだけをクリアすれば、すでに来春から動き出す東京から敦賀までのルートに簡単につなげられます。残念ながら、敦賀の人は東京に出る時は米原で乗り換えなきゃいけないけど、それは今までもそうだったのだから、乗り換えが面倒な人は、少しお金と時間はかかるけれど、乗り換えしないで金沢まわりで東京に行くかするでしょう。
だから、工事費が少なくて、すぐに敦賀につなぐには絶対に米原ルートでなければならない。
それをあえて京都を串刺しで走る最悪のルートが選択されたのは、工事費を使い続けるために（負債を大きくさせるために、工事を遅くさせるために）選ばれたとしか思えません。
どこかで弁明はしているんでしょうけど、借金を作ることが目的の鉄道建設なんて、私たちが知らない間に何もかもが決まっていきますが、静岡県の知事さんではないけど、誰かがストップをかけて、もう一度考え直さないと、後世の人たちに申し訳ないと思います。
そもそも私は、そんな負債を払えないのです。たぶん、敦賀から新大阪に新幹線が走ったとしても、そんなにメリットはありません。それよりはクルマで、自分の力で淡々と走る方が楽しいし、家族となら、そちらの方が安く行けるでしょう。
今の時代に、道路建設というのもかなり進んでいますけど、建設は進んでいるけれど、道路の管理は、昨日までの新名神下り線の立ち往生事件を見ても、管理には細心の注意が払われているとは思えないのです。
道を作ることは推し進めていく。できてしまえば、管理なんて、適当な人数で、適当にやらせておく。これが私たちの国のスタイルではないですか。これからも、さまざまな想定外の事故・事件・災害は起きると思われます。人命が奪われなかったのは幸いでしたけど、これから、人の命が奪われたとしても、申し訳ありませんでしたとカメラの前で一礼して終わりにしようとするんだろうか。
たぶん、そうかもしれない。
いろんなモノ・建物・施設・設備は作られます。これらは日々古くなりますし、日々メインテナンスが必要です。
でも、それはもう知らない。管理は別のものがやるだなんて、そういうふうにできているみたいです。
リニアは、名古屋で断念する。これ以上ビッグプロジェクトは要らない。それよりも、人に投資すること、そちらをしてもらいたいし、増え過ぎたいろんなものを淘汰し、必要なものだけを残す。
何も考えないで建設ばかりに人材を投資していた社会を、人づくりそのものに投資する。そのためには、人のどんなところに投資するのか、それは何かの哲学が必要だし、その哲学・理想を、国会や、県議会や、市議会、いろんなところで話し合ってもらいたい。
理想を語りたかったですね。今の新大阪駅のホームはもうパニックになるかもしれないけれど、東京駅みたいに新幹線のホームをたくさん作る必要があるけれど、できれば、ほんの少しの工事だけにして、東京行きののぞみが出たあと、長野行きの北陸新幹線がホームにやって来て、では善光寺にお参りに行こうと乗り込んだり、新潟方面に出て、只見線見物に行くとか、そういうことができるようになれば、オッチャンたちはこぞって北陸新幹線を利用するでしょうけど、京都の自然豊かな山々を犠牲にして、水も失って、新幹線づくりに加担するなんて、私にはできません。
たぶん、絶対に乗らないでしょう。北陸に行きたかったら、絶対にクルマで行きます。このお正月に名古屋から「しらさぎ」、金沢から「サンダーバード」に乗ったのは、私なりのレクイエムでした。お別れの挨拶でした。
敦賀まで新幹線が走るあと一年、どれだけ無駄な抵抗ができるか、せいぜい頑張りたいです。
