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クローズアップ2016 診療報酬改定案 「地域・在宅」医療を重視

2016年02月11日 09時16分58秒 | 市場動向チェックメモ
http://mainichi.jp/articles/20160211/ddm/003/010/113000c


クローズアップ2016
診療報酬改定案 「地域・在宅」医療を重視

毎日新聞2016年2月11日 東京朝刊


かかりつけ推進のイメージ


 厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は10日、2016年度診療報酬改定案を答申した。地域の診療所などに加え、薬局にも「かかりつけ」の役割を担わせる。ただ、かかりつけに関する情報は少ない。患者側にはメリットもあるが、機能しなければ絵に描いた餅になりかねない。

かかりつけ医、情報少なく

 継続的に診て、病歴や体質を把握し、ちょっとした体調の変化にも気づく。何かあれば相談に応じてくれ、必要なら専門的な大病院を紹介してくれる--厚生労働省が推進している「かかりつけ医」だ。同省はこれまでも、かかりつけ医を推進してきた。特に今回の改定では、複数の病気を持つ認知症患者や、小児を継続的にケアする医師に対する報酬を引き上げる。これが患者側にはどんなメリットがあるのか。

 認知症は早期の発見、治療が重要だが、専門医でなければ診断が難しい。しかし、かかりつけ医として常に診てくれる人がいれば、認知症の疑いに気づき、専門医につないでもらうことができる。

 小児では、発達段階に応じた指導や予防接種のスケジュール管理の助言などが受けられる。小学校や中学校に進んでからも診てもらうことができる。

 答申後の記者会見で、健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司理事は「認知症の人や小児を一元的に診る医師を作るのは評価していい」と歓迎。2人の子どもを抱え仕事をしている女性は「予防接種を漏れなく受けるのは大変。こういう医師がいれば助かる。これからも長く診てもらえたらありがたい」と話す。

 一方で、今回の改定ではかかりつけ医の紹介なしで大病院を受診すると、初診で5000円以上(歯科は3000円以上)、再診で2500円以上(同1500円以上)を診察料や初診料などとは別に追加請求されることになる。軽いけがや病気の人の受診を減らし、高度で専門的な診療に専念するためだ。

 さらに、かかりつけ医がいることで、大病院に入院せずに在宅で医療を受ける人も増える可能性がある。

 厚労省は今回、薬剤師にも「かかりつけ」を広げようとしている。高齢者は複数の病気を抱え、別々の医療機関からたくさんの薬を処方されているケースも多い。患者にしてみれば、薬剤師が24時間の相談や薬の整理に応じてくれる。薬の重複や飲み合わせも確認できる。処方箋を出した医師に変更を求めることも。こうした場合に報酬がもらえるようになったり、引き上げられたりするからだ。

 薬局でも特定の医療機関から集中的に処方箋を受け付ける大型の「門前薬局」の報酬は引き下げる。「医師の処方のままに薬を出すだけ。患者の利益になっていない」(厚労省幹部)からだ。薬を渡す行為ではなく、患者の健康への寄与という観点を重視。健保連の幸野氏は「(かかりつけの)報酬を上げることで医療費が上がる懸念はなくはない。しかし、質的に転換した。改革元年だ。長い目でみれば(無駄な薬の減少や健康増進によって)医療費が減少するのではないか」と評価した。

 ただ、「かかりつけ」の医師や薬剤師をどこでみつければいいのか。選択するための情報は少ない。それが大病院志向の一因にもなっている。改定を議論した中医協の委員から「かかりつけの役割やサービス内容など、わかりやすい情報が不可欠だ」との声が上がっていた。日本医師会(日医)の横倉義武会長も10日の会見で「『どこにかかりつけ医がいるのか』と聞かれる」と語った。日医は4月からかかりつけ医への研修事業を始める予定だ。横倉氏は「研修を受けた医師が地域住民から分かるようにすることも必要だ」と述べた。【阿部亮介】

重症者の病床削減へ

 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向け、医療費はさらに増大すると見込まれており、医療費の膨張に歯止めを掛けることは政府にとって急務だ。今回の改定では、在宅医療を前提にした「かかりつけ」が患者の健康増進や薬を減らすことで、医療費抑制の効果が期待されている。

 一方で、頭を開いたり、全身麻酔を伴う手術や放射線治療などが必要で、比較的長期入院を要する「重症患者」向けの病床への対応も盛り込まれた。

 こうした病床は、医師・看護師の厳しいケアが求められるため、1日1万5910円と報酬は手厚い。他の病床より2590〜6310円も高い。病院は患者1人当たりの報酬を受け取るが、すべての患者が重症者である必要はない。現在、入院患者の15%以上が重症なら高い報酬を受けられる。このため、「コストが掛かりすぎる」との指摘が出ている。

 今回の改定では重症患者の割合を「25%以上」に引き上げることなどで「医療費の高い病床」を削減しようとしている。ただ、診療報酬改定に向けた議論で、日医などは「(経営悪化で)地域医療が困難になる」などと見直しに慎重な姿勢を示していた。厚労省幹部も「急な見直しは医療機関の経営に影響する」と改定の難しさを指摘する。

 重症者向け病床については、前回14年度の改定でも基準を厳しくし、25%(約9万床)程度削減できるとの見通しだった。しかし、昨年10月までの1年半で減ったのはわずか約1・1万床だった。収入を確保するために医療機関が基準をクリアしようと軽症者らに早めの退院を促したとみられる。

 こうした患者は、退院後の行き場を失う恐れもある。急な見直しは医療機関の経営だけでなく、患者側にも影響を与えかねない。患者の容体などに合わせた医療機関の「すみ分け」が求められている。【堀井恵里子】

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